置かれた場所で咲きなさい

 昨日は24時間当直でした。夜平和で呼ばれることも少なく,読書をする時間が
ありました。<上記の本>などを読みました。

という本です。内容は上記の紹介記事や上記をクリックしていただけると
わかりますが,NICUや小児病棟の患者家族の皆様,修行中の研修医や若手看護師さん,
自分を惜しみたくなる気持ちになることもある
忙しい小児医療の現場で働きつづけている医療スタッフなど,それぞれに心が
枯れないように,水を注いでくれるような本にも感じました。タイトルは
「置かれた場所で咲きましょう」のほうが良かった気はしますが。。。

キリスト教の宗教観がベースにあるとは思いますが,
「置かれた状況に不平不満を持ち,他人の出方で幸せになったり,
不幸に感じたりするのは,環境の奴隷なのかもしれない。どんな状況
に置かれても自分の花を咲かせる心を持ち続けよう。境遇は選ぶことは
出来ないが行き方は選ぶことができる」

「神は力に余る試練を人間に与えない」

「順風満帆な人生などない。心にポッカリ開いた穴から
これまで見えなかったことが見えてくることもある」

「希望には叶わないものもあるかもしれないが,大切なのは
希望を持ち続けようとする気持ち」

「迷うことが出来るのも1つの恵み」

というような言葉が実例や背景を込めて解説されています。
ご興味のあるかたはお読みいただければと思いました。

置かれた場所で様々な花を咲かせている,咲かせようとしている
新生児集中治療室(NICU)の赤ちゃん,ご家族,医療者だと思いました。


他の患者さんの診療風景を心配そうにじっとみていたたっくんと
寝かしつけるまで側にいるパパさんの22時の前の光景です。


看護師さん達と担当患者さんの診療を確認している本田先生の23時。
生まれそうと言われた患者さんの担当医を志願しようとして,遅くまで
NICUに待機してくれていました。日々の修行・経験を大切にしている
広島からきてくれている本田先生ですね。

月曜日の当直を気づいていない本田先生を指摘したら,
私も水曜日にまた当直があるのを気づいていなくて,お互いに
先のことを考えず,数日内のことに集中して生きている日々なのだ
と思った日曜日の夜でした。


朝がきて新しい一週間の始まりです。朝の回診風景,担当患者さんの
みんなが笑顔で感嘆するほどわかりやすく,細やかにまとめなおして
今後の診療方針を提案する東京から移動してきた斎藤先生の姿に和む朝でした。


岸上先生,玉置先生の
大阪コンビと広島出身のローテーター研修の三宅先生
がそれぞれのベットで診療を頑張っている午前中でした。
それぞれが環境や状況の中で,自分の花を咲かせるべく,
自分のため,患者さんのために日々を大切に研修してくれていると
感じています。

4ヶ月以上早産だったり,体重が600g未満の赤ちゃん,
双胎間輸血症候群,様々な生後早期に手術をはじめとした集中治療を必要とした
生まれつきのご病気の赤ちゃん達を収容している
NICUです。

上記のお子さん達のような状況を月単位で耐え,
乗り越えてきたお子さんとご家族達です。


呼吸器などがどんどん外れ,身軽になり,ママに抱かれて過ごしている
時間がおおくなってきた航くん,優しい看護師さんと写真を撮って
過ごしている風景が素敵に感じました。


航くんが本日お着替えした服は下記の一足先にGCU(回復後病床)に移動した
たいきくんのママさんがプレゼントしてくれた手作りのお服とのことですね。
身につけられた笑顔の航くんのママの笑顔でした。



そのたいきくんとママさんの本日です。
鼻から空気を送るネーザルシーパップを外して
穏やか表情のたいきくんとママさんですね。


ベビー室のそらくん。まだ在宅医療には早いかなと言う状況ですが
それでも,日々,ママとパパと過ごし,表情が豊になってきましたね。
写真を撮るとありがとうございますといつもいってくださるのですが,
こちらこそ,ブログに写真を出していいかはかなり悩む部分なので
出てくださりありがとうございますです。


