第83回日本循環器学会学術総会の参加報告 (学ぼうとするから問うことが生まれる)




金土日とこども医療センターから30分の
パシフィコ横浜にいました。




留守番してくれたメンバーに感謝の報告と
自分にとっての備忘録です。

第83回日本循環器学会総会に参加していたのですが、新生児医療の学会だと会議場ビルだけで全てのプログラムが開催できるのですが日本循環器学会という私たちも含めて全ての人間が患者になりうる大人の内科の循環器学の学会だと会議場、大ホール、アネックス会議場、展示場とパシフィコ横浜のエリア全体が学会場と化します。



花見や観光でみなとみらいに集まる皆様と
相まって賑わいのパシフィコ横浜でした。
 
 
 
普段より早起きして7時代のモーニンングレクチャーから参加し、
夜までパシフィコで時間を過ごしました。

多彩なプログラムなのですが、今回は心不全・肺高血圧・心エコーにまつわるシンポジウム、教育講演、トピックス、ミートザエスパートを中心に勉強してきました。


心エコーMRI による右心機能評
「ガイドラインに基づく心エコーの進め方・考え方」
マルチモダリティ診療におけるエコーと MRI の役割
左室張能を再考する
日本超音波検査学会-日本循環器学会 ジョイントシンポジウムこれからの心機能評価日常心エコー検査で何を計測しどう評価するか
などです。
 


 本やインターネットでは学べないことを
たくさん学んできたがします。

わかっているつもりだと学ぶことはできない、
人の話を聞く中で気づけることってあると思えています。
そして、わかっていたつもりのことがよくわかっていなかった
ことに気づき、それが深くわかった時に喜びや楽しさが
あると思えています。そういう喜びがたくさんあった
時間でした。

新生児医療に応用できることがたくさんある気がして、
NICUの現場での<循環>を考えていけたらと
思えました。
 


 でHFpEF(ヘプペフ)ついて少し触れましたが、


このHFpEF(ヘプペフ):EFが保たれている心不全」についての考えが進んでいる日本循環器学会です。それにあわせてその評価法方法も技術革新と洗練されているのを感じました。心臓の収縮能より評価が難しいとされる拡張能もわからない部分が多いけれど評価方法とその有用性と限界などがぐっと学問が進んでいる気がします
 
 私たちは増谷先生を発案から多くの仲間と一緒に日本の新生児医療で心エコー検査に関するPLASE研究という大規模臨床研究を終えました。心臓エコー検査は検査者間差異が大きい現状も明らかにした上で、精度管理した上でNICUに置ける心エコー検査の科学的根拠を創出しました。

 新生児エコーだから検査者間差異が大きいというわけでもなく、体格の大きな大人の循環器学、超音波の世界でも同じように検査法の標準化、再現性の評価、検査者の精度管理などが目指されているのを感じました。
 エコーデータは当てにならないというのではなく、検査者間差異がある上でどう活用していこうという取り組みがより進んでいることを感じました。

 ガイドラインの整備や教育でエコー検査の精度が上がること、より簡便で有用な指標が生まれてきたり、誤差があるからこそ複数の検査を組み合わせて総合的に判定することの感度・特異度の向上が証明されたり、CTMRIなど組み合わせての検査が提案されたり、エコー機器の向上での自動計測の登場や3次元エコーへの期待がより高まっていたり、人工知能(AI)などでの再現性の向上など大変興味ふかい話がたくさんありました。
 
具体的に指標としては左室のGLSなどの心筋障害の早期診断につながるストレイン法や成人の拡張能障害を評価する組織ドプラ、三尖弁逆量、左房容積の活用の仕方、肺静脈血流波形の考え方、左室拡張能の弛緩とスティフネスの考え方、呼吸障害時に左室充満圧の上昇をどう気づくか?3次元エコーでの右室機能評価の実際、Mモード法を使わずの断層法からの左室機能評価などの部分の考え方を自分なりにアップデートしてきた気がします。
 
 左室の拡張能や右室機能に関する考え方や評価方法もたくさん学び、成人循環器学の標準的な部分と注目されていることを確認してきて、神奈川こどもの日々の診療の中で後輩世代の先生方と取り組みたいこともたくさん浮かんできました。
 
 日本の循環器学のレベルは高く、層の厚さを感じる大人の学会に参加して、10年後や20年後に新生児医療でもきっと当たり前になるであろう考え方や技術に触れてきた気がしますし、こういうことを新生児医療で活用の方法を考えていきたいという気持ちです。

 
 心臓が弱くなる老人医学と心臓がか弱い新生児医療は非常に近いのだと思えているですが、層の厚い老人医療に心寄せることは救命医療であっても患者家族支援にあってもきっとヒントがあると思います。逆に私たちの新生児医療で取り組んでいることは大人の循環器学の改善のヒントもあるかもしれないとおもえていました。

