オーバーザレインボー:虹の向こうへ。。。(第95回日本超音波医学会学術集会の参加報告)
自分の講演を終えた後は産科から成人・様々な医療分野でエコーに取り組む医療者が集まる
この学会で3次元エコーと肺エコー、エラストグラフィー、遠隔医療におけるエコーの活用法などを
中心に2日間、勉強してきました。小児や産科などよりはむしろ成人の話を中心に聞いてきました。
新生児医療に活かせるヒントを探してこようと思ってです。
講演を聞きながらメモっていた様々な皆様の言葉を備忘録として列記します。
・エコーは始めても続かない医療者多いけど、「努力は裏切らない、続けることが大切、楽に続けていくこと、楽にやれるやり方を考える」
・想像して討論しているのではなく、実際の画像から討論する大切さ
・遠隔医療で在宅医療の便秘や嚥下などの機能をポータブルエコーで遠隔診療。
・3次元エコーのLVEFの再現性はめざましく向上して、EFが重要視される現在、必須になる
・自動化できないとルーチン検査になりづらいけど、自動化は進んでいる
・3次元エコーの正確度は極めて向上
・右室の大きさと機能の両方を評価できるのは3次元エコーだけ。
・RVEF/PASPは心不全ステージの早期から異常値を示している。
・RV流出路の3次元エコーでの描出・解析の課題
・日々続けることで解析できる画像を得られるようになる。
・3次元エコーの開発で三尖弁の観察ができるようになり、三尖弁が必ずしも三弁でないことが判明。
・三尖弁の3次元解析で三尖弁逆流の評価ができる(フレイルなど)
・三尖弁逆流の原因を3dエコーで解析できることで、原因に合わせた適切な治療ができる。
・心エコーは個別化医療を可能にする
・3次元エコーはMRIに並ぶ科学的有用性があるにかからず普及していない。
・普及しない理由は体動に弱い、呼吸の影響、心拍数、高額さ、手間など、その影響を減らせる
プローブが成人用では開発。
・ソフトの進化が急速すぎて医療者がその進化についていけていない
・エコーは使わないとうまくならない
・1日1分は3dエコーをしていこうと決めている。
・やらないと先に進めない、少しでも積み重ねる、続けていくのが大切
・努力しなくてエコーは身につかない。努力は裏切らない(多くの方がいう言葉)
・脾臓のエラストグラフィー、7回検査して、最大・最小値を外した5回検査の平均値で判断
・成人CHDのバルサルバ洞破裂について
・総肺静脈還流異常症はLA strainのリザーバー機能と導管機能が大切
・肺エコー:ついでに取り組む気持ちを
・肺エコーはアーチファクトを見ている
・肺エコーにもラーニングカーブがある
・ハの字にプローブを当てる
・肺エコーのA line, B line,
・肺エコーのアコスティックトラップ
・肺エコーで空間コンパウンドイメージングはオフにする
・肺エコーのフォーカスは胸膜ライン上近くにおく。
・肺エコーでは多段階フォーカスは避ける
・ストレインエラストグラフィーでB lineの原因鑑別できるかも。
・肺エコーでのRDSやMAS、TTNの違い
・コメットテールの意味
・小児版POCUS
・Stane手術や弁形成術での長野こどものエコーの評価法
・3dエコーのプリセットの大切さ
・エコーは聴診器替わりに各医師がポケットに持つ未来が来るかも
・新しい3dエコープローブは経食道でなく、経胸壁的にも鮮明な画像が得られつつある
・オーバーザレインボー(スライドの絵が印象に残りました)、自分達が夢見た未来が現実になるかもと思える技術革新が来ている
この学会が虹の向こうにより良い世界があるはずと信じて、その先に
いくことを目指している人達が集っているように思えて素敵に思えていました。
「自分の手で描出して、そのためにエコーを練習して、
自分の目で見た画像から、その意味を考えて、診療に生かす」という意思を感じる
医療者が様々な医療分野にいることを感じた2日間で、自分も新生児医療だからこそ
できることがあることを感じました。他の医療分野からヒントをもらったり、新生児
医療から他の医療分野にヒントを伝えられうこともある。そうやって、医療全体の
