「NICUにおけるグリーフシェア」:第25回日本摂食嚥下リハビリテーション学会で講演抄録と「新しいNICU」のニュース動画

第25回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会(2019年9月6,7日)
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に参加するために新潟に向かう車中です。

本日の
シンポジウム2「新生児・小児のグリーフシェア」(2019年9月6日)
のシンポジウムでの講演の準備しながら新潟に向かっています。

以前、提出した抄録を見直しているといつ書いたのだろうと記憶が定かでない
のですが日々、NICUで悩んできた想いが改めて胸によぎります。

以下の抄録のような内容を講演してきます。
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NICUにおけるグリーフシェア
神奈川県立こども医療センター新生児科 豊島勝昭

 当院では年間400名の集中治療を必要とする新生児の診療をしている。救命率医学や医療技術の進歩により、在胎23週の早産児や400g台の低出生体重児でも救命率は9割を越えるようになった。過去には救命できなかった重症な新生児が救命されることは喜ばしいが、全ての新生児を<後遺症なく救命>できるわけではない。新生児医療の救命率の向上は、医療的ケアや発達や生活の支援を必要とする子供達の増加につながっている。命が救われたからこそ、育児や生活で悩むご家族もいる。新生児集中治療室(NICU)において、「命をよりよく救う医療」と「救われる命を支える医療」を併行して質向上を目指している。そのためには、早産や先天性疾患の新生児が加わる家族全体を救い支える<ファミリーセンタードケア>を心がけている。
 新生児医療においても集中治療と緩和ケアは常に診療の両輪であり、重症度や治療経過によって比重が変わるが常に併行して考えている。どんなに医療が進化しても、毎年30名前後の新生児の<死>をご家族と一緒に見届けている。障害と共に生きることになる赤ちゃんなのか、NICUで死を迎える赤ちゃんなのかの予測は困難である。標準的な治療で改善せず、生きられる時間に限りあるかもしれない重篤な状況では、救命の可能性が残される限り、<未来>を目指して全ての救命医療を継続すべきか、<生きている今>を大切に、緩和的に御家族と共に過ごす時間を支援するべきかを医療チームとご家族で話し合いを繰り返している。
 新生児の死を経験した家族の悲嘆は長きに続く。NICU医療者がグリーフ(悲嘆)をケア出来るとは思えない。新生児の誕生の喜び、生きている時間に積み重ねる喜びや楽しさ、その命が気づかせてくれたことなどを踏まえて、死に向かう不安や死後の悲嘆を家族と医療チームで分かち合う<グリーフシェア>を目指している。医療者であっても、患者家族であっても死生観は様々である。侵襲的な高度集中治療の利益、危害、受け続ける苦難などへの考え方は異なる。患者家族を含めた医療チーム内での共同意思決定の過程の中に、グリーフシェアや障害と共に生きるご家族の支援が含まれていると考える。
 新生児の死は、患者家族にとっても医療者にとっても悲しいことであるが、タブー視すべきことではない。悲しみが時間と共に心温かさを帯びて、新生児の生と死を踏まえて、家族が再生していくための<グリーフシェア>をNICUと地域で目指したい。
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講演の中では流せないであろう動画を以下に掲示します。講演を聞いてくださった方には
下記の動画もご覧頂ければと思いますし、コメント欄にご感想などお寄せくださればありがたく
感じます。

新しいNICU

家族も24時間一緒に 新たなNICU運用開始 神奈川(NHKニュース9月2日)

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引き続き、下記ご検討くだされば心強いです。

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Posted byNICUサポートプロジェクト

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