「胎児診断から始まる周産期・小児チーム医療」のQ&A (第1回マリンクロットファーマWEBセミナー報告2)


昨晩の、アイノフローのマリンクロット社の皆様に
ご提案いただいた

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ですが、神奈川こどもメンバーは回線が混み合っていると

出て繋がれなかったという報告でした。80ヶ所からのアクセスが合ったという
ことですが同じような状況にあった施設がいらっしゃったら申し訳なく感じ、
当院の遠隔講演会でも来年度に再演しようと思えました。

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講演は新生児心エコーの話、先天性横隔膜ヘルニア・早産児の心臓病・
様々な先天性疾患の集中治療や家族支援のチーム診療をお話ししました。

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最後にリニューアルオープンしたNICUを早産児だけでなく
胎児診断から始まるチーム医療にも生かしていきたいという部分をお話ししました。

参加していたという素敵に思える新生児科の先生からメールで
「様々な意味で衝撃的な内容ですし、大変勉強になりました。特に、退院後まで見据えた様々な医療のあり方を提示していただいたような気持ちになり、勇気付けられるような気持ちでした。ありがとうございました。」というメールをいただき心強く思えました。

 チームの一員として多診療科と一緒にやっている医療を伝えて来たつもりなのですが
チーム医療という視点でお話しする意味を今回も感じて感謝でした。

遠隔配信を終了した後にたくさんの質問が来たので
マリンクロットファーマの皆様のご好意で再度、講演会を
再開して下記の質問に答えさせていただきましたが、再開に
気づかなかったご施設もあると思えて下記に再度、質疑の趣旨を
書かせていただきました。下記の返事は全て、できていますというのではなく、
できてないことも多いけど目指しています、心がけていますというつもりで
返事させていただきました。その気持ちも踏まえてご覧いただければ幸いです。



Q1.採血や検査の時に退席してもらっているNICUですが、エコー検査の時にご家族はどうしていますか? 

A1.エコーなどの検査するからご家族の面会を中断は赤ちゃん達に申し訳ない気がするのでしていません。エコー検査していいですか?と言いつつ、検査を見てもらって構いませんよと伝えています。採血なども小児科と同じで一緒にいてなだめてもらう方が赤ちゃんにもいいかなと思えています。ただ、採血や検査を見ているのが気持ち的に辛いという親御さんはもちろん退席して、終わったらお呼びしますとしています。3次元エコーや新しいモニタリング機器などの技術革新は検査の短縮をできるのでファミリーセンタードケアとしても意味を持つと思えています。

Q2.遠方の住所地からきているご家族にはどうしていますか?

A2.神奈川県も片道2時間以上かけて面会にこざるを得ない地域のご家族はいます。そういう病院からの新生児搬送の時は出産翌日から産褥搬送としてお母様にも当院に転院してきていただいています。生後早期の母児分離の入院は赤ちゃん、母様、父様にも多大な負担があるので、家族一緒に転院の上でファミリーセンタードケアを目指してます。母様退院後はNPO運営のファミリーハウス リラの家の皆様の
支援の基で過ごされているご家族もいます。
 面会の多さは、距離だけでもなくて遠方でも日々通ってこられる方もいますし、それぞれのご家族の事情の中でのできる家族面会をしてくださればと思えています。

Q3.NICU退院後は誰が外来を担当していますか?生活支援については新生児科の先生はどの時点までフォローされていますか?


A3.1500g未満の早産低体重児は3人に1人は発達遅滞やいわゆる発達障害と言われる身体が成長してからの発達のアンバランスがあることをご家族にお伝えして発達支援のためのフォローアップ外来を少なくとも9歳までは新生児科が担当しますとお伝えしています。新生児科医だけでできるわけでなく療育センターなどの地域につながることなども大切ですし、支援者が就園・就学などで変わっていく時に共にどう伝えるか考えるなどの役目かなと思えています。

 様々な診療科の先天性疾患のお子さん達についてはこれもチームで外来担当しています。昔はどの診療科の患者さんとか誰の患者さんとか担当をはっきりさせたがっていたと思います。それは責任の所在を明らかにするためにはいいのかもしれませんが、特定の診療科や医師だけしか見ないと<共依存>というか、子供達にいいことばかりでないと思えています。NICUの医療と同じようにたくさんの医療者でチームで関わる方がご家族は相談する場所が増えていいのかなと思えています。小児外科疾患に関しては小児外科が外科の疾患にまつわるフォロー、新生児科が発達のフォローを状況に応じて続けています。先天性心疾患については小児循環器科は心臓病を診ているのではなく、心臓病のあるお子さんを診てくれる小児科医でもあるので小児循環器科の先生達が長期的にフォローしていますので新生児科は早産・重複のあるお子さんのある場合に一緒に診ています。染色体疾患のお子さんは遺伝科と新生児科で交互に外来フォローしながら、入院などすることがあれば総合診療科の先生達と3つの診療科で順番にフォローしています。

