過去を語る機会は消えたけど、未来に向けて取り組める時間を得た。。。

コロナ禍になっていなければ、先週はロシアのエカテリンブルクで2つの新生児循環管理の
講演をして、先週末は福岡で開催の周産期循環管理研究会に参加して
3日横浜に戻って、本日は韓国で大邱で開催の
韓国新生児学会で「未熟児動脈管開存症」の招待講演を担当する予定でした。

韓国には2013,2014年に韓国小児循環器学会のご招待で講演したことは
あります。韓国はNICUの心エコー検査を新生児科医は担当せず小児循環器医が担当
しています。自分は英語の論文は東京女子医大循環器小児科の所属で書いていることが
多いので小児循環器医と誤解されてのご招待だったのかもしれません。


2013年に招待されて、翌年も再度ご招待いただきました。
日本の新生児科医が循環管理するやり方や自分たちの脳室内出血や肺出血などを
予防している循環管理に関心を持ってくださった小児循環器医の先生方が
多かったのかと思えます。


韓国NICU旅日記2014 その2(第3回韓国新生児心エコーシンポジウムで特別講演)


この2回の招待講演は自分もたくさんの気づき、自分たちが
伝えられること、伝えるべきこと、目指すべきことを気づかせてもらった
機会でした。

6年経って韓国新生児学会にも招待されたことは、未熟児動脈管開存症の
診療の判断を小児循環器医が担当している韓国において、NICUで働く
新生児科医が全身状態を踏まえてリアルタイムに判断できるほうがいい
こともあるというお伝えできる機会な気もしていました。

韓国の同志に思える
新生児医療仲間のためにもしっかり準備して大役を努めようと思っていたのが
本日でしたが、中止になりましたね。

ロシアのエカテリンブルク・福岡・横浜・韓国の大邱
で飛行機移動が多い1週間は体力的に
周囲に心配しされていましたが、招待されるときに拒むくらいなら
これまでなぜやってきたとおもえるし、日本の周産期循環管理研究会
がロシアや韓国に広がる気がして研究会でみんなで取り組んできたことを
伝えてくる役目を果たしたいと思えました。

そして、
こういう大役に思える役目は、これが集大成というか、ここで終わりに
なってもいいやという想いで努めようといつも思っていました。

その予定がなくなり、身体的には楽ですが、気持ち的には目標だった
ことがなくなった気もしてスィッチが切れている気になりそうにもあります。

横浜にいるからできることを続けていた2ヶ月でした。
NICUにいるお子さんたちの心エコー検査を久しぶりに日々担当できている
気がするし、

スライド7
3次元エコーだけでなく、従来の心エコー検査での右室機能
検査などを後輩世代の先生方に呼吸状態と一緒に評価することを
目指していました。
スライド4
右室のストレインエコーに挑戦しています。

韓国で講演を頼まれるような心機能評価はもちろん今も
やっているわけですが、過去を語るだけでなく、未来に向けて
Mモードなどなく、断層エコーからなるべく半自動で個人差少なく、
そして、病態の把握に有用な検査法を見つけていけたらとおもえる
今です。

コロナで予定が変わった。。。でも、
過去を語る機会がなくなった分、未来に向けて取り組むことに
時間がかけられた気もします。変われる時間になっていたらと
思えます。

コロナで集大成に思える機会がなくなったのも、
そういうことはもう少しだけ先に伸ばしなさいという天啓なのかなと
思おうとしています。

img_1_m-15.jpeg

NICUにおける心エコー検査に基づく循環管理 (Fetal & Neonatal Medicine 2018年8月)

2年前に上記のインタビュー記事で夢を語った時に
比べると夢が現実にしていける環境が整ってきたと思えます。

 世界で初めてのNICUエコーラボと語れるように
診療・研究・教育にPhillips社やTomtec社の皆様と
構築しつつある機器をしっかり使いこなしていけたらと
思えます。

スライド6
生理検査室の検査技師さんたちととともに、NICU入院中から
外来での長期的な慢性肺疾患や肺高血圧などのお子さんたちの
心肺機能のフォローアップ体制を作りたい夢があって、検査技師さん
達に技師さん達で話題になっている小児・成人の心機能評価などを
教えてもらいながら色々取り組んでいます。

スライド3
従来のNICUのエコー計測が心エコーラボに自動的に飛ぶので
そこに3次元エコーやストレインエコーなどの新しい指標の計測
結果を加えてエコーレポートを作成して、

スライド2
担当医がNICUの部門システムなどで見れるようにエコーレポート
や画像を飛ばすというシステム構築もだんだん短時間でできるように
なってきました。

NICUエコーラボで動画のティーチィングファイル作りを
していると2ヶ月前にとったエコーが下手にみえてきて、
もしかしたらエコーが上手になる2ヶ月だったかもしれないと
思えています。

新しいことを取り組むことは自然と技術は向上すると思えています。
人間がやる検査は、人間の技術向上、科学の技術革新で
その効果は変わってきます。

自分の技術を高めつつ、技術を
どう科学の力で個人差を減らせていけるかをこの期間、
考え続けてきた気がします。後輩世代の先生方に技術の伝授と
技術革新との向き合い方を伝えていけたらと思えています。




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Posted byNICUサポートプロジェクト

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