「新生児の心エコー入門: 超音波検査にもとづくNICU循環管理のススメ」の緒言と後書き

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を8月に出版させていただきましたが、続いて、

2020年10月8日に以下の本を出版させていただきます。
150の動画をインターネットで視聴できることを合わせて
の本です。

エコー本表紙

この本の出版について、今後も書かせていただきのですが
今晩は、本の緒言と後書の推敲前の原案を
下記に掲載させてもらいます。
本への想いが伝わればと思えてです。

<緒言>

 医師になって3年目に神奈川県立こども医療センターの新生児科専門研修医として超低出生体重児を担当しました。生後53時間目に重度の脳室内出血と大量の肺出血をきたして亡くなられた赤ちゃんを今でも鮮明に覚えています。自分が担当でなければ、赤ちゃんの命を救えたのではないかと自責の念があり、肺出血や脳室内出血を防げるようになりたいと思いました。新生児遷延性肺高血圧症や先天性心疾患の赤ちゃんの循環不全が死や後遺症に繋がることも実感しました。


NICUに入院してくる赤ちゃん達の「命と脳をよりよく護る循環管理」ができる医師になりたいと志して、東京女子医大日本心臓血圧研究所にて小児循環器学の専門研修や動脈管の基礎研究をしながら、NICU循環管理への応用を考え続けていました。


2000年に神奈川県立こども医療センター新生児科に復帰して、1000g未満の超低出生体重児や新生児遷延性肺高血圧症の赤ちゃん達にはほぼ全員に心エコーのプローブを当てさせてもらいつつ、年間100名前後の先天性心疾患の赤ちゃん達の診療にもチーム医療の1人して一緒に考えてきました。今でも、「命と脳をよりよく護るNICU循環管理」を探している道半ばにいます。


 この本では、NICUにおける「心エコー検査に基づく循環管理」について、自分が出会ってきた恩師の先輩方から受け継いできた助言、同世代の仲間と経験して気づいたことや取り組んできたこと、後輩世代の先生達に日々伝えていること、基礎研究から考察していることや横浜市立大学で医学生に講義してきた循環制御の生理学や病態生理のことなどを書かせていただきました。NICUで働く時間には限りがあると思える世代になったからこそ、次世代に託したいと思えることをまとめました。


 心エコー検査では、「知らないことは見えてこない、見ようとするから気づけることがある」と思います。検査者の知識や技術を高めてこそ、早期に診断できて治療につなげられることがあると信じています。この本では、心エコー検査からどんなことを考えながら診断や治療をつなげていくかの<考え方>を伝えられたらと思っていました。自分で経験の少ないこと、実践していないことなどは知ったふりして書かないことにしました。内容に偏りや個人的な見解も多いと思いますので、リテラシーをもって、お読みいただければ幸いです。


 この本は企画から6年間の月日が流れ、NICUの日常診療の中で執筆することが困難でした。2020年2月からの半年間、新型コロナウィルス禍で様々な予定がなくなった日々の中で書き上げました。一堂に会して学び合うことが難しい未来かもしれないからこそ、動画などを多くして、それぞれの場所でそれぞれのペースで学べる内容を目指しました。是非、150のエコー動画など含めてご覧になっていただければ幸いです。


 心エコー検査や心機能解析の技術革新は日進月歩です。未来に向けてわかること、できることは必ず増えていきます。その科学技術に溺れず、NICUにやってくる赤ちゃん達に適切に活用して、今よりもよりよい未来を届けられる<新生児循環管理>をこれからも皆様と一緒に探していきたいと願っています。これからNICUで赤ちゃんの命に向き合う新生児科医・小児循環器医・小児科医の診療や研修に少しでもお役に立てたら本望です。

 2020年8月10日 豊島勝昭


<後書き> 

 本書の完成にあたり、新生児循環器学・心エコー検査の指導・助言をしてくださった川滝元良先生、門間和夫先生、中澤誠先生、朴仁三先生、富松宏文先生、中西敏雄先生、増谷聡先生の恩師の先生方、神奈川県立こども医療センター、東京女子医大循環器小児科、周産期循環管理研究会、J-PrePガイドラインチームやPLASE研究チームなどの院内外の多くの仲間との出会いがあって執筆できたと感謝しています。


  刊行ギリギリまで編集・校正に力を貸してくださった木村有希子さん、田仲健一先生、高橋恵先生、勝又薫先生、稲垣佳典先生、野口崇宏先生、黒江崇史先生、コウノドリの最終回の原稿作成の時期に本書の表紙を飾るイラストを執筆してくださった鈴ノ木ユウ先生に心から感謝しています。 


2020年8月10日 豊島勝昭


エコー本表紙

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「新生児科」、「NICU・新生児病棟」など応援したい診療科や部署に指定の上、ご寄付いただければ使い道を各現場で決められるのでありがたいです。
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1000円からご寄付可能です。

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「新生児科」、「NICU・新生児病棟」に指定いただければ、
今はコロナウィルス対応、その先には
新しいNICUでの患者家族のアメニィテイーの向上、
NICU卒業生の支援のための情報提供のリーフレットや育児応援アプリの開発、
NICUでのより良い診療のための研究開発、人財育成
などに活用させていただく所存です。

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かながわ県立病院小児医療基金に感謝。。。


寄附の使途内容などはこのブログを通じて引き続き報告させていただきます。
今後とも多くの皆様に共に赤ちゃんとご家族のために
より良い医療を探していく応援をいただければ心強いです。


下記、こども医療センター新生児科が関わっている書籍などです。


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Posted byNICUサポートプロジェクト

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