以外に初抱っこ?だったみずきくんのパパさんですね。
本日は色々とお話し出来て,お互いに職場でがんばりましょうという
気持ちのくださってありがとうございました。


NICU卒業後の外来にきつつ,一緒に過ごしたママさんやお子さん達に
お互いにがんばろう訪問をしてくれているゆめさんとママさん。
ゆめさん,パパ似?という話題やゆめママの最近の読書の感想,
ゆめさんはたっくんのお嫁さんになる?などの話題で盛り上がる
NICU前でした。


胎児期からの胸水症で繰り返して入院をしたもかさんも外来でした。
11ヶ月になりますね。パパともかちゃんの素敵な笑顔に感じました。

上記に紹介した本の一節に
「自分自身との戦い(悩み?)の末に身につけたほほえみは
他人の心を癒す力がある。とってつけたような笑顔でなく,
職業スマイルでもなく,苦しみという土壌に咲いたほほえみは
ほほえまれた相手に大きな力を与える。」というような言葉があり,
上記のようなNICUでがんばってきた赤ちゃん,ご家族,頑張っている
スタッフのことを思い浮かべました。


本日も生まれてきてNICUにやってきたり,
長時間の手術を受けてNICUに戻ってきた赤ちゃん達の
診療でにぎわっている18時過ぎのNICUです。
本日もそれぞれにお疲れさまでした。


無事に手術を終えて安堵の背中が素敵に感じたご家族ですね。
一歩前進,良かったですね。

皆様,ご意見感想いかがでしょうか?

ブログに出てもいいかなと想えるかたは遠慮なく,
「ブログ読んでます」などの
お声かけくださるとありがたいです。

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●当院NICU卒業生ご家族である読売巨人の村田さんのNICU応援本です。
下記のタイトルをクリックしてくださるとアマゾンに飛び購入可能
です。
がんばれ!!小さき生命たちよ―村田修一選手と閏哉くんとの41ヵ月出版時の神奈川新聞の報道が以下です。http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1009270014/
(TBSサービスから出版。本の収益は新生児・小児医療に寄付予定)

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Posted byNICUサポートプロジェクト

Comments 11

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ゆうき母  
No title

優希の母です。
昨日の昼間、視線を感じたっくんの方を見て手を振ってみましたがたっくんスマイルは見れず残念でした。夕方に夫がNICUから出て来た時にたっくんの笑顔を何回も見れたよ!の言葉に羨ましい限りでした。
こうちゃん、ホッペが可愛いいですね!たいちゃんママの手作りお洋服も似合っていて素敵なお写真ですね!
たいちゃん、近くになりましたね。面会時には心の中で「たいちゃん、たいちゃん」と呼びかけることがささやかな楽しみです。ママさんの笑顔、嬉しそうですね!
そらくん、ママに抱っこされてカメラ目線格好いいですね!幸せオーラを感じ笑顔になれます。
そらくんとママさんに会えるお風呂の時間が楽しみです。
みずきくん、パパさんの初抱っこおめでとうございます。パパさん、ママさんとお話した事はありませんが、Aのお部屋で少しだけ一緒に過ごしていました。今度、お会いした時にお話できたらと思います。
今日のブログの皆様とはAの部屋から一緒に過ごしていて、あの頃が懐かしく思えます。
まだ日々、不安な事もありますが、今後とも宜しくお願いいたします。

たいようママ  
No title

一年前、心にポッカリ穴が開いたけど、それまで見えなかったことが見えてきて、今がある。そんな風に思えて共感しました。こんなに前向きになれたのも先生方・看護師さん・お友達になったご家族、そしてこのブログのおかげだと思っています。入院中はブログに載せてもらうのが楽しみで、今は皆さんの頑張りやキラキラした笑顔にたくさんパワーをもらっています。私の周りでも、このブログに励まされている人がたくさんいます‼先生お忙しいと思いますが、今後ともブログ更新よろしくお願いします☆