先天性疾患についてはいつまで生活支援しているかはご家族と相談ですね。様々な診療科にかかっていたりしている人で新生児科のニーズがなくなれば来なくなっていいと話しています。先天性横隔膜ヘルニアなどは小学校入った後に運動負荷や肺機能など評価なども小児循環器科と一緒にしているからというような情報提供していたりもします。その上でご家族とどこまで新生児科が関わるかは決めています。

Q4.胎児診断からNICU診療で医療者間で意見が異なる場合はどう患者家族に話していますか?

A4.<医療者でも意見が異なる状況>ということをチームで一緒に伝えることが大切と思います。
複数の診療科が個別にご家族に話していると医療者間の意見の相違がご家族の大きな困惑になると思えています。患者さんの家族を信じて、最終的な方針だけを伝えるのではなくその過程を伝えることも大切と感じています。

病院によっても、同じ病院でも診療科で視点が変われば意見が異なることもある、短期的視点や長期的な視点で考え方も変わることもある。医療者の中でもこういう意見もあれば、逆にこういう意見もある、その中で自分たちはチームでこういう方針を提案する。
他の病院のセカンドオピニオンや問い合わせも歓迎で、自分たちは情報提供しながらご家族がより良いと思える選択をしてもらえたらと思えています。そういう意味でも、重症な場合には複数の診療科とご家族で一緒に相談する場所を作るのが大切と思えています。

医療者によって考え方が異なる、正しいことは1つでもない状況ならば、ご家族だって
様々な考え方があっていい、そのご家族が自分たちのより良いと思える決断をしてもらう
ことが赤ちゃん達の居場所を奪わないことかなと思えることがあります。

Q5.家族支援の設備が整っていないNICUでできることはありますか?

A5.当院は<集中治療と家族支援の両立ができるNICU>の改築をしましたが、建物ができたのは
そういうマインドを持って狭いNICUの時から取り組んでいたスタッフが多いから、建物に反映
できたり、多くの先輩家族の応援や病院の理解があったのだと思えています。設備がなくても
できることは沢山あると思います。集中治療中の処置やカンガルーケアをご家族と一緒にやったり、
家族面会の制限の緩和、兄姉面会などできるかもしれません。当院は一番近くの横浜市大
センター病院がもっと昔から兄姉面会していたり、聖マリアンナ大学の皆様がカンガルーケアを
積極的にしてきたご経験を見習ってきました。設備の中でできることをしていくとはできるし、
そういうことを続けていく先に設備も変わっていく日が来るように思えています。

また、設備を変えてみると設備があれば全てが解決するわけでもないと実感しています。
設備を変えたからこそ、次に取り組みたいことを感じ始めている自分たちです。
NICUに入院している赤ちゃん達のためにご家族の時間を増やしていくためには
NICUの中でご家族が取り組めること、役目を感じられること、楽しく過ごせること
などが大切と感じています。

Q6.ファミリーセンタードケアは集中治療はやりづらくありませんか?

A6.集中治療は<やりづらい>こともあると思います。保育器を近く並べて流れ作業のように
順番に処置をしたりする方が効率的だし、集中治療をしやすいと思えます。ただ、自分たちは
NICUを集中治療の場所という位置付けで運営しているとご家族を置き去りにする可能性がある、
長期的な赤ちゃん達の発達支援や退院後のご家族の生活支援を考えると<家族支援>のための
スペースは必要に思えています。各NICUにソファなどを寄付を募って設置しましたが、集中治療
から考えると無駄だけど、ご家族の居場所を常に置くということに意味は大きいと多くのスタッフが切望してくれて置けたことです。

Q7.NICUの感染対策に影響はないのか?

A7.感染対策も医療安全ももちろん大切だけど、それが赤ちゃんとご家族の時間を奪い過ぎては
長期の発達支援や家族支援に有害になることもあると思えています。兄姉面会に関しては
当院は横浜市大センター病院の皆様のアドバイス通りで5年やってみて兄姉面会で感染が
流行したということはありません。もちろん、予防接種や問診・診察などのチェックはして
いますし、風邪や感染流行時にNICUに入室はご家族自身が慎重になってもらう必要がある
と思いますが、ご家族を信じていいように思えています。

Q8.ご家族同士のピアサポーターの大切さを感じました。どのように考えていますか?

