ダウン症と新型出生前診断に向き合った「コウノドリ」第10話への感想

コウノドリ第10話、スターウォーズに
互角に渡り合っていたようですね。

視聴率の地域差違がありますね。
関東 11.1% 関西 14.2% 名古屋 15.4% 北海道 14.9%
なぜなんでしょう。。。

視聴率以上に、こども医療センターで多くの
御家族や医療者に感想を頂いたこの数日です。

12月22日まで以下で視聴可能です。

多くの皆様に是非、御覧頂き、この機会をシェア出来たらと思います。



第10話は原則漫画の雰囲気そのままに、
ドラマのオリジナルエピソードでした。

45分間という限られた時間内で
「出生前診断の告知から始まる心の葛藤と向き合う家族
と一緒に悩む医療者の物語」を伝えようとしてくれた
と思えています。

自分達も企画の段階から
一緒に考えさせてもらった回でした。


感想や撮影協力していたことを
シェアするつもりで書き留めたいと思います。

【新型出生前診断を避けずに】
 新型出生前診断については、

前シリーズの最終回でも少し触れましたが、
2年経った今、改めての回でした。

今回は、新型出生前診断、ダウン症についての
回とも言えました。

このブログでも以下の記事を書いた今年です。

世界的に普及が進む新型出生前診断、
周産期医療や社会的にも様々な意見があるこの検査に
ついて、避けるずに向き合おうとしたチームコウノドリの皆様と
自分も行動を共にしてきました。

視聴者としてドラマをテレビを通じてみて、取り組んでくれた方、
全てに感謝・感動の物語でした。鈴木・峠田プロデューサーや土井監督、
のビジョンと実現力に感謝・感動でした。


 コウノドリは<新型出生前診断>の是非を問うのではなく、
それをするかどうかに向き合う人間達の気持ちを3つの御家族
通じて描きつつ、その人達に関わる医療者のそれぞれの気持ち
描いて下さった秀逸の物語に感じます。

今回の脚本の坪田さんは前回の
の時に偶然横に座り、お話ししたのをよく覚えています。


のコウノドリ市民公開講座で再会して、
4月からは半年間、不定期に自分達に密着
取材してくださっていました。

もし、自分だったら。。。という視点で様々な胎児診断
を受けた御家族達のカンファレンスなどで
心寄せて下さっていました。


この視点があってこその今回の素晴らしかった物語
の脚本だったのかなと思えていました。

【出生前診断、新生児科医の想い】
 出生前診断の説明の家族面談について脚本をみながら、
今橋先生とも想いの交換をしました。

今橋先生は出生前診断の今橋先生の言葉に
「いつもより冷たく、そして、結構きつく
いろいろ話しているように感じた」という感想を
伝えてくださり、
自分は「押し付けがましかったり、説得するように
感じられないように、情報を淡々と伝える、生活のことや
成長した姿、支援などをウザく感じられないように
でも、しっかり伝えたい」という気持ちで話している
とお伝えしました。喜びだけでなく悩みもあることは
嘘をつかず伝えつつ、支援だってあること、
子供自身はどう思っているかなども踏まえて
胎児の代理人になったつもりで話せたらという
気持ちをお話ししました。

「なるほど」とうなづいてくれる今橋
先生の表情が忘れられません。テレビの中での
サクラ先生が小松さんに「自分は冷静でしたか?」
という気持ちに共感していた自分でした。

「こどもの命を救いたい」という想い
で小児科医になった自分達が中絶な可能な時期の胎児の
病状説明に入るときの心の葛藤、

様々なNICU卒業生の御家族のその先を見守らせて
頂いているからこその綺麗事だけでない部分もある
ことを知るからこその葛藤

「疾患のある赤ちゃんを育てる自信が最初からあるご家族なんていないと思う」
というのは胎児診断でもNICUでも感じてきたことです。

口に出せる言葉と口に出せない言葉、
口に出したくない言葉があったり、
御家族が後悔しない決断をしてもらうためにも
気持ちが変わることも心のどこかで願いつつ嘘はつかずに、
生活や想いを含めて情報を率直に
話せたらという気持ちなど、今橋先生と二人で話し合う時間が
自分の心の救いにもなってくださったとも思えました。