そらママ  
No title

豊島先生、お疲れ様です。写真を載せていただき、有難うございます^^
ブログに写真を載せていただくことで、なかなか会えない九州の実家の私の両親や姉弟、友人に今のそらちゃんの様子を見てもらうことができ、本当に有り難いです。
また、自分ではいつもそらちゃんだけの写真ばかり撮ってしまうので、家族3人で写っていたりする写真もとっても嬉しいです^^
優希ちゃんママ、メッセージ有難うございます^^
Aのお部屋で泣いてばかりいた頃、新しくご入院されてきて大変なときにも、いつも明るく、笑顔で元気なママさんを見て、ハッとし、「笑顔で居よう!強くなろう!」と思えました。
「自分自身との戦い(悩み?)の末に身につけたほほえみは他人の心を癒す力がある」本当にその通りですね。
私もそらちゃんも優希ちゃんがベビールームに来るのを楽しみにしています^^

航ちゃんママ  
No title

たいちゃんママ、素敵なお洋服ありがとう♪
とっても似合ってました(*^^)v
写真見ると、たいちゃんも同じの着てる???
今度裁縫全般教えてください!
たっくんパパ
先日はどうもありがとうございました!お疲れの所、逆方向なのにスミマセンでした。とても助かりました。
ベッドが一つ奥になったために廊下の様子を覗うことが出来ず、今までのようにたっくんのお散歩に気付けない日々… せっかくたっくんと心が通じ合ってきた(?)のに(>_<)…(ゆうきちゃんママ、本当ですよ!いいでしょ?)
たっくんが寂しい思いをしないよう、廊下を気にするようにしていきたいです(^^ゞ
それと、最後の写真で手術を終えて安堵しているパパさんママさん。今居らっしゃる場所はおそらく航平がずっと居た所で、私たちもまさに同じような写真を以前先生に掲載していただいた記憶があり、懐かしく思いました。うちも何度も山にぶち当たり、涙して乗り越えてきて今があります。頑張ってください!

たいき母  
No title

おはようございます。豊島先生、24時間当直お疲れ様です。毎日本当にありがとうございます。また、今回も素敵なお言葉と写真を載せて下さりありがとうございます。私もとても心配してくれている親しい友人にブログを紹介しました。頑張っているたいきの様子を見てもらえるので載せていただけて嬉しいです。こんな風に喜べるようになる事が数カ月前には想像すらできませんでした。毎日先生のブログに心がほぐされて、今があります。
写真に載っていた手術を乗り越えたお子さんの回復を心からお祈り申し上げます。

たっくんパパ  
No title

豊島先生、写真掲載ありがとうございます。最近、太晴の体調も戻ってきて、平日仕事が終ってから行って抱っこすると、スゥーとすぐに寝てくれます。たまにスイッチが入ってテンションが上がっているときがありますが、毎日元気な太晴に会えることを嬉しく感じながら、日々を送っています。
航ちゃんママさん
いえいえ、気にしなくて結構ですよ。また、散歩中に見かけたら、声をかけてくださいね。心が通じあっても、丸1日会わないと忘れてしまうツンデレの太晴なので、毎日会えるといいですね(笑)
ゆめちゃんママさん
ゆめちゃんとNICU訪問していたのですね。パパ似と噂のゆめちゃんに会いたかったです。太晴にも今度会って欲しいですね。
「置かれた場所で咲きなさい」は、すごく興味が持てるタイトルですね。医療者の立場、家族としての立場、置かれた場所は違えど、その場所で、それぞれの立場で、自分の役目を精一杯やりなさい、と言っている様に感じました。

かのんママ  
No title

ブログを見ると前向きに頑張ろうといつも思います(^-^)
写真ありがとうございます☆いつの間にか撮ってたんですね(笑)
いつも娘だけの写真しか撮らないので、こうやって、写真を見ると家族での良い記念になります♪
手術も先生方のおかげで無事に終えることができ、ひと安心です。
これからもよろしくお願いします(^-^)

