NICUから10つの提案(案);職場をクラスター(感染者集団)にしないために。。。

スライド1
院内感染や濃厚接触で自宅待機者が出ると診療がままならないNICU・新生児病棟です。
かといって、お誕生は先延ばしにならない、命や後遺症の心配がある赤ちゃん
達の診療をコロナを怖れすぎて、未来が奪われる赤ちゃんも防ぎたいと思います。

120名のスタッフで働いている限り、新型コロナウィルス発症や疑い者が出るのは
時間の問題と感じています。でも、クラスターと言われる集団感染を防ぐのが
大切と考えてみます。
スライド01
症状はないけど<濃厚接触で自宅待機>となる人達がたくさんでも
NICU・新生児病棟の診療は崩壊するでしょう。
<過度の自宅待機勤務体制>はNICUの赤ちゃんを危険に晒しかねません。

新型コロナで院内感染や疑いスタッフが出た病院の新生児科医に個人的に連絡をとり、
病院としてどのような状況を「濃厚接触で自宅待機」にしているかをお聞きしました。
相談に乗ってくださった新生児医療仲間の皆様ありがとうございます。

そして、病院内にコロナウィルス感染が患者さんや医療者で
いる中で、24時間365時間体制のNICUの診療をどう維持
しているか?を聞いて回りました。

その報告を書きたいと思います。
まず、第一に感じたのは、スタッフが多め、かつ過重労働ぎみのNICUが
どのNICU・新生児病棟も機能を維持しているのだという安心です。
この考察としては
・妊婦さんや赤ちゃんの患者さんは少ない
・普段からMRSAなどの院内感染対策をどの医療現場以上にみんなでやっている
・赤ちゃんに触る前後、汚物に触る後、清潔操作の前、患者エリアに触る前などの
 手指消毒をしっかりやろうとしている


NICU・新生児病棟はコロナウィルスに関しても飛沫感染などがおきづらい
環境になっているのかなと思えました。

NICU・新生児病棟スタッフにとっては感染予防の意識と能力が高いNICU
で働くこと自体はコロナウィルス感染罹患のリスクは少ないと安心してもらえたら
と思いました。

病院内にコロナウィルス患者さんやスタッフがいても
新生児科医で交代制勤務にはしていないのだと確認しました。
やはり激務、先延ばしにできないのが新生児医療の現場だと実感しました。
コロナウィルスと戦う病院の中でNICU・新生児病棟を続けている皆様を讃えたいと思えました。

その上で、コロナウィルス発症や疑い者との
濃厚接触で自宅待機となる定義を確認しましたが
「マスクを外して数分間以上会話をしていた人」
とは皆、自宅待機となるのだと認識しました。

となると、
「マスクを外して、1分以上、他のスタッフと会話しない」
をみんなで実践したいと思えました。

また、研修医と指導医、休憩で一緒に食事をとっている
とかの「職場で長時間一緒に行動していた人」も濃厚接触
の疑いを検討する必要があるようです。


NICU・新生児病棟で一緒の勤務帯に勤務していただけで濃厚接触ではないという
部分を理解しましょう

自分なりにこども医療センターで明日からでもNICUスタッフで実践していき
ことを週末から考えていました。各医療現場でやっていくことがひいては
医療崩壊を防ぐようにも思えています。

<自分の職場での3密>を考えながら
医療崩壊を防ぐために今日からでもみんなで出来ることを10つの
提案にまとめてみました。下記の共有・実践・修正をお願いできればと
思います。

他の医療現場でも、緊急事態宣言でも機能を止められず頑張っている
様々な職場でも、職場がクラスターにならないために仲間と話し合う
叩き台になればとも思って書いてみました。相談に乗ってくださった
皆様からの珠玉の言葉を多くのNICU・新生児病棟スタッフと共有できたらと思えて
います。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1.マスクは常時着用
  今は皆が保菌者かもと考えて今はしましょう。
スライド8
   汚染マスクは付けたり外したりすることは自身や他者に
  むしろ飛沫感染の温床になります。

  ご寄付のマスクに感謝して汚染心配時は交換しましょう。
  「マスクを外して、1分以上、他のスタッフと会話しない」は最重点と考えましょう。

  患者家族の皆様も面談時はマスクなど必ず常時着用でお願いします。
2.休憩は別々にとる
 働いている時は皆離れるので<働き方>より<休み方>が濃厚接触に関わると思えます。
 昼休みも順番にとりましょう。休憩室での団欒はしばし我慢しましょう。

3.院内外で会食はしない

食事はマスクを外しますし、やはり会話してしまうと思います。院外だけでなく昼食も
一緒に会食していたら濃厚接触と考えるのだと思います。

スライド4
 仲間との楽しい食事を我慢するのは残念だけど仲間を守るために
しばらくは我慢しましょう。


4.新人指導は指導係に託しましょう
 研修医&指導医、新人スタッフ&指導係 などはどちらかに感染もしくは疑いになれば
濃厚接触とみなされるようです。実際、マスクしていても長い時間を過ごす4月ですから
お互いに心配だと思います。新人・指導係こそ、心配な症状が少しでもあれば、お互いの
ために休みましょう。やる気をもって集っている4月ですので必要な指導はしあうのも
大切とは思うのでお互いに距離を取りながら指導は続けましょう。

