未熟児PDAと心エコーについての情報交換:韓日NICUケアフォーラム2018参加報告(その3)



の続き、その3です。



自分の講演の後は、増谷先生が

 を含めた未熟児動脈管開存症についての講演でした。
遠隔講演をしてもらおうと思えるわかりやすくて力強い
講演でした。

未熟児動脈管開存症は様々な合併症や死亡につながり
うる早産児の疾患であり、期を逸せずに薬物治療や手術を
していくためのサインとなる心エコー指標を見つけたいという
のがPLASE研究の趣旨だと思います。


日本でこのプロジェクトに参加してくださった全国34施設の
NICUのデータだと30週未満の早産児で1割弱が手術などを要して
いてそのサインになる心エコー指標を確かめた自分たちでした。

一方、世界的に話題になっている韓国
のサムソンこども病院が未熟児動脈管開存症は
治療をしなていいのではないか?と
いうことを提案する論文があってその先生たちが
増谷先生の後、講演でした。

そういう論文の背景を直接聞けてよかったと思えました。

サムソンこども病院は1500g未満の赤ちゃんに
以前は7割前後手術していたという
日本の10倍くらい手術している状況、
それも日本より早い時期に手術になって
いたそうです。その手術をしていた外科医が不在になったことを契機に
治療をなるべくしないという方針にせざるを得なかったところ、動脈管の
手術になる人が激減して治療しなくてもいいのでは?という考えになり
そうを検証中ということでした。


増谷先生とサムソンこども病院のご講演の後の
総合討論になりました。サムソンとPLASEは真逆な取り組みの
ようにも一見見えて情報交換、リベートのような場になりました。

自分もコメントとしたのですが、
「日本は積極的に治療していると言っても手術は1500g未満の5%
くらいに過ぎない、その患者さんたちの手術適応をエコーで見極めよう
としているのがPLASE研究。サムソンの以前のデータを見ると1500g
未満でそんなに手術が必要だったことを考えると手術を減らした方が
いいとはその通りだと思うし、いらないかもしれない治療を減らしたい
という意見は全く同意で、違うようで同じようなことを言っている気がする。
是非、韓国と日本で一緒にちょうどいいところを探していけたら」と
話して来ました。

サムソン小児病院の先生も
「皆が治療が不必要とは思っていなくて、韓国では新生児科医が
エコーしないから、多くに治療したり、多くを治療をやめたりという
診療になっていて、日本のようにエコーを使いながら診療できたらと
思う部分がある」というお返事をいただきました。

増谷先生と自分は違う文化の中だからこそ
お互いの取り組みの中から双方の改善、どの文化にも
通じる治療法を見つけられるかなと思えていました。

大変、興味深いセッションでした。


また、

で米国から日本で講演してくれたNoori先生が持参してくれた
新生児心エコーシュミレーター

日本でもデモンストレーションしてくれました。300万円前後
購入にはかかると聞き、購入をためらっていた日本の私たちでしたが
韓国の孫先生は2台購入したとのことでした。


その2台を使っての実技セミナーがありました。
シュミレーターなどの教育機器の購入には積極的な
韓国の文化を感じました。

エコーは新生児科医が関与していない検査なので
患者さんで検査をするハードルが高く、まずはシュミレーター
で上手くなってから実際に検査をするという米国や
韓国のスタンスを感じました。


韓国の先生に混じって嶋岡先生と鈴木先生と3人で
実技セミナーに参加させてもらいました。


シュミレーター教育に詳しい嶋岡先生と一緒に体験できて
その感想や日本で購入すべきどうかを語り合う時間も
貴重でした。


自分も挑戦させてもらいました。


日本には現在ない精巧なシュミレーターであります。
左の心臓の画面で今どのような断面を切っているかを
判断できる良さはありました。

自分は3次元のコンピュターソフトを活用して2次元エコーを
練習するのと、3次元のコンピューターソフトをエコー検査に
活用して3次元エコーを推進するのと考え方はそれぞれだなと
思いながら体験して来ました。

日本で同様のセミナーをやるとしたら
600万円かかるわけで、日常的にエコーをしている
日本でその額に見合った効果があるのか?どうかなどを
嶋岡先生と語り合ったこの日でした。


韓国の取り組みを間近に見ながら
自分たちはこの先どうしていくべきだろうと考える
貴重な機会で感謝でした。




で別れ際に「You are my hero」と言ってくれたソン先生です。


この実技セミナーのチューターをしていた韓国のソン先生と再会でした。
韓国で神奈川こどものことをリスペクトして取り組んでいるという
ソン先生、是非、記念撮影と言ってくれるソン先生
に会えることは自分にとっては嬉しい時間でした。

新生児循環管理は日本だけでなく、韓国でも
着実に芽吹いているような気がしました。

韓国報告続けます。



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Posted byNICUサポートプロジェクト

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