テレビでそのシーンを拝見して、
演技者のすばらしさ、尊敬を感じた
共感してしまった今橋先生の言葉でした。


撮影現場にいましたが
今橋先生と白川先生が語り合うシーンに、
胎児診断のカンファレンスの後、
坪田さんと鈴木さんと
語り合ったシーンが重なっていました。

白川先生の前で「命を救うってなんだろうね」
と少し弱音入りでつぶやく今橋先生に自分を重ねつつ、
今橋先生を励ますかのように
答える白川先生の台詞に感動していました。
「NICUの退院は御家族のゴールでない。
その先を赤ちゃんと御家族と
一緒に考えられる新生児科医になりたい」

という白川先生の言葉に感動。

横にいた鈴木プロデューサーに
「白川先生が、豊島先生の想いを全ていってくれていますね」
という言葉に涙が出そうになりました。
今橋先生が白川先生に心支えられるような表情だったように
自分も白川先生と坪田先生が重なりつつ心励まされた気持ちでした。

【サクラ先生の伝説のシーンに思える渾身の言葉】
胎児診断のカンファレンスのシーンは自分達の毎週の胎児診断の
雰囲気を感じました。

そして、サクラ先生の言葉
「どんな選択をしても後悔が全くない人なんていない」
「すべての命はそれぞれの事情の中で生まれてくる」
「・・・を信じて
自分は、自分たちはこの場所にいる」
という渾身の言葉は自分達でも
モヤモヤしている気持ちに関して、半年間このことを考え続けた
坪田さん、そしてサクラ先生ならどう伝えると向き合った綾野剛さんの
渾身の言葉に思えて、自分自身、言語化してもらった、、、自分達の
悩みの先を進むべき道を伝えてくれたサクラ先生の言葉に思えました。
<伝説に残るドラマのシーン>な気がしました。
サクラ先生を産んで下さった鈴ノ木先生にも、
サクラ先生にしか思えない綾野さんにも感謝を感じていました。

サクラ先生の言葉を受けた<大切なこと><命のこと>
と続いた四宮先生、今橋先生の言葉にペルソナのカンファレンスの
素敵さを感じました。

【ダウン症の診断を受けた御家族の思い】

胎児診断を受ける2家族の
俳優さん達も素晴らしかったですね。

「大丈夫。あんたがへばっても母さんが一緒に育てる」

妻、母、祖母、夫、父、
それぞれの視点をそれぞれが伝えてくれていた
と思いました。コウノドリの良さは患者さんご家族の
それぞれの視点をしっかり描いている、役者さん達も
素晴らしい方々が演じているからこそ、医療者だけの
物語でないのだと改めて思えていました。

そして、
ダウン症を伝えようとしてくれている
今回のシリーズだったとも思います。

これまで、ここまでダウン症のお子さん達と御家族について
向き合ったテレビクルー、テレビ番組はなかったんじゃない
かなとも思えました。

当院は超低出生体重児、
先天性心疾患の次に多い診断名がダウン症であり、
年間30-40名のダウン症の告知をしている自分達です。

第3話や第4話には
自分達が担当してきたダウン症のお子さんと御家族も
登場していた今シリーズでした。


共生を期待したいダウン症の話にダウン症
の子だけを集めるのも違和感がある自分であり、
実際の小児医療はダウン症の
お子さんを含めて様々な事情のお子さん達が
集っていることを伝えてくれた
第3話や4話に思えます。



今回、今橋先生のフォローアップ外来での
ダウン症の診察風景を今橋先生
や看護師さん達と相談しながら描いていただきましたが、
そこに登場していた
ダウン症のお子さんはネットで流れているような
情報ではなく、コウノドリとダウン
症協会がコラボして脚本にあっているという
お子さんを探すオーディションで
選ばれたお子さんでした。

