韓国で「早産児発達支援のためのNICUファミリーセンタードケアと発達支援フォローアップ外来の講演:早産児発達・家族支援国際カンファレンスの報告(その2)

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の講演の後、お昼休みを挟んで自分の講演でした。

「日本の早産児のフォローアップ体制に置ける家族支援」という講演
依頼でした。

日本のハイリスク児フォローアップ研究会の代表であり

の著者でもある自治医大の河野由美先生に依頼が
あり、河野先生が自分を推薦してくださっての今回の
講演の機会でした。

前日、韓国小児科学会で<日本の早産児のフォローアップ体制>の
講演で河野先生も韓国に来てくださっていたので、学会場に来てくださり
二人で日本の早産児のフォローアップ体制についてどう伝えるかも直前に
相談できて心強い状況でした。

韓国の小児科学会全体のテーマが新生児の1000日間の発達支援についてが
テーマだったそうで、韓国は新生児の発達支援への機運が今、すごく高まって
いるのだと思えました。

講演はハングル語の同時通訳を置くので、日本語でいいというご依頼でした。
事前に日本語と英語(新生児科秘書の森さんに英語訳を手伝ってもらいました)
のスライドを送っておき、テキストは英語のスライドとハングル語のスライドが
掲載されていました。


医療通訳の<MICかながわ>の皆様の交流をする中で、医療通訳は自分がイメージつかないこと
をリアルタイムで通訳するのは難しい、事前に内容を理解してからリアルタイム通訳するほう
がより伝わるということを教えてもらいました。

今回は昼食の時間はいらないから、同時通訳の人に
内容を説明したいとお願いしたら、通訳できてくれた
人も賛同してくださり、1時間、同時通訳さんの質問
を受けながらスライドのすべての説明をした上で
講演となりました。

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自分の講演する会はNICU卒業生を支援している小児科の医師・看護師・
理学療法・作業療法・教育関係者などが集まっている会でした。NICUスタッフは
少なめに感じたのでNICUの技術的なことは少なめでわかってもらえるように話せたら
と思えました。
昨年から保健保育学会や障害者歯科学会・摂食リハビリテーション学会に
参加して気づかせてもらったことなどが活きる機会に思えました。


講演の内容としては
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韓国でこれまで5回、早産児の脳性麻痺の予防を目指した
NICU循環管理を韓国小児循環器学会や新生児医療研究会
で話させてもらったこと。
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ガチョン大学の孫先生をはじめ、多くの韓国の新生児科医の
先生方が神奈川県立こども医療センターに見学や短期留学に
来てくれてご縁を感じること。

韓国と日本はパラレルワールドに感じるような似ているところが
たくさんありつつ、少し違う文化がある。NICUで働く医師は皆
自分にとっては共感する、共に頑張りたいと思える人たちばかり
です。韓国のNICUで働く医師・看護師は日本より大変な勤務体制
の中で赤ちゃん達をよりよく救おうとしています。

自分の友と思える韓国の新生児科医の皆様が救った命を
NICUの卒業の先で応援してくださるこの会場の皆様と交流できる
ことを嬉しく感じます。

韓国で生まれる赤ちゃん達の発達支援の何かヒントになれば
と願いながら日本や自分たちの病院で取り組んでいることを
お話ししますと言いながら講演をスタートしました。

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前半は河野先生にお貸し頂いた日本のNRNデータベースの
治療成績についてお伝えして来ました。1500g未満で生まれた
早産児のデータベースでは、救命率は95%を越え、
この10年で脳性麻痺は1割未満に減って来ている。

一方で、1500g未満で生まれた赤ちゃん達の1/3はいわゆる
発達障害と言える<発達のアンバランスさ>がある。
在胎週数が若いほど、正常発達は減り、発達遅延が増える
ことも明らかになっている。

命が助かるようになったからこそ、身体障害が減ったからこそ、
発達支援がより大切になって来ていることをお話ししました。

日本では学会の提言で1500g未満の早産児は少なくとも9歳までは
新生児科医を中心とした多職種で連携した早産児の発達支援体制の
構築を目指して、4割前後の病院はその体制が整いつつある現状を
お話しして来ました。

日本でもNICUの治療以上にNICU退院後の支援体制は地域や
病院によって差異があることを伝えつつ、
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中盤は神奈川こどもの
フォローアップ体制やフォローアップ外来で取り組んでいることを
お話しししました。

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修正18ヶ月、3歳、6歳、9歳というキーエイジで検診している
内容、さらに外来担当医で差が出過ぎないようにフォローアップに
関わる医師・看護師・臨床心理士・理学療法士・作業療法士・
言語聴覚士・保健師などで定期的に集まって情報共有や相談しあえる
カンファレンスなどを開いていることなどをお話ししました。
多職種の連携の大切さ、まだまだわからないことが
多いけど共に考えている心強さを話して来ました。

最近は、就学後の注意欠陥多動症候群(ADHD)や読字書字障害、
学習障害にどう医療として教育と連携できるかを話しあつている
ことなどを伝えて来ました。

後半は、Kevin Nugent教授の講演の感想を伝えつつ、
NICUを赤ちゃんの命を救うことで止まらず、赤ちゃんの発達支援の
場所にしていきたい、NICUの中から家族の養育レジリエンスの向上
を含めたファミリーセンタードケアへ取り組んでいることを
話しました。

