岩手周産期研究会で「早産児と家族の障害感の緩和を目指した NICU電子育児応援ナビゲーション構想」を講演した感想


の補足というか続きを書かせていただきます。

暑さと距離で疲れがまだある気がする月曜日ですが
それでも一生覚えていると思える、印象深い講演の旅だった
と感謝しています。

はじめて講演させてもらった内容であり、帰路も本日も
その振り返りというか、自分の中でも印象深く感じる機会でした。
終了後の意見交換や懇親会で感じたことや時間がたって
感じていることを書かせていただきます。

上記と重複もあるかもしませんが、
下記もご覧いただければと思います。

今回の講演内容は
でラジオで放送された内容をより医療者向け、かつ
NICU電子育児ナビゲーションシステム構想の部分を拡大して
お話しして来た感じです。

自分の講演、医師になって25年間ですが、そのうちの22年間は
神奈川県立こども医療センターNICUで働き続けています。

NICUで
出会った人たちやNICUを卒業して成長を見守らせてもらったお子さん達や
ご家族とのご縁で気付かせてもらってきたことを時系列にお話しさせていただきました。



前半はNICUで脳室出血を起こし亡くなられたお子さん
の経験を振り返りつつ、


NICUで死亡や脳室内
出血を防ぐために取り組んで心エコーに基づく循環管理の臨床研究や
その妥当性を担保するために続けていた


動脈管の基礎研究の話をしました。
<合併症少なく救命>するための方法を探してそのために
基礎研究や臨床研究をして来たことをお話ししました。


その上で中盤以降は、新生児科医が<障害>と考える
脳性麻痺や未熟児網膜症などは激減できたけど、本当に
それだけで<生きづらさ>は減っているのか?という
ことをNICU卒業生のフォローアップ外来で実感し始めて、
この<ブログ>などを始めた気持ち、その中で変わっていった
NICUの雰囲気をお話ししました。



治療がうまくいった場合、早産児の影響がよくわからないような
お子さん達もたくさんいて、そういう話をするのも
<希望>かもしれないけど、
<希望>は好ましい未来がこなかったとしての、その中でも
支えや救いはあるということを伝えるように思えています。

神奈川こどもNICUで出生前や出生後早期から
患者さんご家族に伝えている内容をお話ししました。






世界的にも早産児の救命率は向上していますが、
正常発達とされる発達指数(知能)指数85を超えるような発達は
在胎27-28週700-800gぐらいが半分を超えるというラインで
自分たちの病院は26週(650g)が正常発達を超えるラインであること。
発達は正常だったとしても
発達にアンバランスがあるいわゆる発達障害は1500g未満に
生まれたお子さんの3人に1人は大なり小なりあることなどの<事実>
をご家族に出生前や出生後早期に伝えるようになった。

こういう話をするのは<希望>を奪うという医療者もたくさんいるけど、
それは発達遅滞や発達障害になると<希望>はないと誤解している
気がして、<事実>を伝えた上でご家族でもできる
発達支援があること、

そして、発達障害や発達遅滞でも支援して
くれる人たちはいてその中で<救い><支え>を実感している
笑顔もあることなどを伝えていくことは大切なのかなと思えていることを
お話ししました。

様々な未来があるけど、様々な状況でも笑顔で生きている
子供達やご家族の日々や想いを綴ることも大切な気がして、
このブログを続けて来た気持ちを話しました。


ブログ書く暇があったら、もっと論文を書けばいいのに?
という指摘を受けたこともあります。

論文を書いて褒めてくれることはあっても、
ブログの文章を書くことには批判的な意見をいただくことは
少なからずありました。

インターネットを活用してのブログの文章も大切と信じて
発達支援や家族支援につながるとも考えて、
続けてきた気持ちをお話しさせていただきました。


そして、ファミリーセンタードケアやNICU卒業生のフォローアップ
体制の向上が<救った命>をよりよく支えることになるのかなと
思えていること。


新生児科の部長になって
この5年間取り組んで来たNICUの改築プロジェクトや
NICU電子育児応援ナビゲーションシステムのこと、どちらも
周囲と必要性を理解して、よりよいものするためにとりくんで
来たことを講演させてもらいました。




講演の呼んでくださった小山教授は小児循環器学の先輩であり、
講師紹介の中では動脈管の基礎研究などに取り組んで居た印象的な
研究成果をいくつかだしておられますというご紹介いただきました。
動脈管の基礎研究などの話からどう育児応援アプリにつながるのか
と講演の最初は疑問に思ったけど、一人一人の診療から
ICTの活用の可能性が伝わる講演だったという感想をありがたく
感じました。


同世代の仲間に思える新生児科医の松本先生には
学会などでは心エコーの講演が多い豊島先生が育児応援アプリや
ファミリーセンタードケアなどを講演していることにその想いや
経過が伝わって共感したと感想を伝えてくださり、学会などでは
取り組みの方法と結果を語れるだけなのに



神奈川こどものジュニアレジデントでNICUにも2クール
研修に来てくれて、岩手に戻られた佐藤先生には、自分が
NICUで研修して居た頃に忙しく新生児科の仕事をしている先生が
診療以外の中で、低出生育児アプリの開発をこんな
ふうにしていたなんて自分も知らない話が多かったと伝えてくれました。