心不全やエコー以外にも参加してきたセッションも
ありました。

という本が出版されたこの春です。


それにまつわる講演も聞いてきました。自分たちの周産期医療と
いう現場だけど、勉強になった、よくわかっていなかったと
思える内容もありました。

妊娠という
循環血液量や血管抵抗が変わる循環動態の中で
肺高血圧や心不全を発症することがあり、妊産婦
死亡の大きな割合を占めつつある、気づかれていない
こともあるという部分で妊婦さんの心不全の発症への
医療の進化が必要な部分を産婦人科医や内科、循環器医で
話しあうことを聞いてきました。妊婦さんへの薬剤の
胎児の動脈管への影響などを基礎研究してきた自分には
様々な循環管理が妊婦さんに及んだ時に胎児・新生児に
どういう影響があるかを基礎研究や臨床研究で確かめていきたいと
思える講演でした。

 様々なセッションでの臨床研究のデータを見ると患者さんの平均的な年齢が70歳を超えているのを実感しました。長寿を感じますし、医療はどんどん進化し、国民皆保険の日本では世界に類をみない長寿の患者さんにも高度な治療を施行していこうとするあくなき命の時間を延ばす医学が進歩しているとともに、印象的だったのは心不全緩和ケアのセッションにも立ち見を超えて場外ビデオでみて参加している人たちがいることでした。私たちも新生児医療の分野で報告したことがあるAdvanced Care Plan(ACP)や心不全緩和的ケアの大切さが語られているのも聞いて、高度な医療が進化するからこそ、それをどこまで行使するかに大人の循環器学でも悩みや願いはあり、現代の日本の医療の現実も感じてきました。




 立ち見が出る大混雑の会場で「左室拡張能のシンポジウム」に参加、一番前の列は不思議に最後まで残るでその席に座って横を眺めると増谷先生も座っていて最前列で左室拡張能の講演を二人で並んで聞いてきました。
 質疑応答でさっと立って、会場の人たちも聞きたいであろう質問をする増谷先生の向学心を素敵に思えていました。


学んでいくと問うことがある、学ぼうとしないなれば問うことも
なくなる、学問に研修医の頃から同じような姿勢で向き合っている
増谷先生の出会いは自分にとって幸せなことと思えていました。
 

 
 野毛に増谷先生と二人でいき、3時間近く野毛の酒とつまみで語り合いました。その日に聞いた講義の感想やそれを踏まえて新生児医療や小児循環器医療への応用に夢を語ったりして楽しい時間でした。

同学年で同じ場所で働いてことは一度もないけど、ずっと一緒に頑張ってきた気がする増谷先生です。お互い、歳を重ねてきて気づいたことや医師人生の
終盤に差し掛かる自分たちの恩師に思える先生方の生き様に学んだり、後輩が増えてきている中でどんな風に後輩世代の先生たちの応援をできるかなどを語り合った気がします。昔話に花咲かすわけでもなく、これからどうしていこうという話をできる仲間がいることを幸せに思えました。


ご意見ご感想などお寄せくだされば心強く感じます。

本日も皆様、それぞれにお疲れさまでした。
週末もそれぞれによりよい週末であることを願っています。

下記、引き続きみなさまよろしくお願いいたします。



追加されました。クレジットカードで
こども医療センターへの寄附が1000円から可能です。
確定申告時の税控除の対象になります。
税金の使い道を指定する思いで
「新生児科指定」「NICU指定」の寄附と
してくださればNICUリニューアルオープンや、
一緒に過ごす時間を大切に過ごす
ご家族たちの応援のためにも
活用させていただくつもりです。


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下記にクリックしてくだされば幸いです。
  
 





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Posted byNICUサポートプロジェクト

Comments 2

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増谷  
No title

豊島先生、増谷です。とても勉強になる、すごい学会でしたね。豊島先生ともお時間をさまざまに共有でき、未来を見据えたたくさんお話ができ、元気をいただき、新年度への覚悟も固くなりました。次の項に出てくる豊島先生のお言葉、”同じ場所にいても、新しい1年と思ってスタートしよう。”心に響きます。私も同じ気持ちでおります。さまざまに盛り上げていきましょう! 増谷

NICUサポートプロジェクト  
No title

> 増谷先生、未来を感じる学会でした。同じ時代を生きて来た増谷先生とこれまでとこれからを一緒に考えられて嬉しい時間でした。同じ場所にいて刺激や成長がない、マンネリを感じるのは周囲のせいでなく、自分が変わろうという意識がなくなっているからだと思えて、この1年、自分も変わっていけたらと思います。今年もよろしくお願い致します。