超音波検査のオーバーザレインボーを信じていたいと思えました。
自分、学会場では眠らないように一番後ろで立って聞くか、一番前で聞きがちなの
ですがしばしば出会ったのは茨城こどもの星野先生でした。
3日間、1人ですごく肺エコーなどを中心にエコーを勉強して質問しているのを
感じて応援したくなりました。多分、誰かに言われるわけでもなく、自分の医師
で勉強しに名古屋まで来たのだろうなと思えていました。
未開の地に分け入っている感じを
素敵に思えました。開拓者になれる、
続けていたらきっと10年先に新生児肺エコーを臨床に伝えられる
存在になると思えてお声かけしつつ、自分も肺エコーの質問を直にしてきました。
新しいことを若いところからチャレンジして積み重ねていく開拓者の
ような気持ちを持つ人がいるからこそ未来が変わることがあると自分
は感じています。星野先生にそういう可能性を感じましたし、茨城
こどもの未来を想像したりもしていました。
星野先生、小児科医になったばかりの頃、
に登場しています。
この時、NICU卒業生の成長した姿、野球を楽しむ
姿を見て新生児科医を志すきっかけになったと伝えてくれました。
村田家を始め、参加の皆様に伝えたい言葉でしたし、こういうことを
きっと想定して筑波大の小児科医をボランティアでいつも連れてきて
くれた斎藤誠先生にも伝えたいし、自分も野球親睦会は終わってもその
意味は今も続いていると思えて無駄ではなかったと思わせてくれて
感謝でした。
埼玉の増谷先生と夕食を共にできて、コロナ禍、一番メールを交換した増谷先生と
コロナ禍依頼の再会、お互いの近況、コロナ禍で取り組んだ共同研究の労い、これ
からの相談をリアルにできて嬉しく感じました。同期であり、友人であり、相棒で
あり、恩師である増谷先生との出会いを改めて天に感謝でした。
オンラインがどんな便利になっても、こういうリアルな学会の大切さも
あるどちらも上手に活用していきたいと思えた週末を
横浜に戻りました。
留守を守ってくださった皆様に感謝を込めて報告させていただきました。
2月・3月も39件のNICU指定寄付へ感謝:財政難を言い訳にせず、最先端の新生児医療を追求していきます。。。
で先月のご寄付への感謝を報告していますが
「新生児科」、「NICU・新生児病棟」など応援したい診療科や部署に指定の上、ご寄付いただければ使い道を各現場で決められるのでありがたいです。
「新生児科」、「NICU・新生児病棟」など応援したい診療科や部署に指定の上、ご寄付いただければ使い道を各現場で決められるのでありがたいです。
こちらは故郷納税のように税控除の対象になります。1000円からご寄付可能です。
「新生児科」、「NICU・新生児病棟」など応援したい診療科や部署に指定の上、ご寄付いただければ使い道を各現場で決められるのでありがたいです。(指定寄付でないと寄付があったことも存じ上げることができないので是非、指定寄付をお願いしたいです)
「新生児科」、「NICU・新生児病棟」に指定いただければ、今はコロナウィルス対応、その先には新しいNICUでの患者家族のアメニィテイーの向上、NICU卒業生の支援のための情報提供のリーフレットや育児応援アプリの開発、NICUでのより良い診療のための研究開発、人財育成などに活用させていただく所存です。
(指定寄付でないと寄付があったことも存じ上げることができないので
是非、指定寄付をお願いしたいです)
寄附の使途内容などはこのブログを通じて引き続き報告させていただきます。
今後とも多くの皆様に共に赤ちゃんとご家族のためにより良い医療を探していく応援をいただければ心強いです。
寄附の使途内容などはこのブログを通じて引き続き報告させていただきます。
今後とも多くの皆様に共に赤ちゃんとご家族のために
より良い医療を探していく応援をいただければ心強いです。
下記、こども医療センター新生児科が関わっている書籍などです。
下記、こども医療センター新生児科が関わっている書籍などです。
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