W受賞に感動:柴崎先生と下風先生のこども医療センター 優秀論文賞(黒木賞)受賞講演
で北海道で講演して夕方、横浜に戻りました。
今年の神奈川県立こども医療センター優秀論文賞(黒木賞)を
柴崎先生と下風先生が受賞してその受賞講演があったからでした。
研修時代から知る二人の受賞を写真撮って残したい、祝いたいと
思いながら北海道から戻ってきました。
演 者: 下風 朋章 先生(新生児科)
Blood potassium and urine aldosterone after doxapram therapy for preterm infants.Shimokaze T, Toyoshima K, Shibasaki J, Itani Y.
J Perinatol. 2018 Jun;38(6):702-707.
の講演の最中にこども医療センターに戻れました。
「在胎30週未満の児でドキサプラム投与後52%で低K血症が生じることを見つけた論文です。ドキサプラム投与後、経時的に血液K+は低下傾向であるが、数日で急に低下する児もいる。低K血症は、経腸カリウム補充で数日以内に改善するし、ドキサプラム中止後に血液K+がリバウンドで高値にはならないで1週間以内に戻る。低K+血症の要因(pH, 血圧, Mg, メチルキサンチンを除く薬剤)を鑑別し、アルドステロンの関与が原因と考察した論文です」
自分は受賞のお祝いコメントを求められましたが
「論文を書くのが趣味という下風先生、英語論文の数は神奈川こどもNICUの中でも1番多いと思います。日々の診療をこなすのではなく、アカデミックマインドをもって、教科書や論文にこれまで書いていないことを見つけ、診療の中でデータをしっかりとって新しいことを証明していく姿勢を素晴らしく感じています。患者さんをたくさん見ているこども医療センターのNICUだからこそ、気づけること、確かめられることはそういうことをチームに伝えてくれている存在に感謝しています」とコメントしてきました。
演 者: 柴崎 淳 先生(新生児科)
Changes in Brain Metabolite Concentrations after Neonatal Hypoxic-ischemic Encephalopathy.Shibasaki J, Aida N, Morisaki N, Tomiyasu M, Nishi Y, Toyoshima K.Radiology. 2018 Sep;288(3):840-848.
柴崎先生は「正期産の低酸素性虚血性脳症でのMRSの予後予測について放射線科の相田先生や成育医療研究センターの森崎先生と協働しての国際的に一流誌への掲載です。以前から乳酸/NAA比の有用性は言われていたのを、比ではなく絶対値に着目して、乳酸は予後不良群でも経時的(10日まで)に低下する場合がある。NAAは経時的に安定している。予後不良で低い。CrもNAAと同様などの正期産児の低酸素性虚血性脳症の重症度評価の方法を見つけた論文でした。整形外科医でもある町田総長から早産児の脳性麻痺は激減しているが
これで正期産児の脳性麻痺の予防やリハビリなどへの応用への期待のコメントがありましたね。
自分は受賞のお祝いコメントを求められましたが
「こども医療センターで初期研修医からずっとコツコツ頑張ってきた柴崎先生。忙しくて研究できないといわれるこども医療センターだけど、忙しいほど患者さんをみているからこそそのデータをしっかりまとめていけば同じ場所にいても世界に通じていくというジュニアレジデントのモデルに思える柴崎先生を素晴らしく感じる。自分たちの患者さんを深く見ること、他の小児専門診療科と協働しながら新生児医療に新技術を応用していくことなど、こども医療センターらしい研究や診療の見本になってくれている気がして尊敬です」とコメントしてきました。
新生児科のアカデミックな存在の二人の頑張りに讃え、NICU診療を
しっかりしてくれている後輩世代の先生たちの臨床も讃えチームで
診療と研究の相乗効果を目指していけたらと思えました。
4年前のこども医療センター学術集談会で
で自分が講演した時の最後のスライドは以下です。
忙しいから研究できないではなく、忙しいからこそできる研究もあるはず。。。よりよい診療につながる研究も活発なNICUチームになっていきたい そんな夢を叶えてくれている下風先生や柴崎先生たちだと
思えていました。
放射線科・整形外科・病理科・遺伝科の先生方の
小児の臨床研究について語り合う機会になった時間でした。
研修終了が翌日に控える高梨先生、3人マイナスの中でこの10ヶ月
乗り越えられたらのは高梨先生が国内留学してくれたからこそと
感謝を伝えたかったし、讃えたい気持ちでした。
ポテト好きの高梨先生に北海道土産を
渡した夜でした。翌朝朝一番で韓国に出発でした。
韓国のこともまた、改めて書き残させていただきます。
引き続き、ご寄附のご支援なども大歓迎です。
これまでご寄付くださったみなさまも含めて、是非、新しい
NICUの完成を共に8月に喜んでいただけたらと願っています。
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