5.カンファレンス・勉強会は必要最低限にしましょう
 患者さんに関する先延ばしにすべきでないことはやりましょう。
スライド5
近々の診療には関わらない
ことは先延ばしにしましょう。カンファレンス・勉強会をする場合には、
NICU内のような換気のいい場所か窓を開けられる広めの場所に変更しましょう。

スライド2
新人を大切にするために新人教育は気をつけながら実施していきましょう。
 自分が担当するレクチャーは同じ講義は少人数にして何回に分けてお話しするの
でいいかなと伝えております。遠慮せず、小グループレクチャーをしましょう。

6.診療中の距離をお互いにいつもの2倍を意識しましょう
スライド4
 NICU・新生児病棟の様々な処置、検査、回診などはいつもより
距離を1.5〜2倍の距離を取りましょう。
エコーなども撮影したものをみるとか、いつもとは少し変えましょう。

スライド2
沐浴室などの共同スペースの面会時間短縮による
密集しないかを少し気をつけたほうがいいかなとも思えます。


7:スタッフ申し送りは少人数化・短縮を目指しましょう
 そのためにはプレゼンする側がホワイトボードや紙資料を活用するとか文章作るとか
<見える化>した上での共有・短縮化を目指しましょう。



回診などを半分から2/3の時間
でできないかを意識できたらと思えました。

8:業務がないなら帰宅するか、別場所でデスクワークする
 診療以外にも書類作成などの仕事は多いNICUでしょう。医局などにいる人数は減らした
方がいいので病棟で空いている電カルや空いている風通し良い会議室なのでしましょう。
共用のPCを触る前後は手指消毒を意識しましょう。

9:睡眠はいつもより1-2時間多め・休養をしっかりとる  
 患者制限をできないNICU。当直も眠れない夜が多いNICUです。勤務者減らしていつもより
過重労働になればコロナでなくても風邪や体調不調の原因になります。
 風邪や胃腸炎などコロナ疑いの症状出れば、コロナでなくても濃厚接触者とともに自宅待機
になります。いつもより1-2時間は睡眠多く取る気でみんなで寝不足を防ぎ、感染しやすくなる
状況を減らしましょう。

10:仲間で疲れている人をねぎらい合いましょう
スライド6
 自分だけが大変と思えると他者に心折るような発言や行為が出るかもしれません。
こういう非常時こそ、一緒に頑張ってくれている人たちに感謝して、労いあえたらと
思います。

体調管理は身体より精神の疲弊が引き金になりうると思います。
声をかけづらい雰囲気は体調などの申告を言いづらくなります。自分も頑張っているけど、
みんながそれぞれの事情の中で頑張っていることを忘れないでいたい。
マスクをしていても、笑顔は忘れず、声をかけあう気持ちを失わずいきましょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 上記の10の提案はルールでなく、ビジョンです。週末から考えていたことで
正しいかわからないし、ご意見受けてどんどん変更します。

具体化するのは120名のNICU・新生児病棟スタッフ
皆様だと思えます。10の提案を診療や業務の中でやりやすく実現
してくれるのはスタッフ1人1人だと思います。
みんなで話し合いながらやっていけたらと思います。

そして、
スライド5
NICUは入院中のご家族も含めたNICUファミリーです。面会禁止は赤ちゃん達のために
避けたい自分たちであり、上記の部分を一緒に目指してくだされば心強いです。



上記の<10の提案>はNICUだけでなく、他の職場でもクラスターになることを防ぐ
ための話し合いの叩き台になればと思えます。上記の10の提案にもご意見やご感想、
追加など下記のコメント欄にお寄せくだされば幸いです。

いいと思ったら周囲に拡散やシェアしていただければ、医療崩壊を防ぐのは
NICUで普段からやっているような感染対策を様々な場所で応用したり、
今回、学んだクラスター理論などをやっていくことかなと思えます。
 それぞれの場所でコロナウィルスのクラスターを防ぐのを目指しましょう。それが
日本全体のコロナ収束を1日でも早く迎えることにつながると願っています。


ご意見・ご感想・
下記への寄付応援など大歓迎です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

こちらは故郷納税のように税控除の対象になります。
1000円からご寄付可能です。
「新生児科」、「NICU・新生児病棟」など応援したい診療科や部署に指定の上、ご寄付いただければ使い道を各現場で決められるのでありがたいです。

「新生児科」、「NICU・新生児病棟」に指定いただければ、
新しいNICUでの患者家族のアメニィテイーの向上、
NICU卒業生の支援のための情報提供のリーフレットや育児応援アプリの開発、
NICUでのより良い診療のための研究開発、人財育成
などに活用させていただく所存です。



