第1回埼玉先天性心疾患懇話会で「先天性心疾患の周産期チーム医療」の特別講演。。。


木曜日は夕方から埼玉に日帰り出張。
第1回埼玉先天性心疾患懇話会という
新たに設立された勉強会の特別講演を担当させていただきました。

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埼玉医科大学の3つの大学病院の皆様を中心に集まる
先天性心疾患のお子さんの診療の質向上を目指した勉強会で
NO吸入療法を支えるマリンクロットファーマ社の共催での
勉強会です。その設立の会の講演をご依頼いただき光栄に思えて
埼玉に行ってきました。

初めて話す気がする「先天疾患のお子さん達に対する周産期チーム医療」
というご依頼の内容であり、準備に悩みましたが、友人であり恩師でもある
増谷先生のご依頼でもあるので自分なりの講演を考えあぐねていた今週でした。


「かってない忙しさを」を感じる先週から今週で準備もままならず、
スライド1
朝に川滝先生や金先生にスライド作りを手伝ってもらって
の講演になりました。チームの1員としてお話ししてきました

前のブログに埼玉に着くまでの1日のことを書き残しましたが
時間ギリギリまで準備しながら車中で川越の夜の綺麗な街並みを
写真に撮れずが心残りです。

スライド2

到着してそのまま講演会場に行った感じでしたが
長年お世話になっている方々が多く感じる
埼玉医科大学の周産期医療・小児循環器医療に関わる多職種・多診療科の皆様、
錚々たるメンバーがお集まりくださっているのがわかる会場で
緊張しながらも、神奈川と埼玉の情報交換のつもりでお話しさせていただきました。

神奈川・埼玉でそれぞれ留守を守ってくださった皆様に
講演の内容を少し報告すると
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まずは早産児の循環管理について自分達が取り組んできたこと。
早産・低出生体重児の先天性心疾患の診療する場合に他の診療科の
先生方に一緒に気をつけてもらいたい心臓や動脈管の特徴について
お話しさせていただきました。

次に未熟児動脈管開存症について
手術に至るまでの診療の様子やNICUの循環管理を
お話ししながら
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埼玉医科大学総合医療センターを始め全国34施設の
NICUで取り組んできた心エコーによる重症度評価などについて
最近の研究の結果を報告させていただきました。

スライド18
また、10年前に
埼玉の多くの皆様にも協力していただいた
の用いてワークショップを行うと早産児の救命率が上昇したことを
お話しして、循環管理もチーム医療であることを感じていることを
お話ししました。

そして、神奈川こどもでチームで取り組んでいることを
お話しさせていただきました。

まず、当院が医療監修したドラマ「コウノドリ」
の場面を流しながら、小児医療と少し違う周産期医療の特性を
お伝えできたらと思えました。

新生児診断と胎児診断ではご家族の心の動きも違うことなどを
伝えられたらと思えてです。

その上で、心臓病の胎児診断について
自分の視点でお話しさせていただきました。

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東京女子医大で胎児心エコーを担当していた頃、書いた論文を久しぶりに
お伝えさせていただきました。20年前に新生児の心臓手術が大変多かった
女子医大での胎児診断の状況は日本全国の心臓病の胎児診断の状況を
反映していると思えてです。総肺静脈還流異常症や完全大血管転位症は
ほとんど見つかっていなかった。

それから川滝先生や神奈川県の院内外の産科医や超音波検査技師
さん達の精進と連携で神奈川県の胎児診断はどんどん変わってきたと
思える。

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昔はほとんど胎児診断されていなかった総肺静脈還流異常症や
完全大血管転位症が半分以上、みつかっている胎児診断の
普及をお話しさせていただきました。これは時間が解決したという
よりは継続して取り組んでいく中で変わっていることを感じたり、
これこそ、神奈川県の周産期医療のチーム医療かなと思えている
部分をお伝えしてきました。

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そして、そのご紹介を受けている神奈川こどもの
多診療科カンファレンスのことをご説明させていただきました。