A8.NICUをリニューアルオープンするコンセプトの1つに
「未来にここで生まれる赤ちゃんとご家族を医療者だけでなく、先輩家族や街の人たちと
一緒に応援するようなNICUを作る」ということでした。先輩家族のフォローアップ外来
受診時の里帰り訪問、月に1回の先輩家族と街の人たちが自主運営しているNICU家族写真
撮影会、先輩家族でピアニストの方のNICUピアノコンサートなど、こういうことがピアサポート
なのかなと思えています。また、フォローアップ外来でくる先輩ご家族とNICU家族コーナーで
交流してもらうような機会を増やせていけたらと思います。

医療者が患者家族支援をできるとは思っちゃいけない。先輩家族だからこそ共感したり支援し合えたりすることがたくさんあるということを周囲の患者家族の方々から学びました。また、同じ街の人たちが心寄せてくれるのが障害感の緩和にもなる、そういうことをNICUから目指していけたらと思えています。

Q9.NICU家族支援にインターネットの活用をどう考えていますか?

A9.当院はブログなどを10年間続けていますが、<インターネットで見える化>することは
患者家族の支援になることを実感しています。新しいNICUに院内外からたくさんのご支援
があったのも<見える化>していた先にあったようにも思えています。この部分をもっと
標準化と技術革新を目指しています。NICU電子応援ナビゲーションシステムというのを
開発中ですが、NICU入院中からインターネットを活用した家族支援を現在計画中です。
NICU入院中も外来フォローというか発達支援にインターネットの活用は大きな力に
なる気がしています。

Q10.クベースに入っている赤ちゃんについて、ご家族が赤ちゃんに対してどのようなケアを
実際にされていますか?

A.10このご質問は当院の看護師さん達に聞いてもらった方がいい感じですが、家族面会はご家族に参加してもらってこそ、赤ちゃんも嬉しいと思えています。保育器の中でも赤ちゃんが安定し
次第、挿管中のカンガルーケアなどもしている当院のスタッフだし、注入などもだんだんご家族
と一緒にしていくようになります。赤ちゃんが誕生してお家にいたら通常は子育てが始まり
24時間お母さん達は様々なことをしているわけで、NICUにいても看護以外の育児の部分は
ご家族にしてもらうのでいいのかなと思えています。看護師さん達は看護するのが役目で
ご家族がやはりずっといられるわけでないNICUだからいないときは育児も代行するのですが
その部分に診療報酬は付いていないのが現実です。高度化したNICUや新生児病棟(GCU)では
医療的ケアのある赤ちゃん達1人の看護師さんが掛け持ちしていますね。育児の部分はご家族
になるべくやってもらうことが赤ちゃんも嬉しいし、ご家族もNICUでやることができるし
育児を感じられるし、看護師さんは本来の看護に専念できるのかなと思えています。それが
ご家族の面会の多さはお子さん達の発達支援につながりますし、ご家族の退院後の何よりの
生活支援の始まりと思えています。


改めて質問の内容を見ると、講演の2/3の
NICU集中治療の話よりも後半1/3の家族支援や
発達支援の話への質問が多かった気がしました。あまり
話さなかったら質問が多かったのか、そちらに心寄せてくださった
人たちが多いのかとも思えました。
是非、
下記も改めてご覧いただければ幸いです。
で報道されたリニューアルNICUへの質問が多いのだと感じました。


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 でクレジッカード寄附も1000円から可能です。


こちらは故郷納税のように税控除の対象になります。

「新生児科」、「NICU・新生児病棟」など応援したい診療科や部署に指定の上、ご寄付いただければ使い道を各現場で決められるのでありがたいです。

「新生児科」、「NICU・新生児病棟」に指定いただければ、
新しいNICUでの患者家族のアメニィテイーの向上、
NICU卒業生の支援のための情報提供のリーフレットや育児応援アプリの開発、
NICUでのより良い診療のための研究開発、人財育成
などに活用させていただく所存です。

寄附の使途内容などはこのブログを通じて引き続き報告させていただきます。
今後とも多くの皆様に共に赤ちゃんとご家族のために
より良い医療を探していく応援をいただければ心強いです。

下記、こども医療センター新生児科が関わっている書籍です。


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Posted byNICUサポートプロジェクト

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