Kevin Nugent教授の講演の質疑応答でも、中国や台湾でも
ファミリーセンタードケアの話題になる時でも東アジアは
文化や体制が違うから欧米と違ってファミリーセンタードケア
は難しいという意見が出るけど、日本と韓国は似ている。

でもお話ししたような、この5年間、取り組んで来たNICU改築とNICUの
開発中の電子育児ナビゲーション構想の話をして来ました。






自分たちのNICUのこの10年間のニュース動画の場面を
見せながら集中治療中心から
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狭いNICUの中でもNICUスタッフとご家族で一緒にできること
を積み重ねて来て、変わって来た。

そして、神奈川県という行政、病院全体、様々な企業、
NICU退院卒業生家族の理解や応援があって、先月、以下の
ようなNICUを建てました。

上記のニュース動画を流しました。NICU卒業してから子供の発達支援や家族支援が
始まるのではなく、NICUの中から家族の支援、子供の発達支援をできるNICUに
なれたらとNICUスタッフとともにスタートしたところですとお話しました。

たくさんの院内外のNICU卒業生ご家族からご寄付があって、医療者が思う以上に
こういうNICUのパラダイムシフトは必要な気がして、日本で頑張っています。
韓国のNICU卒業生の応援をしていこうということでこんな風にたくさんの人たち
が集まっていることに感動しつつ、韓国と日本で一緒に東アジアの文化の中での
<新しいNICU>やこれからの<NICUの先の応援>を自分も一緒に考えさせて
いただけたらと思いますとお話しして講演を終えました。


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質疑応答、予定を超過しての40分近い質疑応答でした。
医療通訳を交えて、日本語、英語、ハングル語と様々な
言語を飛び交いながら意見交換して来ました。
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たくさんの質問を受けましたし、自分もたくさんの気づきが
ありました。

家族面会など1-2時間のNICUも多い韓国で24時間面会や
兄姉面会への質問も多かったですし、日本のようにほとんど
治療費の家族負担がない国と違う韓国ではお金の心配について
も質問がたくさんでました。

大学病院の小児科教授の先生方からの感想は
「行政、病院全体、NICUスタッフを含めて、日本でこういう
NICUができたことに驚きを感じる。動画に出て
くるNICUスタッフの働いている様子に感動した」という趣旨の
言葉をNICUを応援してくれて来た人達、スタッフにも伝えたい
と思えていました。

自分たちのNICUは日本でも賛否があると思う。
うまくいくかはわからない、でも、新生児医療の医療技術の
変化だけでなく、こういうことも変わっていけたらと思えて
いるし、そう思って新しい場所で頑張ってくれているNICU
スタッフと集中治療と家族支援をよりよくできるNICUを
目指しています。その功罪を検証していきたいと思っています
と伝えて来ました。

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講演を終えた後、ブラゼルトン新生児発達支援の第一人者の
Kevin Nugent先生がすぐに壇上に来てくれて
「Amazing NICU. Your philosophy is perfect.」
と握手を求めてくださいました。
「欧米に比べたらきっとまだまだだと思いますと話すと、
米国でもファミリーセンタードケアは病院差があるし、
 philosophy(哲学)がなく、やっているNICUもある。
あなたたちは短期間でどんどんかわっている、実行と実現
をしているのを感じる。新しいNICUの様子も働いている
スタツフの様子も自分にとっても感動の様子でした」
という言葉に自分も感動してNICUスタッフに伝えたいな
と思えていました。

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講演の後は、自分を推薦してくださった河野先生の
韓国小児科学会での講演の反響や
感想などをお伝えいただきながら、韓国の早産児のフォローアップ体制の
盛り上がりを踏まえて、日本の中で何ができるかなど、

生育限界を下げる?というニュースも踏まえつつ、
早産児のフォローアップ率が4割くらいで止まっている日本の
現状の中で早産児の発達支援の今後についてのお考えなど直接
ゆっくりお聞きできて学びや気づきの多い機会でした。

INTACTプロジェクト、NICU電子育児応援手帳計画
と森先生を介して共に研究をさせていただいて来た河野先生も
一緒に働いていていないけど多くの視点や考え方を授けてくださった
恩師の1人と韓国で改めて感謝でした。

研究会の終了後、Kevin Nugent先生のサイン会が
企画されていたのですが、参加者の皆様から自分も。。。
という希望があったということで
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日本ではありえないような、人生初めてのサイン会になりました。

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英語や通訳さんを介して日本語で講演の感想を伝えてくださる人達いて、
講演内容が伝わっていたことを嬉しく感じました。

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<情熱的な講演><気持ちが伝わる講演>という言われる
ことが多く、<言葉は伝わらないはず>なのに
<情熱的>と聞こえたのなら、同時通訳さんのおかげと
思いつつ、<命を思う気持ち>は言葉や国境を越えられるのかな
と思えていました。

たくさんの見学希望があったので、海を渡って
来ることにふさわしいようなNICUをみんなで目指していけたらと
思いました。

次のブログで、韓国の講演者の皆様や
交流の中で気づいたことや考えてたことを
書き残したいと思います。引き続き、多くの方に
韓国で気づいたことをシェアしてもらえたら幸いです。




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引き続き、下記ご検討くだされば心強いです。

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「新生児科指定」「NICU指定」の寄附としてくださればNICUに入院する赤ちゃん達、一緒に過ごす時間を大切に過ごすご家族たちの応援、スタッフの人財育成のためにも活用させていただきますのでよろしくお願いいたします。





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Posted byNICUサポートプロジェクト

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