この1年間は改築工事で病床を7割方の収容しかできなかったのですが
それでも90名を超える先天性心疾患の赤ちゃん達の診療をしていて
7割方、胎児診断されていること、6割の赤ちゃんがNICUで手術を
受けていることをお伝えしつつ、胎児診断から産科・新生児科・
小児循環器科・心臓外科でどういう風に情報共有したり、
病状説明したり、方針を決めって言っているかを中心にお話し
しました。

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先天性心疾患の胎児診断の診療の中心の金先生の基で
最重症例はお産の前日などにシュレミーションを産科・新生児科・
小児循環器科・心臓外科に関わる多職種でリハーサルのようにして

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出生当日、それを多職種・多診療科で実行している様子などを
お話ししました。金先生が胎児診断に加わってくれてからの
チーム医療の進化も改めて感じながら話してきましたし、
稲垣先生をはじめ、新生児医療や小児循環器科の後輩世代の
メンバーの連携の良さを心強さなどをお伝えしてきました。

集中治療だけでなく、在宅医療なども新生児科と小児循環器科で
協力して見守っているお子さん達の話もしました。

3年前にこのブログに胎児診断を受けたご家族から
お寄せいただいたご意見を
含めて講演した下記のような内容もお話しして来ました。



3つの提案:胎児診断の家族支援シンポジウムで講演 (第22回胎児心臓病学会にて講演)


手術やインターベンションなどだけでなく
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18トリソミーのお子さん達の妊娠・出産・NICU医療や在宅医療を
産科・新生児科・小児科・小児循環器科でチームでどう取り組んでいる
かなどもお話しさせていただきました。

早産で心臓病があったお子さん達のフォローアップ外来を担当していて
長期的な修学や生活状況などもフォローアップ担当医としてお話させていただきました。


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集中治療と家族支援を両方大切にできる周産期医療から始まる
先天性心疾患の診療を目指せたらと思う気持ちをお話しして来ました。

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NICUのリニューアルオープンした動画をお伝えしつつ、

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個室などを一番使ってもらっているのは今は先天性心疾患の
お子さんとご家族で、手術などを控えるお子さんとご家族
だからこそ、その日まで家族で過ごせたらと思えるし、そういう
ことが大きな手術、手術の先の子供とご家族を応援する時間に
なればと思えていることをお話ししました。


小児循環器学会関連では動脈管や心エコーで講演することが多く、
こういうお話をしたことが初めてで小児循環器領域に関わる小児科や心臓外科の
先生方にどう思われるだろうかと不安もありながらの講演になりましたが
スライド1
自分なりに話せるお話を率直にさせていただきました。
できているということではなく、目指したいと願っていることを話したのかも
しれません。


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座長をお務めくださった埼玉医科大学総合医療センター国際医療センターの
心臓外科の鈴木教授が講演の後の質疑応答の前に、講演でこんなに目頭が
熱くなったのは初めて、いろいろ考えさせられましたと伝えてくださる言葉に
感謝でした。

自分達もできていることばかりでなく、目指したいことが多いけど、
現実と理想の中で悩みながらも垣根を越えてチーム医療をよりよくしていきたい
みんなで協力するからこそ、赤ちゃんとご家族にとってより良いと思える
医療ができるかもしれないという気持ちを総合討論の中で自分も改めて感じてきました。


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講演会の後は食事会でした。

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埼玉と神奈川は人口の割に病院が少ない県で患者さんの多さという
共通点があります。

3つの大学病院の多診療科・多職種で改めて
先天精神疾患の診療体制を考えていこうとされる埼玉医科大学
グループの皆様の熱意や願いに埼玉で生まれる心臓病の赤ちゃん達の
診療体制はこれからもきっと良くなる一方だろうなと思えていました。

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同じような状況の県で頑張っている皆様と
交流できること、それぞれの講演への感想などをお聞きできる
機会を有り難く感じました。

