個室を作るのがファミリーセンタードケアではない。。。:第22回新生児呼吸療法モニタリングフォーラムの報告2
続きです。
コヴィディエンジャパン株式会社の企業企画セッションの
「おうちに帰ろう ~き・は・む・寺~」
こども医療センターの医療安全推進室にきてくださっている松井さん
が司会進行役の1人のセッションでした。
NICU卒業生とご家族のその先を支えようとしている
方々の講演、NICUの退院がゴールでない、NICUの先のことを
知ってNICUの中から取り組むべきことを考えさせられる
セッションでした。司会の松井さんも涙していましたね。
素敵で大切に感じるセッションの企画でした。
在宅医療は病院を家に持って帰るのではなく、
病院のような制限やリスク管理をお家に押し付けることは
生活がなくなるということが伝わる、ご家族の生活を支えよう、
管理するのではなく、心寄せという気持ちが伝わるセッションでした。
の松野先生や
の松丸さんとドクターGO先生こと荒木先生
に感想を伝えられたり、交流できて心励まされる機会でした。
NICUの先を支えている医療者の言葉から、NICUの医療に
不足していること、変わっていきたいことを考えていけたらと思えました。
最終日の企画セッション
「ファミリーセンタードケアを中心にいる家族に聞いて考える」
というセッション、司会進行の本田先生の言葉に大変共感しながら
聞いていました。今は後輩ご家族の支えにもなろうとしている
3人のNICU卒業生のご家族のそれぞれの
言葉に心寄せたいと思えました。
「わからないことがわからなかった」
「不安なところを見せてはいけない、大泣きしたかったけど、
強くなろうとして甘えることができなかった」
「自分の時間が欲しいなんて言葉にしてはいけないと思えた」
「在宅医療に交代も休日もない」
「医療的ケアの応援ではなく、子育ての応援をして欲しい」
「医療者が笑顔でないとママさんは笑顔になれない、ママさんが笑顔に
なれないとこどもは笑顔になれない」
など異口同音の3人のたくさんの言霊を胸に止めようと思えていました。
自分も応援医にしていただいている
がんばりっこ仲間の中心の1人のたいようくんのママさんと直接お会いできて
嬉しい時間でした。
このブログ立ち上げのきっかけになった
村田さんのNICU応援本
の中に手記をお願いした、たいようくんのママさんです。
この本から10年先の未来、ママさんが感じていること、
取り組んでいること。
そして、高校生になるたいようくんとお話できて
嬉しかったです。
ママさんにも内容を伝えず、舞台の上でスピーチした
たいようくんの今の夢を聞けてNICUから応援していたいと
思えました。
最近、モヤモヤしていたことを整理してもらった気がする
上記の2つのセッションでした。
このブログに同業の方からご意見いただくことがあります。
「笑顔の人達がいて、NICUを明るいイメージに世間に誤解を呼ぶのではないか」
「障害と共に生きる子供たちやご家族などや長期的な発達データなどを
暗い話を出して、ご家族から希望を奪うのではないか」
という明るすぎるとか暗すぎるとか真逆のご意見を受けます。
<光と影><希望と絶望>の2元論のようなご意見に
医療者がわの視点での<障害なき生存>の増加を誇ったり
強調する反面、<障害>をタブー視している気がしました。
自分は光と影なんてない、どんな状況でも<希望>や<喜び>
子供とご家族がみつけてもらえるようん
医療をすべきでないかと思えています。
「後遺症なき生存がいることを伝えることも大切だけど、障害と共に
生きることになったとしても、赤ちゃんがたとえ、天に帰ったとしても
絶望だけでないし、応援しようと
してくれている人達はいて孤独で泣いてばかりいるわけでない。」
そういうことを率直に伝えることがNICUの中で希望を見出したり、
NICUの先で応援してくれる人達が増えていくことにつながるのかな
と思えていました。
ファミリーセンタードケアは個室などのハードや
ご家族を回診に入れるとかのシステムではないと改めて思えました。
この数日で思えたのは
「ファミリーセンタードケアとは
NICUにきた<赤ちゃんを含めた家族>を、
産科と新生児科が仲良く一緒に、
NICUの先を
知る街の応援者や先輩家族とともに心寄せ、
ご家族がそれぞれの状況の中で
それぞれの喜びや未来への道標を見つけて歩みだすのを
支えること」なのかなと思えていました。
そう思えると
リニューアルオープンしたNICUの建物が
ファミリーセンタードケアでなく、
この建物が建てようとしてくれた多くの人達の
応援の中に、自分達の目指したい
ファミリーセンタードケアの真髄があるように思えてました。
これからこども医療センターでしていきたいことなどに
気づかせてもらった時間でした。多くの方々に感謝です。
ご意見ご感想などコメント欄にお寄せくだされば幸いです。
で1000円から寄付可能です。引き続き多くの方からの
ご寄付の応援をお願いできればと考えております。
寄付目的・用途の項で
新生児科へのご寄付にしていただければ活用の用途を自分たちで
決められるのでさらに感謝です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こちらは故郷納税のように税控除の対象になります。
「新生児科」、「NICU・新生児病棟」など応援したい診療科や部署に指定の上、ご寄付いただければ使い道を各現場で決められるのでありがたいです。
「新生児科」、「NICU・新生児病棟」に指定いただければ、
新しいNICUでの患者家族のアメニィテイーの向上、
NICU卒業生の支援のための情報提供のリーフレットや育児応援アプリの開発、
NICUでのより良い診療のための研究開発、人財育成
などに活用させていただく所存です。
寄附の使途内容などはこのブログを通じて引き続き報告させていただきます。
今後とも多くの皆様に共に赤ちゃんとご家族のために
より良い医療を探していく応援をいただければ心強いです。
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