そして、育児応援アプリを支援してくれたインターシステムズの
南部さんも岩手まで講演を聞きにきてくださいましたが、
南部さんには、豊島先生のICT医療連携の勉強会で講演を
なんどか聞いたことはあるけど、それは「コウノドリ」の話を
交えてNICU卒業生のフォローアップが多くて、研究などについて
語っていることを初めて聞いたと伝えてくださいました。

自分の中では普段考えていることをそれぞれ話しているつもりですが
それぞれの講演などでは断片的な情報提示しかできないのかなと
思えました。


信頼するそれぞれの方々の言葉に、1時間以上の時間を
いただいての講演は、



そういうことをなぜはじめたか、


どんな苦労に向き合って
続けて来たか、それをやることで診療が
どう変わることを想定しているのか、
流れを語らせていただく機会なんだと思えました。


それぞれの取り組みは<手段>であっても、<成果>でも<業績>でも
ない、それぞれが未来に向かってNICUにやってくる赤ちゃんやご家族が
<生きづらさ>をより少なく、笑顔で生きていくのを応援して生きたいと
願いや祈りの先にあるのかなと思えていました。

低出生体重児アプリにいち早く注目してくださり、その講演の
機会をくださった岩手の皆様に感謝でした。

講演の総合討論の後半は、
人口減少化が進む地形的に医療圏が広い
岩手県で県として、
医療としてどうICTを活用していくかという話になっていきました。

自分は都市部より地方の方が医療におけるICT活用がより
<命>に直結する助けになると思える。医療機器の技術革新は
日進月歩だけど、病院のICT化の取り組み、医療者の働き方の中での
ICT活用は、社会の中で遅れている気がする。
AIが人間の仕事を奪うかもといういうくらいなら、医師不足や
働き方改革の課題がある医療にこそICT活用を推進すべきと思える。


育児応援アプリの取り組みの中でICTエンジニアは
しっかりビジョンを伝えていけば、
お金がかかるか、お金がなければ時間がかかることになるけど、
必ず実現してくれることを
実感した。医療がしっかりとしてICT活用のビジョンを示す必要がある。
そして、行政主導やICT企業主導になるとICTで何かを作っても
普及はしない。行政・医療・ICTの相互理解と協力があって
医療におけるICT活用は進む気がする。

盛一先生や作地さんのような
行政・医療・ICT・患者家族をお互いの言葉や考え方を通訳できる
ハブになる人財育成が大切に思える。


<患者さんや家族のニーズ>にあわなければ意味ないし、
医療現場は<導入効果><対費用効果>を示す気でやらないと
補助金が切れた時に頓挫してしまうし、巨額な研究費や補助金とっても
ビジョンや医療現場の納得と活用がおきなければこれもうまくいかない。

どんな医療を実現するためにICTプラットフォームを
作っていくかを医療・行政・ICT関連会社の連携が大切で、
岩手は県立病院が多かったり、胎児心エコーの遠隔医療を
いち早く導入しているICT先進県と思えるのできっと、
岩手県で生まれるこども達を成人を超えて応援するような
ICTプラッフォームを作れる土壌がある気がするという
気持ちをお伝えして来ました。

自分たちもまだまだ道半ばというかはじまったばかりであり、
全国的にこういう取り組みの機運がでることが開発へのさらなる技術革新
や支援や応援がふえること、
コストダウンにつながることを期待しています。



さんさ踊りを観せていただきながら、
懇親会でお話しした岩手の皆様との交流の中で感じたのは
全国各地それぞれの場所に地元を愛し、地元で生まれ成長する
こども達を応援したいという周産期医療や小児医療の人たちがいる。
小児医療は生活を支える医療なんだとも思えます。


都市部以上に地方の医療者の皆様にはそういう志や想いが
ある気がして、岩手の皆様との交流の中で自分も自分のいる場所で
出会う命やご家族にしっかり向き合って生きたいと思える
勇気をいただいて気がして岩手の研究会でした。


本日も皆様、それぞれにお疲れさまでした。
明日もそれぞれの場所でそれぞれの役目を頑張って
生きていきましょう。


NICUへの
ご寄付は下記のクレジットカード寄附フォームから,
1000円以上でどなたでもできます
引き続き、下記ご検討くだされば心強いです。


追加されました。クレジットカードで
こども医療センターへの寄附が1000円から可能です。
確定申告時の税控除の対象になります。
税金の使い道を指定する思いで
「新生児科指定」「NICU指定」の寄附と
してくださればNICUリニューアルオープンや、
一緒に過ごす時間を大切に過ごす
ご家族たちの応援のためにも
活用させていただくつもりです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


下記にクリックしてくだされば幸いです。
  
 














関連記事
Posted byNICUサポートプロジェクト

Comments 2

There are no comments yet.
久松公代  
No title

NICUに3ヶ月こどもが入院していた
母親です。 すべて、賛同します。
アプリについて詳しく知れますか。

NICUサポートプロジェクト  
No title

> 久松公代さん、賛同してくださりありがとうございます。開発費などが莫大にかかるプロジェクトなので患者家族の方々の要望や支援が集まってこそ完成に迎えると思えていますのでありがとうございます。育児応援ホームページはどなたでも活用できますがアプリについては電子カルテやNICU部門システムと連動しているアプリなので、現状は当院の今年入院の極低出生体重児の方にのみが使えるアプリです。開発中であり、不具合などが度々あり、その修正をしながらよりよいものを世に送り出せる日を目指しております。