亀の一生、人の一生。。。

金曜日から日曜日は松本で開催の
第30回日本心エコー図会で3次元エコーなどの
機能評価の勉強をしにいく予定だったのですが、
お誕生を見守りたい赤ちゃんが生まれそうなので
金曜日の出発を延期していました。

金曜日の深夜、病院から自宅に電話がかかりました。

こども医療センターのNICUで20年間働いてきて、夜に
自宅の電話が鳴ることはそれだけで胸騒ぎがします。

NICUや外来で見守らせていただいてきたお子さんに
何かがあったことを予感するからです。

この晩、後輩世代の電話での言葉を聞いて、
こども医療センターに急ぎ向かいました。

こども医療センターに
向かう深夜の道、その雰囲気に、夜中に命を見守らせていただいた
お子さんやご家族のご縁が胸に去来します。

NICUで診療に参加して、
自分が思いつくその状況の中で
できうる限りの診療を夜勤NICUスタッフと一緒にしました。

ご家族が到着したら
夜にあったこと、自分たちが考えて施行したこと、
その効果で感じていることを率直にお話ししました。

この状況の中で<よりよいと思えること>をご家族に
考えてもらうお手伝いができればと思えてお話ししました。

ママさんやパパさん、ファミリールームでごきょうだいと
ともに過ごすことをご希望されて、

効果がはっきりせず
我慢につながっているかもしれない治療はやめて
ファミリルームで待つご家族の基に異動しました。

満床のNICUでぽっかり空いた場所で夜勤のスタッフで
ファミリールームで過ごしているであろう
ご家族の時間に心寄せていた夜でした。



朝までご家族で過ごしたいという言葉を聞き、
穏やかな家族水入らずの時間になればと願う気持ちでした。

自分もNICUエコーラボでデータ整理などしながら
朝まで眠らず過ごしていました。



朝に日勤できたスタッフや休日だけどNICUにきた
スタッフ、母性病棟のスタッフが代わる代わるお子さんと
ご家族に会いにいきましたね。


3ヶ月でたくさんの
スタッフがお子さんにもご家族にもそれぞれの職種の
中で応援していたのだと思えました。

ご家族と話すのは担当医や受け持ち看護師さんだけど、
NICUスタッフのみならずこども医療センターの多くの
部署で話し合いを繰り返していました。多くのスタッフで
応援していたいお子さんとご家族でした。

自分も朝方に再度、ご家族のお部屋を訪問しました。

生まれた最初から知る女の子、微笑みような卒業の
お顔がすごく可愛かったでした。

ママさんに「抱っこしてください。。。
棺に写真を入れていいですか。。。」
尋ねてもらって、

「嬉しいです」とお伝えしてお写真を
撮っていただきました。
この子の今生の1部になれることを
心温かく思えていました。



休日の正面玄関から家族みんなで
退院の時。ご家族と一緒にお家に帰ることを
を讃えたい、最後まで見送りたいという想いです。


NICUの中でたくさんの時間を過ごしていた
ママさんとパパさん、お兄ちゃんたち、毎日
会うのが当たり前になっていた日々の終わりなんだと
思えると皆が寂しく感じているのだと思います。

視点は過ごし違えど、お子さんに日々できる
ベストのことってなんだろうと考え続けていた
ご家族なんだとパパさんの言葉からも感じていました。

この1週間のことを振り返るママさん、後から考えると
感じるところがある部分を伝えてくれました。
自分も前の日にご家族と交わした言葉を思い出しながら
そう思えていたことをお伝えしました。

自分は
「こどもは生まれる家族を選んで、生まれる日を選んでいる」
思えることがあるし、
「後で考えると去る前にそれぞれにメッセージを伝えている、
先に天に還る日も選んでいる」
思えることがあります。

そのことを伝えた自分でしたし、
自分も長野に出張いかなくて、ご家族の
NICU卒業の日をシェアできてよかったと思えていました。

正面玄関からさる時に、
ママさん、「亀の池を一緒にみせてあげてから帰りたい」
と皆に伝えてくれました。


NICUスタッフで長く働いているメンバーでもあまり
気づいていないメンバーもいた亀の池、亀に感動している
スタッフもいましたね。亀の素敵さを伝えてくれた
お子さんに感謝でした。



深夜のNICU卒業をみんなで見届けたこの日こと、
亀の光景とともにお兄ちゃんたちとも、たくさんの
NICUスタッフと共にシェアして胸に刻んでこれから
を生きていけたらと思えました。



