苦しさに向き合うこと。。。

スライド1
 週末のこども医療センター、空の青がすごく青いなと思えていました。

この日、母性病棟から温かい時間帯に退院されるご家族がいて
お見送りできたらと思えていました。

胎児診断の時に産科医の先生とお話ししたお子さんでした。
戸惑いや辛そうなご家族の沈痛な表情を今でも覚えています。

お母さんの子宮の中は様々なご疾患が重なっていても
赤ちゃんはお母さんの胎盤や臍の緒守られてで大きくなれる、
苦しくない、しっかり成長していることをお伝えしました。

生まれた後の願いをお聞きした時に
「苦しくないようにしてほしい」というパパさんの言葉と
表情が今も胸に残っています。

自分、どう答えたらいいか悩みながら
「生まれること、生きていくこと、<苦しみ>を完全になくすことは
できないと思えています。赤ちゃんが苦しくないか、辛くないかを
いつも考え続けています。

NICUでの治療で一時的に苦しみや痛みをなくすことも
できるけど、治療をするからこその<苦しい時間>もあると
思えることがあります。

苦しみを全くなくすためにお薬などで意識を奪ってしまう
ことが、せっかく赤ちゃんが生まれて会いたかった人たちに
会う機会を奪い過ぎていないかと悩むこともあります。

<苦しみ>はずっとは続かない、そして、
生きていくことは苦しいことだけでもないかもしれない。

<苦しみ>があるのなら、ママさんやパパさんが
一緒にいたり、抱っこしたり、可愛がってあげることが
それを和らげたり、気持ちよく赤ちゃんが感じることもあると
思えます。」
とうまく話せたかわからないけど、
そう、伝えたかった自分です。

<苦しくない時間>を作ってあげたいという
パパさんやママさんの想いが胸に残っていました。

当院でのお産を決めたということをお聞きして
お腹の中での穏やかな時間が過ぎること、生まれた後、
赤ちゃんが穏やかに生まれてこれることを願っていました。

先週、生まれた時に様子を担当医の林先生や斎藤先生から
聞いて、すごく穏やかで和やかなご家族の様子だった。
お子さんも予想を超えて穏やかに頑張れているということを
お聞きして
自分も「お誕生おめでとう」とお伝えしに行きましたが
可愛い赤ちゃん、ママさんとパパさんの優しげな笑顔、
誕生を喜ぶ表情が素敵でした。本来の笑顔を知り、
胎児診断で出会った頃のお気持ちに改めて心寄せられたら
と思えていました。

赤ちゃんは、ベッドで上向きでいると大人と一緒で呼吸が
苦しくなることがある。泣いていると苦しくなってしまうこともある。
カンガルーケアしている方が
赤ちゃん、呼吸が楽になったりすることがある
ことを自分たちは感じているので、ママさんやパパさんも
確かめてあげてくださればとお話しさせていただきました。
そのときのママさんとパパさんの笑顔もよく覚えています。

それからずっとご家族で時間を過ごしていたのを林先生から聞き、
生まれて来た赤ちゃんに
「よかったね」と思え、
この時間が続くことをNICUから願っていました。

よく患者さんを診ているのを感じる
林先生や看護師さんや助産師さん達、
林先生から赤ちゃんの様子が
変わってきた、ママさんとパパさんに正直に伝えたら、
ママさんとパパさんも同じように感じていて、
家族一緒にこのままいたいと伝えてくれていてそれを応援したいと
思うと聞いて、自分もご家族の場所に顔を出させてもらいました。

赤ちゃんをママさん、傍のパパさんのそれぞれの
表情が素敵に思えて、3人でいる光景が神々しく感じました。

赤ちゃんの頭を撫でながら、改めて、
「頑張っているね。ママとパパと一緒に過ごせてよかったね」
と声かけさせていただきました。

スライド6
そのご家族の周産期センター卒業の日でした。
お子さんの表情、微笑んでいるようにしかに見えない
穏やかな表情でした。

ママさんの頭に飾ってあげていた黄色のリボンがすごく
似合っていました。

母性病棟の看護師さん、助産師さん、NICUの看護師さん、
林先生、斎藤先生、産科の先生と順番に抱っこして
いました。抱っこを変わるたびに黄色のリボンが目に入らないように
皆で直しながら抱っこしていました。


母性病棟の補助照明がスポットライトのように照らしていて
綺麗に思えました。


「可愛いね」「よく頑張ったね」「ありがとう」
「お家に帰れるね」など口々に声かけながら抱っこしていました。

自分は抱っこしながら微笑んでいるような表情に
「苦しくなくてよかったね。ママさんやパパさんが
苦しくないようにずっと一緒にいてくれてよかったね」
と心の中で思えていました。

名残惜しい気がする母性病棟の語らいでしたが、
日差しが暖かいうちにご家族を見送れたらと思えました。

スライド2
母性病棟から週末の静かな外来フロアを通り、共に歩きました。


正面玄関から退院、正面玄関出たところでママさんとパパさん、
皆でお写真を撮りたいと言ってくださり皆で卒業写真でした。
自分もカメラで撮りたいなと思いつつ、言い出せず、いつか
お写真いただけたらと思えました。
スライド4
すごく寒い外でしたが、心温かも感じる
涙ぐみながら微笑みのあるご家族とスタッフの別れの時でした。

スライド5
ご家族の車を見送り、NICUに戻る途中で
林先生や斎藤先生、
看護師さん達がご家族に話していて心に残ったという言葉を伝えてくれました。
「苦しい気持ちもあったこの子の妊娠・出産の時間だけど、
そのことも含めて、この子と過ごせてよかった、、、悔いのないお産でした」
と話されていたという言葉でした。その言葉を聞いて感動した自分でした。

生まれること、生きていくことは苦しいこともある。
苦しいことに向き合うからの笑顔もある。ご家族が、
苦しみや悩みもある妊娠・出産に向き合ったからこその
言葉に思えていました。赤ちゃんの人生を自分も胸に
刻んでいたい、讃えたい
と改めて、気づかせてもらったお子さんの命、ご家族との出会い
に思えました。


スライド7
妊娠から出産、濃密な時間を送ってきたからこそ
波のように様々な想いが去来するかもしれないけど、
お子さんとご家族の日々をシェアさせてもらった私達はこの場所に
います。話したくなったらまた、この場所に来てくださったらと思えます。

また、いつかお会いする日を楽しみにこども医療センターから
ご家族の過ごす日々を応援していたいと思えました。





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Posted byNICUサポートプロジェクト

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