スライド12
懇親会の最後、交流が多く感じる埼玉医科大学総合医療センターの
先生方と記念撮影。自分も自分の場所で頑張ろうという気持ちを
いただきました。

川越駅まで見送っていただき、2時間の帰路につきました。
0時近くになりましたが、これまで話したことがなかったような
内容の講演をさせていただく中で神奈川こどもの<先天性心疾患の
チーム医療>の心強さを感じ、自分もチームの一人として役目を考え続けて
いけたらと思う夜でした。

埼玉のお集まりいただいた皆様、神奈川の留守を守ってくれた
皆様、いつのさりげない気遣いを感じる共催してくださった
マリンクロットファーマの皆様に感謝の報告でした。



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引き続き、下記ご検討くだされば心強いです。

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ご寄附による応援のお願い:こども医療センターNICU

かながわ県立病院小児医療基金のご案内

かながわ県立病院小児医療基金クレジットカード寄付フォーム
が追加されました。

クレジットカードでこども医療センターへの寄附が1000円から可能です。
確定申告時の税控除の対象になります。
税金の使い道を指定する思いで
「新生児科指定」・「NICU指定」の寄附としてくださればNICUに入院する赤ちゃん達、卒業生、一緒に時間を大切に過ごすご家族たちの応援、スタッフの人財育成のためにも自分達で使い道を特定して
活用させていただきますのでご指定のほど、よろしくお願いいたします。




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Posted byNICUサポートプロジェクト

Comments 2

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増谷  

豊島先生、遠くて近い、近くて遠い川越に講演にいらしていただき、どうもありがとうございました。日勤通常勤務の後、準夜帯の弾丸スケジュールで大変お疲れ様でした。埼玉医大3病院を中心に、多部門の看護師・ME・医師(研修医から教授連まで)が参集し、心揺さぶられながら拝聴しました。それぞれに初心を思い出しながら、身近な課題や今後に思いを馳せていたと感じます。
印象に残るお話は多々ありました。なかでも神奈川の総肺静脈還流異常の胎児診断率が5割を超えている! 長年にわたる川瀧先生から金先生、地域のお弟子さんたちの積み重ねゆえの今ですね。両先生がご発表準備に精力的にご協力をされたとのことで、さらに感動で、両先生、どうもありがとうございます。豊島先生がそのこともお話されていました。神奈川チームから埼玉チームへのエールと感じながら拝聴していました。
“医者は患者さんの未来を背負えないが、サポートはできる”“家に帰るとよく笑う”“父親同席”“家族のできることを話す、たとえば、きょうだい面会、風呂、母乳、カンガルーケア”“胎児診断で一緒にいられたはずの時間を奪ってしまわないように”など、たくさんの言葉が胸に響きました。
なかでも、“家族も含めた”チーム医療、このところをよく噛みしめながら、私達の地域の質向上に活かしていきたいと強く思いました。

引き続き連携の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。埼玉からも、神奈川チームにエールを送ります。

  埼玉医大総合医療センター 増谷 聡 拝

  • 2019/12/07 (Sat) 19:59
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NICUサポートプロジェクト
豊島  

増谷先生、神奈川と埼玉、神奈川と千葉は東京挟んで在来線は確かに近そうで遠い場所ですよね。お互いに。ただ、埼玉医科大学総合医療センターはすごく身近に感じている場所です。似ている状況も多いので情報交換の意味が多いと思うので交流の機会を与えてくださり感謝です。増谷先生をはじめ小児循環器の研修をしていた頃から知る皆様や心臓外科の先生方との交流の中で、自分も小児循環器医をしていた頃の初心を思い出す気持ちになった帰路です。川滝先生と金先生とのチーム準備の今回への感謝を一緒に伝えてくださりそれもお気遣いに感謝です。
 今後とも埼玉・神奈川の連携を診療・研究・教育でこちらこそお願いできたらと思います。駅までお送りくださりありがとうございました。

  • 2019/12/08 (Sun) 14:51
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