斎藤先生が自分に
「万年生きるという亀からみたら人間の一生なんて、
誰もが一瞬なのかな」というつぶやきに


「亀からみたら、人間は短命でかわいそうと思っていたとしても、
人は人でそのそれぞれの人生の時間を大切に生きて
いる。亀ほどは時間がないかもしれないけど、その時間の
中で<良かったと思える時間>を繰り返そうとしている。
だから、亀に
かわいそうと思わなくていいよ、この池で
こども医療センターで生きる患者さんやご家族やスタッフ
の命を見守り続けてねと言いたい」
と伝えたかった自分でした。


去っていく車をいつまでも見送っていた様子。

また、いつかお会いできたらと思いつつ、NICUから
ご家族のこれからを応援し続けていたいと思えます。

そして、先に天に還った女の子が地上に残してくれたご縁や
想いをシェアしつつ、NICUでみんなで頑張り続けられたら
と思います。



休日出勤した時にだけ見れるこども医療センターのある丘の上から
見えるヨコハマの光景をみながら帰宅しました。





今晩のNICU、NICUは続いています。
夜勤のスタッフに昨晩のこと、朝のことを語り伝えながら
見送れなかったスタッフの喪失感を癒せたらとも思えました。


そして、
この場所で今生を過ごしたお子さんの命やご家族の時間を
胸に刻みみんなでNICUを続けていけたらと思える夜でした。

本日も皆様、それぞれにお疲れさまでした。
ありがとうございました。


下記、引き続きみなさまよろしくお願いいたします。



追加されました。クレジットカードで
こども医療センターへの寄附が1000円から可能です。
確定申告時の税控除の対象になります。
税金の使い道を指定する思いで
「新生児科指定」「NICU指定」の寄附と
してくださればNICUリニューアルオープンや、
一緒に過ごす時間を大切に過ごす
ご家族たちの応援のためにも
活用させていただくつもりです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


下記にクリックしてくだされば幸いです。
  
 







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Posted byNICUサポートプロジェクト

Comments 4

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ゆずママ  
No title

私の子もNで3ヶ月間頑張って生きましたがお空へ帰ってしまいました。
今、双子兄の隣にいないことに寂しさを感じます。あの3ヶ月間は辛いことが多かったけど、でも素敵な出会い、今も繋がる出会いがありました。先生や看護師さんには感謝しかありません。小さな小さな我が子を大事に育ててくれてありがとうと今も思います。
この記事で涙してしまいました。なかなかスタッフ側からの気持ちはわからないので。ありがとうございます。

nona  
No title

直接お話ししたことはありませんでしたが、娘が一時期お向かいのベッドにおりました。
たまたま昨日看護師さん方々の話の端に女の子のお名前とファミリールームと言う単語が聞こえた瞬間があり、全く状況を知らなかったので「お休みだしお兄ちゃんたちと過ごしてるんだ、良かったね~」と思っていました。
最近はGCUに移動して遠くなり卒業も知らなかったので、今このブログを読んで動揺しています…。
お向かいだった頃は、私は不安で情緒不安定だった頃で、きっと内心は色々あるのでしょうが傍目にはさすが三児の母どっしり構えておられるお母様で、私もこうありたいと思っていました。
また、元気なお兄ちゃんたちのお姿や可愛く飾り付けられたベッドサイドを微笑ましく拝見していました。
先に天に還ってしまったのは悲しいですが、きっとご家族や先生や看護師さんたちのたくさんの愛を受けた今生だったのではないでしょうか。
亀池の前で休憩するのが私の最近のお気に入りなので、今日は女の子やご家族のことも思いながら、亀を眺めようと思います。
初めてのコメントなのに、長々失礼いたしました。

kinoco  
No title

はじめまして。いつも楽しみにこちらのブログを拝見させて頂いています。私の息子もNICUで10ヶ月間精いっぱい生きて、3ヶ月程前に天に還っていきました。本当に、子どもは生まれてくる家族、生まれる日、先に天に還る日も決めていたんだと思います。そして残された私たちに、たくさんの気づきや出会いをプレゼントしてくれました。どんなに前向きに考えてもどうしても悲しくなってしまうのだけど、子どもがくれた宝物が、いつでも心をあたためてくれます。そう感じることが出来ているのも、先生や看護師さんたちがいつも愛情いっぱい寄り添ってくれていたことが大きいです。私たちが過ごしていたのは別の病院ですが、きっとこんな風に想いを寄せてくれていたんだろうなぁと思い、涙が出ました。ありがとうございました。

NICUサポートプロジェクト  
No title

> ゆずママさん、nonaさん、 kinocoさん、心寄せてくださりありがとうございます。自分も心支えられる気持ちでした。感謝です。