より良い救命を目指して:世界でも最先端技術を集めたと思えるNICUエコーラボ。。。


空っぽの会から約5ヶ月、
NICUの中で20年近く、一角を占拠して
座り続けていた自分にはどこに座っているののか?

と質問されることが多かったのですが、
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工事現場の壁一枚先の
9月からのカンファレンス室の裏の説教部屋のような
場所に移動した
フィリップスの画像診断動画ネットワークシステム
IntelliSpace Cardiovascular(ISCV)
を活用しながらの引きこもりの生活でした。

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NICUにおける心エコー検査に基づく循環管理 (Fetal & Neonatal Medicine 2018年8月)
という取材記事の中で、NICUの改築とともに、
NICUエコーラボを整備していることを
伝えさせていただきましたが、NICUエコーラボの
リニューアルオープンの準備につもりで
これまでのデータを一旦全て解析して9月から
また新たなことをはじめる準備期間としていました。

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この場所でしていたのは
これまでできていなかったことをやろうと考えて
2016年秋に3次元エコーを導入してからのデータを
TomTec-Arena汎用画像解析システム
全て解析してデータをまとめました。300近い
3次元エコー検査を見直し、分析して何か気づける
ことがないかを考えていました。

そして、ちょうど
アップグレードした3次元エコー分析ソフトを
ご寄付で購入させていただいた高性能で大きなPCを
インストールして改築後に活用できるように
準備していました。
新しい3次元エコーの解析ソフトは左室に関しては
自動化がさらに進み、期待が大きい気持ちです。

そして、5月に電子カルテやNICU部門システムの更新が
重なったのでこれを機に、

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心エコー検査機器と電子カルテや
NICU部門システムのリンケージの向上をフィリップス社の皆様の
支援の中で試行錯誤していました。

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昔のカルテには厚紙に心エコーのデータを手書きで写し、
裏にエコーの写真を海苔で貼ったエコーレポートを作っていました。
2010年前後まではこれが新生児科医の夜の残業の大きな負荷でした。
この作業が辛かった覚えがあります。だんだんエコーレポートを残さなく
なっていた後輩世代の医師たちの気持ちもよくわかります。

機械のデータを手動で他の機械に記録するという行為に
無駄を感じていた自分で、研修医時代からいつか機械から機械に
データが自動で飛ばないかなと願っていました。

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粘り強く相談に乗ってくれた皆様に感謝です。

先月の周産期新生児学会の講演で少し触れましたが、診療と臨床研究をより一体化したい早産児育児応援アプリの開発の中でエコーのデータは電子カルテやNICU部門システムと共有できる。エコー機器の情報を人間が他のPCに打ち込むような行為はなくせる、それが後々データ解析などの手間を減らせるということでどうやったら心エコーからPIMSや電子カルテと連動できるかを考え続けて来ました。

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低出生体重児、アプリで診療経過を記録  成長の推移をグラフに(産経新聞2019年6月21日)
で学んだ技術の応用にも感じる

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全国34施設共同前方視的観察研究:PLASE研究で学んだこと;日本周産期新生児医学会シンポジウム「周産期臨床研究推進のための方策」
の講演でお話ししましたが、
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これを実現しつつある今です。

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多くの医療系ICTエンジニアの皆様とのやり取りの中で

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エコー機器からのデータを中央一括管理しつつ

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電子カルテやNICU部門システムと共有できる
手動で心エコーデータを打ち込む手間を大幅に減らせる
システムができつつあります。

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エコーするときも前回のエコーデータをエコー機器の横に電子カルテ
に出しながら確認できますし、

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カンファレンス室で血液検査と同様にエコー検査所見を共有できる
ようになります。エコー所見を看護師さんに残してもらっていましたが
その負担も減らせたらと思いますし、後輩医師への
教育ツールにしたいと思えています。

エコーデータを研究のために夜や休日にエクセル
に入れ直すような膨大な時間もいらなくなります。
 PLASE研究で集めるようなデータは普段の
診療の中でエコー機器から電子カルテなどで
電子的に共有できるようにできると思います。

 後輩の手間を減らしてあげたいという思いもあるのですが、
日本のNICU文化に思える心エコー検査ですが、
どうもやっていることに満足しているだけで考えること、
活用につながっていない気がする。

回診などでプレゼンや質問の答えがデジタルの
検査のはずが、
「左房がはっている」「左室の動きが悪い」
とか形容詞での表現が数値にうるさい自分には
数値でデータを共有したほうがいいと思えています。

こういうICTの活用をして、エコーをしていることで満足せず、
そういうデータで語り合える、
合併症を防げる循環管理を後輩の先生方に目指して欲しいと思えて、
エコーデータのデジタル共有につながればと思えています。

3次元データを全て解析したのもエコー機器も
NICUのリニューアルオープンに向けて増床分で
購入した新しいエコーの活用に備えてです。


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3次元エコーがもたらす未来 :第63回新生児成育医学会学術集会の報告(その4)

昨年の新生児成育医学会で短期間のデモをさせてもらった
新しい心エコー機器、

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Phillps EPIC CVxを導入決定です。

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スライドに貼り付け動画は以下です。



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スライドに貼り付け動画は以下です。



エコーの最新鋭機の技術革新
新しいNICUでの診療に活かしていく所存です。
こういう高価な医療機器を購入できたのは神奈川県、
神奈川県立病院機構の支援とともに、150名を超える
寄附の応援があってこそと感謝しています。


赤ちゃん達の命を救うことにとどまらず、
脳を守る循環管理を目指して、最新鋭・最先端の医療機器を整備できたと思えています。

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Toyoshima K, Kawataki M, Ohyama M, Shibasaki J, Yamaguchi N, Hoshino R, Itani Y, Nakazawa M.Tailor-made circulatory management based on the stress-velocity relationship in preterm infants. J Formos Med Assoc. 2013 ;112(9):510-7.

で超低出生体重児の循環管理にこだわってきて脳室内出血などを減少できることを報告してきた私たち。韓国・中国・台湾・オーストラリアで講演させていただきましたが米国からも講演のご依頼を受けています。関心をもってもらうことはありがたいと考えつつよりもっと簡便な方法を新しい技術革新を用いて見つけていきたいと願っています。

今回の改築について3台の心エコー機器、心臓機能解析機、
数値や動画の格納機器など
エコーについては
世界でも稀有なNICUエコーラボを併設できると思えています。

小児循環器研修をして新生児科医になった
後藤彰子先生、川滝先生、自分、稲垣先生
という流れを絶やさず、さらによりよい未来を
目指してもらう環境を作りたかったのでした。

この5ヶ月間、引きこもり場所だったこの場所を
リニューアルオープン後は自分の場所でなく、NICUに入院する
赤ちゃんたちを合併症少なく救命するために循環管理を
身につけていきたいと思ってくれる国内外の後輩世代の医師達が
集ってくれる場所にしてくれること、その後輩世代の
医師をこの場所で指導するのが自分の次の夢かなと
思えています。

リニューアルオープンを応援してくださった皆様に感謝しつつ
報告したかったNICUエコーラボです。

ご意見ご感想などお寄せくだされば心強く感じます。
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Posted byNICUサポートプロジェクト

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