日々の診療に研究テーマがあり、研究が診療をよりよくする:第5回新生児医療MMカンファレンス(初日)の報告



2018年12月に開催した第5回新生児医療MMカンファレンス
のことを書き残したいと思います。


神奈川こどもNICU研修同期の下風先生と青森の池田先生を
中心に企画・運営しているこのカンファレンスです。

学会などで話し合えないような内容、日々の診療での疑問や
経験を交換することを目指している合同の勉強会です。

遠隔講演会などとは違って同じ空間で話し合うからこその
気づきもあると思えて年1回の開催です。

初日は横浜駅近くの会場で開催していますが、

北海道から九州までそれぞれの休日を活用して
NICU仲間が集合してくれていました。
ほぼ満席の勉強会となりました。

初日はシンポジウム形式の施設間差異を情報交換する時間がありましたが
今年は「早産児の鎮静」についてでした。

下風先生と北海道に戻られている兼次先生の司会進行の基で

早産児の脳室内出血などに関する鎮静についての
論文レビューなどを下風先生がして、稲垣先生に神奈川こどもの
この2年間の鎮静の仕方や治療成績などを報告。

個人的には後期研修医時代から知る稲垣先生
が神奈川こどもNICUを代表して診療を語る、診療の中心に
なってくれてい姿を改めて感謝・感動でした。


そして、大阪母子・三重中央・藤田保健・九州病院などの
当院に縁がある先生方がいる施設で当院と異なる鎮静などを
施行しているNICUの診療や治療成績などの情報交換となりました。

お互いの目の前にくる赤ちゃんたちの合併症を
防ぎながら救命するために知恵を出し合いたい。。。

なんのために鎮静するのか、その功罪はあるか?
どんなことを気をつけながら診療しているか?



どこが正しいとか優っているではなく、
お互いの目の前に
お互いの経験や考えを交換しながらお互いの診療の改良の
ヒントを感じあえる機会になればと思えていました。

防衛医大の先輩・後輩の野崎先生と野口先生。

三重の先輩・後輩の内薗先生と武岡先生。

休憩時間も近況の交換を嬉しく思えました。

初日の特別講演は
「早産児の管理方法の変更とその結果」
というテーマで下風先生が鎮静、脳室内出血、晩期循環不全など
について講演してくれていました。

目の前の患者さんをしっかり見ながら、日々の診療の中で
研究的視点で診療方法の変更でどんな風に効果があって、
それが予後にどう関わるかなどを分析しながら診療している
下風先生らしいアカデミックマインドを持ちつつの実践的な
講演に思えました。

初日の最後は神奈川こどもの発表論文の振り返り、
毎年2-3本の英語研究論文が続いている私たちのNICUですが、
2018年も3本の英語研究論文について背景、内容、結論、
投稿での苦労、どんな想いや願いで研究していたかを
柴崎・下風・友滝先生が報告してくれていました。



Tomotaki S, Takeyama E, Tanaka M, Ohyama M, Tanaka Y.
Pediatr Int. 2018 Aug;60(8):764-766. doi: 10.1111/ped.13611. Epub 2018 Jul 30. No abstract available. 
PMID:
 
30058248


Tomotaki S, Naramura T, Hanakawa J, Toyoshima K, Muroya K, Adachi M.
Clin Pediatr Endocrinol. 2018;27(1):39-43. doi: 10.1297/cpe.27.39. Epub 2018 Jan 30.

京都大学に戻られた友滝先生は上記の2本の英語論文を書いてくれていますが、この日
はムコール感染症についての症例報告への想いを語ってくれていました。なんとかできなかったか
という想いを込めてまとめたという論文への想いは症例報告などの大切さを伝えてくれていた
気がします。



Shimokaze T, Toyoshima K, Shibasaki J, Itani Y.
J Perinatol. 2018 Jun;38(6):702-707. doi: 10.1038/s41372-018-0087-x. Epub 2018 Mar 7.

下風先生は神奈川こどもNICUチームの中でも英語論文を一番書いている気がします。
日々の診療を論文化する能力を素晴らしく感じます。この日はドプラムを使うときに
認められることがある低カリウム血症を証明しつつ、その病態生理について報告した
論文についての発想・取り組み・結果・今後の診療へのメッセージについて報告して
くれていました。


Shibasaki J, Aida N, Morisaki N, Tomiyasu M, Nishi Y, Toyoshima K.
Radiology. 2018 Sep;288(3):840-848. doi: 10.1148/radiol.2018172083. Epub 2018 Jun 12.

柴崎先生は低酸素性虚血性脳症におけるMRI検査、MRSについての評価について、Radiologyと
いう小児を超えて医学全体のトピックスを取り上げる一流雑誌に掲載された論文についての報告
でした。神奈川こどもNICUでたくさんの患者さんを診療しながら、目の前にこだわって世界の
最先端のことを取り組んで成果を出している柴崎先生の素晴らしさを感じました。


日々の診療が研究になる、研究が日々の診療をよりよくできるということを伝えてくれる
三人の講演に思えました。後輩世代に後に続きたいという意欲になればと思えていました。


懇親会は例年同様のお店で開催。下風会という
グループ名がぴったりにも感じていました。


カンファレンスでの話し合いの続き、その先、


施設を超えての忘年会のような感じになりました。


これから新生児医療を頑張ろうという先生方との
交流をうれしく感じつつ、


2次会まで6時間続く宴でした。
野崎先生・今西先生・村瀬先生とも
ゆっくりお話しできて楽しい時間でした。

2日目の報告は以下です。


どなたでも
ご意見ご感想など一緒に書き残してくだされば幸いです。


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追加されました。クレジットカードで
こども医療センターへの寄附が可能になりました。
確定申告時の税控除の対象になります。
税金の使い道を指定する思いで
「新生児科指定」「NICU指定」の寄附と
してくださればNICUリニューアルオープンや、
一緒に過ごす時間を大切に過ごす
ご家族たちの応援のためにも
活用させていただくつもりです。

多くの方にご支援いただければ幸いです。



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Posted byNICUサポートプロジェクト

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