-  
No title

豊島先生いつもありがとうございます。爽やかに扉から出ていらしたので、まさか24時間当直だったとは想像もつきませんでした。
この頃、娘を誰かと比べてしまい、うつむくことも多くなりました。そんな中、先生のご紹介してくださった本はとても興味深いです。先日ご紹介くださった本が読み終わったら、また注文してみたいと思います。普段は全く読書をしないのですが、年に何度か活字が無性に恋しくなります笑
今回は、入院後という事もあり、今まで困っていた事が溢れてしまい、気持ちが沈んでいました。そんな時に担当ワーカーさんと偶然お会いでき、ホッとしました。柴崎先生をはじめ、困った時のワーカーさん!!!がいてくださる事に、本当に感謝しています。夏の暑いあの日、アポなしの妊婦の話を聞いて、勇気をくださったこと事、ずっとずっと忘れません!!これからもよろしくお願いします
。西岡さんにもやーーーーっとお会いできました(o^^o)嬉しかったです。
・たっくんパパさん
結芽は、パパのお腹から出て来たのかもしれません笑
たっくんと遊べる日を待っています!
・あみちゃんママさん
あみちゃんとも遊べる日が楽しみだよ

ひかりママ  
No title

豊島先生
ちょっと久々にブログに拝見させていただいたら、「おかれた場所で咲きなさい」の見出しにひきこまれました。渡辺和子先生は、私が高校生の時に講演会を聞き、それ以来、人生の師として、渡辺先生の言葉は覚えるくらいに言葉をかみしめて、心の糧にしてきました。そんなところに舞い込んだひかりの誕生でしたので、ひかりの命の恩人の豊島先生からの、渡辺和子先生の本のご紹介に、胸が熱くなりました。
ひかりの小学校入学に向けて、小学校の先生たちとの情報交換など始めております。目の前のことばかりにとらわれず、ひかりが置かれた場所で、ひかりの花を咲かせられることを考えようと、原点に立ちかえった思いです。
早速いま、本を購入しました。夜には届くので、週末の楽しみにします。
ひかりは最近「本を書く人になりたい」といいます。素敵ですね(^^)v←親ばかです♪

NICUサポートプロジェクト  
No title

ひかりママ,ゆめママ,かのんママ,航くんママ,そらママ,ゆうき母,たっくんパパ,太陽ママさん,それぞれのメッセージを共感しながら拝見しておりました。<心にぼっかり穴が開いたときに,その穴が出来たからこそ見えてくることがある>確かにそうかなと改めて思いました。皆様はそういうことに気づけたかたがたかもしれませんね。お子さん達のおかげかもしれませんね。こういう本の紹介やその感想などの交換ができるといいなあと思いました。今後ともメッセージお寄せくだされば嬉しいです。

ひかりママ  
No title

豊島先生
本、週末に一気に読みました。いくつか、印象に残って線をひいた箇所がありました。先生のおかげで、よい本がよめて有難かったです。
いのちは大切だ、と何万回いわれるより、あなたが大切だ、といわれるだけで生きていける、というような箇所が「深いな~」と思ってしまいました。NICUでもそうですよね。「いのち」を救うだけでなく、ひかりを大切にしてくださったから、今感謝して日々を過ごせているなあと感じます。
もうひとつ。「どうしても咲けないときは無理に咲かなくていい。その代わりに、根を下へ下へと降ろして、根を張るのです。次に咲く花が、より大きく、美しいものとなるために」という箇所。しんどかった入院中は、どんな未来も受け入れていける強い母となるために、じっとふんばっていた気がします。その時は、根が降りていっていたのかなあと、とても懐かしくなった文章でした。子どもたちにも、根を張るための時を耐える心がそだってほしいです。
「不機嫌は立派な環境破壊」というところに線をひいてしまった自分が、なんとも情けない週末でした(^^)v。