経験にこだわって、演繹的に診療を改良していきたい:韓日NICUケアフォーラム2018参加報告(その1)
韓国でNICUで働く医師・看護師130名が集まる盛大な
韓日交流の勉強会だったと思います。
くださっている気がする国は違えど自分の尊敬する孫東佑先生
です。
孫教授はコンセプトは英語が母国語でない韓国と日本でお互いに
英語を介して話し合うことは理解しきれないことがあるから、
お互いに母国語を直接通訳し合う会を目指しています。
テキストを孫先生と当院にも短期留学してくれたヨム先生が作成して
くださってのこの会、二人の韓日を英語を経ずに直接やりとりしようとする
熱意と準備に感動していました。
テキストの最初のページ
孫先生の言葉の日本語訳は以下です。
お読みいただければ幸いです。
12,3年前に当院に訪問してくださり初めて会った時、
孫先生は自分に循環管理を教えて欲しいと伝えてくださいました。
「韓国はアメリカ方式の医学教育、新生児医療をして来たけど、体制が
異なる、文化が違うアメリカの医療を韓国
に導入しても上手くいかないことが
ある韓国は日本の新生児医療を学ぶのが大切な気がする」
とお伝えくださった
のを覚えています。
その日以来、お会いするたびに日本語が上手になる孫先生、
メールも英語でなく
日本語でくださるようになりました。
韓国の赤ちゃん達により良い医療をする
ヒントを得ようとして
日本語を覚えていかれている孫先生の熱意にいつも
尊敬を感じていました。
繰り返し、韓国での講演を誘ってくれた孫先生、
自分はNICUをあまり離れたくない。。。ということを
伝えてきたのですが、そういう風にNICUの中で取り組み
続けてきた<経験>を韓国で伝えて欲しい。
神奈川こどもNICUは<演繹的思考>のNICUだと
思っていてその<考え方>を韓国で話して欲しいと
背中を押してくれてきました。自分たちのNICUは
演繹的?ということを孫先生に気づかせてもらった
気がしました。
恩人に思える孫先生で孫先生が企画した
勉強会で話をさせてもらうことを大切に思えて
韓国に行ってきました。
日本語とハングル語が別々のスクリーンに投影されて2つの言語で
同時通訳が出ながらの講演でした。
2日間、脳合併症を減らしたいという思いでの韓日の取り組みの報告が続きました。心エコー、脳エコー、不整脈、未熟児動脈管開存症の治療、双胎管理、組織循環モニターiNVOS、新生児蘇生、低体温療法、脳波活用、医療機器、点滴作成・管理、医学教育、ロタウィルス予防など孫教授が誘ってくれた韓国と日本のNICUに関わる医療者の講演と質疑応答が続く会でした。自分は、韓国と日本はパラレルワールドのような世界であり、同じ想いで少し違う文化や環境の中でNICU医療をしているお互いに知ることは自分たちの強みと課題をお互いに認識する機会になるし、アジアで連携してより良い医療を目指せる気がすると講演の中でも挨拶して来ました。是非、違う国の話と思わず、自分たちの合わせ鏡の世界の話と思って留守を守ってくれていた神奈川のスタッフにも見聞をシェアしたいと思えて書き残したいと思えています。読めるかた、いらっしゃいますでしょうか?自分の視点で何回に分けて報告を書き残したいと思います。ぜひ、感想などメッセージ欄にお寄せくだされば幸いです。
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