146名もの応募があったそうで、どの子も可愛かったと
いうチームコウノドリのスタッフからのお話を
嬉しくお聞きしましたし、こども医療の
外来でオーディションに参加してきたという
御家族からその様子を楽しくお聞き
させていただきました。

<自然な様子>に自分より演技力が絶対にある、、、
と尊敬を感じていた撮影現場でした。
そのお母様と撮影現場でお話ししたところ、
自分が自分が研修医時代の指導医の先生が
担当だったお子さんとお聞きして、
偶然と奇蹟を感じながら自分の指導医が自分と離れた
後に守ろうとした命の今に会えてそれも感動していました。


今回のダウン症の出生前相談の部屋や
話し合い方の雰囲気は当院の産科や<新しい命のサポートセンター>
の遺伝カウンセラーさんに助言をいただきましたし、
ダウン症のお子さんの外来フォローには
自分達とともにみてくださっている
遺伝科の先生に助言を頂きました。 


で紹介した当院の患者家族の皆様がお造りになった
<ダウン症のあるくらし>がペルソナにもありました。

春先にチームコウノドリにプレゼントした当院の患者家族の皆様も
多数関わられていた

https://s.yimg.jp/images/blog/rte/loupe16x16.png);visibility:visible;background-position:8px 8px;background-repeat:no-repeat no-repeat;" target="_blank">
「わが子がダウン症と告知された81人の"声"」
もドラマの中で登場していました。チームコウノドリの皆様が
如何にダウン症のご家族の声に耳を傾けていたか改めて感じました。

自分にとっても、
ダウン症協会の皆様とも撮影現場で直接や脚本などへの
意見交換で間接的に
お話しする機会を頂きました。

気づきが多かった、
第10話、11話でもあります。そういうことを今後とも
この場で適宜書き残していけたらと思っています。

今回、産むことを決断した御家族の物語は下記の予告編通り、
最終回でも続きます。

産むことはゴールでない、
そこからが御家族の始まり、今回のコウノドリのテーマである
「産まれること、そして、生きること」にも
合致する産むことを決めた後の御家族や医療者の
想いも描かれると思います。

白川くんの旅立ちの場面は自分も
淋しくて泣きそうになってしまいました。
素敵なNICUのラストシーンになっていると思います。


「コウノドリ」の有終を同じ時代を生きている皆様と一緒に
見届けられたらと思います。

ご感想をお寄せの皆様、それぞれに
ありがとうございます。心強いです。

引き続き、感想など一緒にこの場に書き残して
くだされば嬉しく感じます。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

関連記事
Posted byNICUサポートプロジェクト

Comments 2

There are no comments yet.
tom*****  
No title

豊島先生、久しぶりにコメントします。
コウノドリ10話。神回でした。
自分にとっても、今後きっと忘れる事のない内容になるでしょう。
それに、私のあのときの記憶が鮮明に蘇りました…。
18トリソミーの疑い。羊水検査。
羊水検査の時、検査台に上がるのが、怖くて怖くて泣いて。
先生方の、数々の言葉。
嘘をつかず、言葉を慎重に選んで、絞り出すような様子。
もう5年もたつのに、思い出させるとは。
コウノドリというドラマは、リアルなんだと、思いました。
その後、素敵な出会いがたくさんあって。
それもまた、縁です。
9話にあった、小松さんの言葉。
「忘れなくていいんじゃないかな。無理に忘れる必要ないよ。」
本当に、この言葉、このドラマに、救われている私です。
千葉の仁の母ちゃん より

ゆうちんまる  
No title

今、最終話 見ました。
本当に良いドラマだった。。。
そして
ダウン症のこと
沢山の人達に知らせて下さりありがとうございます。
まだまだ
ダウン症の育児は、この先もありますが、コウノドリという病院のドラマとしては
最高だったと思います!!
わたしは
ずっとイタリアに行きたい!!と、文句を言っていたダウン症児の母です(笑)
中学生になった今、コウノドリを見ながら泣いていた私の背中をさすって、なに泣いてんだよーと言いながら、抱きしめてくれた立派な中学男子に育ちました。
今は、オランダに来れて良かったと心から思ってます。