「有意差はない」は「なんともいえない」:第122回日本小児科学会学術集会の報告(その3)

の報告を断続的に書き残しています。
留守を守ってくれたメンバーに学んできたこと、
感じたことなどをシェアできたらと思えてです。




に続いて、その3で最終回です。

星野先生が在宅医療のシンポジウムで講演して前日は
柴崎先生が
「新生児ニューロイメージングの最前線~ 欧米に追い付け・追い越せ!」
というシンポジウムでの講演でした。


自分は出発1日遅らしたのでシンポジウムには参加できなかったのですが
前日に予演会として柴崎先生が取り組んできた低酸素性虚血性脳症について
のMRI検査についての講演を聞かせてもらいました。

昨年、国際的に評価の高い医学雑誌に掲載された下記の論文が中心の講演でした。
Shibasaki J, Aida N, Morisaki N, Tomiyasu M, Nishi Y, Toyoshima K. 
Changes in Brain Metabolite Concentrations after Neonatal Hypoxic-ischemic Encephalopathy.Radiology. 2018 Sep;288(3):840-848. doi: 10.1148/radiol.2018172083. Epub 2018 Jun 12.

神奈川こどもで診療を積み重ねながらその出会いやご縁を
しっかり考え続けきた、放射線科や成育医療研究センターと連携しながら
よりよい診療を目指して、臨床研究を地道に
続けてきた柴崎先生の人生を感じる聞いていて讃えたくなった
講演の内容でした。

このシンポジウムに参加していた人達に柴崎先生の
講演が良かったと伝えてもらえて嬉しかった金沢でした。

星野先生も、柴崎先生も、たくさんの患者さんのことを
振り返り、まとめ、その中で気づけることがないかを考え続けて
いるからこその小児科学会でシンポジストの役目につながっている
と思えました。

自分は2日目、3日目の参加でしたが
2日目は発表や座長、会議で1日終わった感じでしたが、
3日目の昼過ぎの飛行機で羽田に戻る予定なので最終日は
日曜日だし金沢観光や
悲願のお寿司を食べたい。。。衝動に向き合いつつ、
せっかくきたから3日目もしっかり勉強してこようと思いました。



朝のモーニングレクチャーは
「幼児期の発達障害:診断と対応の考え方」
を聴講していました。ADHDの薬物療法などについての
実践的な部分、功罪などを改めて学んできました。

そして、その後は

「はじめての生物統計」という特別企画に参加してきました。


でしたがで導いてくれた小林先生や諌山先生、三上先生、
をはじめとした生物統計に長けた皆様の講義を聞いてきました。



3時間という企画セッションでしたが

超満員の会場でした。統計学の必要性を感じている
小児科医がたくさんいることを実感しました。居眠りしている人たちも
途中退席の人もほとんどいない熱気のある勉強会でした。




講義もそれぞれ素晴らしかったし、



質疑応答のやりとりも
様々な気づきがありました。

成育医療研究センターの生物統計室の皆様や諌山先生
たちと出会い、一緒にPLASE研究できたことのありがたさを
改めて感じました。自分の師に思える人たちからの
学びの場で、これだけでも金沢来た甲斐を感じる3時間でした。



昨年の夏に小林先生たちが企画してくれた





統計合宿の復習になるようなお話と、先の合宿のその先の
統計ソフトの選び方や活用法、データベースの作り方などを
学んできました。

ノートにメモっていたことを列記します。
・・・・・・・・・・・・・・・
・数を増やせば減らせるランダムエラーと数を増やしても減らせないエラーである交絡(真実からの偏り)を理解することが大切。

・研究の計画・施行・解析で交絡は生じる。研究施行後の解析では対処できない。
・交絡の調整をするのは研究計画が大切で、そのためのランダム化・制限・マッチング、層別化・多変量解析などの理解が必要。
 
・原因と結果の因果関係を考える上で、
第3の因子と言える中間因子や効果修飾因子を理解して検討仕方を考える。
 ・交絡は調整する、中間因子は補正しない 効果修飾因子は層別化して解析したりする

・「有意差ない」の理解は「なんともえない」と考える。
・統計学的にも医学的にも「意味がある差」を示すことを目指す。
 
 ・サンプルサイズ設定は研究の実現性とは違う。
・第1種過誤確率と第2種過誤確率から「意味のある差」を明らかにする
ための検討数を試算する。
 
・多変量解析について調整できる因子は連続型データなら15-20くらいに1因子、
ありなしの変数なら10-15に1因子くらい。

 ・データベースの作り方は大切。セルの統合や数字列、なるべく全角使わないスペースも使わない、ダミー変数など用いたりして誤解析を防ぐ。

・欠損値はNA,-999とか極端な数字にする。未入力か欠損値からを明確にするのが大切。
 ・直前値、最悪値、最高値などデータの定義をあいまいにしない

・統計ソフトの説明。車選びと似ている。目的・価格・機能で選ぶ。

 
・オッズ比、ロジスティック回帰分析
 
・ケースコントロールではリスク比はでない、
 
・「関心のあるイベント(疾患)において、
    〇〇◯なしに対する、〇〇◯あり(曝露)のオッズ比は✖✖✖である」
という部分を算出できるようになる。
 

・統計ソフトEZRは「順序の小さいを群」を自動的に対象として
イベントの発生率を計算するので、プラセボ(対象薬)などを一番最初の
順序の列におくのが大切。

・ICR臨床研究入門のeラーニングサイトの紹介。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以上です。

「知っていること」と「していること」は違う。統計学を臨床医として
日々の診療やその質向上のための研究に自分ももっと使いこなせるように
なりたいと思える勉強会でした。


 勉強会の後は

「コウノドリ」のご縁の「風疹のなくそう会」
こども医療センター新生児科の摂食支援のリーフレットを
配置してくださっている「つばめの会」の
患者家族会のブースに立ち寄らせていただきました。

地道に継続して活動し続けている皆様との再会に
心励まれる気がしました。



時間ギリギリで空港行きのバスに乗りました。

空港までのバスの海の景色はいつも好きな自分です。
小松空港から1時間で羽田。羽田から35分で弘明寺に
戻りましたが


金沢でお寿司を食べられなかったのは後悔が残り、
で金沢をかんじる寿司を食べて帰りました。


<いなせ>も十分に美味しいと思える週末でした。


小児科学会の週末を終えて月曜日から新メンバーが約半数の
NICUに復帰でした。

本日も皆様、それぞれにお疲れさまでした。
ありがとうございました。


下記、引き続きみなさまよろしくお願いいたします。



追加されました。クレジットカードで
こども医療センターへの寄附が1000円から可能です。
確定申告時の税控除の対象になります。
税金の使い道を指定する思いで
「新生児科指定」「NICU指定」の寄附と
してくださればNICUリニューアルオープンや、
一緒に過ごす時間を大切に過ごす
ご家族たちの応援のためにも
活用させていただくつもりです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


下記にクリックしてくだされば幸いです。
  
 




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Posted byNICUサポートプロジェクト

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