寄附の使途内容などはこのブログを通じて引き続き報告させていただきます。
今後とも多くの皆様に共に赤ちゃんとご家族のために
より良い医療を探していく応援をいただければ心強いです。

下記のブログランキング、
2つの応援クリックも
よろしくお願いします。 
  → にほんブログ村 病気ブログ 医者・医師へ→



下記、こども医療センター新生児科が関わっている書籍などです。

関連記事
Posted byNICUサポートプロジェクト

Comments 2

There are no comments yet.
no name  
自分なりに一般化してみました

病院だけではなく、在宅勤務が難しい職場全般に共通する問題だと思います。自分の職場でも意識を共有できるよう働きかけてみたいと思いました。

---以下、自分なりに改編---

1.マスクは常時着用
自分は保菌者だと思って「マスクを外して1分以上会話しない」ことを厳守しましょう。
汚染マスクは付けたり外したりすることでかえって飛沫感染の温床になります。原則、マスクは常時着用しましょう。

2.休憩は別々にとる
業務中、近くで長時間話すことはそれほど多くないかもしれませんが、休憩中の過ごし方によっては仲間同士の濃厚接触となる危険性があります。昼休みも時間をずらして順番にとりましょう。休憩中の団欒はしばし我慢しましょう。

3.職場の内外で会食しない
食事中はマスクを外し会話することが自然です。職場の外だけでなく、昼食を一緒にとっていれば濃厚接触となります。仲間との楽しい食事は、仲間を守るためにしばらく我慢しましょう。

4.新人指導は指導係に託しましょう
新しいスタッフと指導係のスタッフは、どちらかに感染の疑いがあれば濃厚接触とみなされる可能性があります。お互いに一定の距離を意識しながら指導を行うよう注意しましょう。心配な症状が少しでもあれば、お互いのために休みましょう。

5.打合せ、会議など人が集まる機会は必要最低限にしましょう
緊急を要することは遠慮せず行い、今ではなくてもよいことは先延ばしにしましょう。打合せ、会議など人が集まる必要がある場合には、換気のいい場所か窓を開けられる広めの場所に変更しましょう。積極的にICTを活用して安全を確保しましょう。
6.外部からの関係者との距離をとるよう意識しましょう
外部からの関係者と接する場合は今までよりも1.5〜2倍の距離を取るよう意識しましょう。物理的に距離を取れるよう、職場のレイアウトや作業の方法を工夫しましょう。

7.スタッフ間の申し送りは少人数化・短縮化を目指しましょう
なるべく短時間で申し送りを済ませるために、ホワイトボード・図表を用いた資料の活用や、A4の文書1枚程度の文書を準備するなど、<見える化>を意識して情報共有しましょう。

8.職場にいないとできない業務のみ職場で行うよう業務の整理をしましょう
同じ空間にいる人数は減らした方が感染リスクを下げることができるので、職場にいないとできない作業が済んでいれば帰宅して自宅で作業をするか、空いている会議室で作業をするなど工夫しましょう。共用のPCを触る前後は手指消毒を意識しましょう。電話がつながりにくくなる、待ち時間が長くなるなど外部関係者に不便を強いることがあるかもしれないので、ウェブなどで可能な限り事情を説明し理解を求めましょう。

9.睡眠はいつもより1-2時間多めにし、休養をしっかりとるよう意識しましょう職場によっては長時間勤務が避けられなかったり、交代制の勤務で生活が不規則になってしまうことがあります。過重労働になれば新型コロナウイルスに感染しなくても風邪や体調不調の原因になります。風邪や胃腸炎など疑わしい症状が出れば、新型コロナウイルスの確定診断が出なくても濃厚接触者とともに自宅待機になります。いつもより1-2時間は長く睡眠を取り、感染しやすくなる状況を減らしましょう。

10.仲間で疲れている人をねぎらい合いましょう
自分だけが大変と思うと他人を責めるような言動につながってしまうかもしれません。こういう非常時こそ、一緒に頑張ってくれている人たちに感謝して、労いあえたらと思います。体調管理は身体より精神の疲弊が引き金になりえます。声をかけづらい雰囲気では体調が悪いと言いづらくなります。自分も頑張っているけど、みんながそれぞれの事情の中で頑張っていることを忘れないようにしたいものです。マスクをしていても笑顔は忘れず、声をかけあう気持ちを失わずいきましょう。使い捨てのサージカルマスクがなくなって布マスクを使用している人がいれば職場の中で譲り合うようにしましょう。

  • 2020/04/14 (Tue) 21:56
  • REPLY
NICUサポートプロジェクト
豊島  
To no nameさん

To no nameさん、上記感謝です。どんどん改変してくだされば嬉しいです。意見コメント欄にどうぞ。みんなでいいものにしましょう。考えること自体、クラスター予防になると思います。歌にどなたかしてくれても感謝です?(^o^)

  • 2020/04/14 (Tue) 23:31
  • REPLY