本気だからこその言葉:「コウノドリ」第8話への感想

コウノドリ第8話が昨晩放送でした。

12月8日まで以下で視聴可能です。
コウノドリ第8話(民放公式テレビポータルTVer)
多くの皆様に是非、御覧頂ければと
願っています。

第8話のNICUパートのことを書き残しておきたいです。

【連日の撮影:休みや勤務明けスタッフで撮影協力】

第8話は
NICUのシーンが多く、第7話が
放送されるシーンに連日連夜の撮影でした。



「もう18時間ペルソナにいます」というサクラ先生の言葉。。。
お産を待つ間、語らっている小松さんや白川先生達の様子、
深夜0時過ぎにお産のシーンを撮影している様子を見ると
本当の産科医療の現場をドラマスタッフの皆様が体験している
ようでした。

真剣に周産期医療を伝えようとしている
ドラマスタッフの皆様の頑張りを改めて感謝の1週間でした。

朝早くから夜遅くまで明るく、前向きに
撮影に臨んでいるチームコウノドリを見習いたい
周産期チームにも思えました。


自分達も仕事が終えた後、ペルソナに
出張して深夜まで撮影協力しました。

最終日は朝9時から深夜1時まで、普段の仕事さながらに
交代で医療技術指導をさせていただきました。


NO吸入療法のアイノフローを導入してくれたペルソナNICU
医療機器の使い方を一緒に確認したり、
NICU看護師さん達がNICUの細かな部分まで環境整備
してくれました。



看護師さんの動きなどをペルソナの看護師さん達と
協力して伝えようとしてくれている姿に



こういう交流がNICUのスタッフの雰囲気、



NICUの空気感を伝えてくれたらと思いました。


同行してくれたメンバー、留守を守ってくれている
メンバーそれぞれに感謝しつつ、みんなで撮影協力
してきました。

【白川先生の転機】
第8話については、パート2の放送が決まったときに、
多忙になることが予想される白川先生がペルソナを離脱
してしまう可能性を踏まえて、
<燃え尽き>でなくて、前向きにNICUを辞めていくような
物語はないか?ということを信頼する鈴木プロデューサーさん
から相談されて悩みながら提案させてもらった物語でした。

新生児科医として一人前になったと思える
頃に、さらなる成長を目指して旅立つような話に出来たらと
思えていました。自分が新生児専門研修を終えるときに
NICUを一旦離れようと思った頃の自戒を込めての想いや
変わっていきたいと思った願いを伝えさせていただきました。

その白川君の物語の案を
鈴ノ木先生や講談社の皆様も共感して下さり、
原作漫画でも取り上げて
くださり漫画で描いていくくださいました。
ちょうど漫画は今年3月で、全国各地の
研修医の卒業を讃えるような物語になればと
感謝でした。

その物語がドラマの終盤で映像化と言うことで
自分にとっては思い入れのある回でした。この回に
向かって
白川先生が序盤から成長している様子が得られ、
だんだん、今橋先生に仕事を任されて自信がついてきて、
学会などでも発表する。

そして、向上心があるからこそ、
自信が少し過信になっていったり、
周囲に自分の考えを押しつけ気味な支配的になっていく危うさを
第7話までに描かれていたと思い、ドラマ全体の物語を
構築して下さったプロデューサーさん達や監督さん、脚本部の
皆様の感謝でした。

自分はよく周囲に話すのですが
「周りを変えたい」と願う人は自分が正しいと支配的であるので
周囲の理解は得られないことがある。「変えたい」から
「(自分も含めて)みんなで変わっていきたい」
いう視点になるといいNICUチームの柱になっていく
と思えています。白川先生のそういう変化のときが
ドラマで描かれたらと思っていました。

先週は白川先生と一緒に過ごしていた日々になりましたが
白川先生が、普段自分が接している後輩世代の新生児科医の
先生達と同じように思えてきて、その成長をすごく嬉しくも
感じたり、褒めつつ、伝えたいことは伝えたいし、意見も
聞きたいと思う時間でした。

白川先生が第8話を終えた後、
「今回の物語は女性とか男性を越えて、どんな人でもどんな仕事でも
通じる物語だと思っていい話だと思う」
という言葉に物語への
想いを理解してもらった気がして感動でした。

総肺静脈還流異常症をないと思い込んでしまった
と気づいたときの白川先生の<蒼白で呆然な表情>
入り込んでいるからこその胸に迫るシーンと思えました。
最後の涙も気持ち通じる自分でした。白川先生に
昔の自分達の想いが重なる気がしました。

白川先生が下屋先生に自分が<忘れかけていた想い>
を想い出し、自分はまだまだだ!と思えて、その上で
<最強の新生児科医>を目指したいという語るシーンは
この二人だからこそのシーンに思えて素敵でした。
白川先生を応援し続けたいと思えました。

パート1からどんどん変わっていた白川先生を
坂口さんが演じてくれたことを天に感謝と思えていましたし、
別れが近づいていることを淋しくも思えています。

【今橋先生の<本気だからこそ怒りの言葉>】
今橋先生については、この週発売された
の中のインタビューに感動した後で
気持ち通じる気がしていました。大森さんが今橋先生を
演じてくれている奇蹟に感謝しながら、
白川先生を一緒に見守らせて
頂きました。

白川先生を信じてNICUを託している姿、
その上でNICUチームへの配慮、
リクルートなどへの対応など重なる中で
起きた今回の事態。

大事なところは
白川先生を責めずに診断をして、
診療を立て直していく姿が素敵で、
見習いたいと思いました。

医学用語などが難しかったであろう今回、レントゲンで疑い、
エコーをして、診断の間違った部分を解きほぐしていく姿、
どうしてこんな風に適切にさっと演じられるだろうと驚嘆しつつ、
すごく格好良かったでとお伝え出来たときの笑顔が素敵でした。

搬送の同乗を直前で
葉山先生に託どうとする白川先生についてのセリフのシーンは
夜中の撮影でした。

「自分だったらここだけは叱咤激励しちゃうだろうな。。。」
と想いながら、脚本のセリフをどんな風に今橋先生は
表現するだろう。。。とみていたのですが、
リハーサルで撮影現場が凍り付いたほど、、、
土井監督が
「はじめて今橋先生が怒ったシーンだ」
つぶやいたのですが、そのシーンに
想い重なる気がしていました。

「診断を間違ったことを責めていないし、チームとして
リカバリーを周囲と共にしていて今橋先生。
白川先生の過ちは診断できなかったことではなく、
自分に過信して周囲の心配に耳を貸さなかったこと、
目の前の赤ちゃんの命に最後まで寄り添う気持ちを
放棄しようとしている部分が過ちであり、
逃げるな」
という言葉だったのだと思います。

白川先生を若い頃から見守っていたからこそ、
労う・慰めるではなく、叱咤だったのだと思えます。

自分にこういう本気の言葉をかけてくれた自分の
先輩医師達の言葉を想い出したり、自分がこういう言葉を
思わず後輩医師にぶつけた時のことなどが胸に去来しました。
今橋先生にそういう想いを届けてもらった気がして、
今橋先生が大森さんでよかったと改めて感謝していました。

【NICUはチーム医療、病院間連携が大切】
麻生看護師さんには
「NICUは医師が支配的な医療現場ではない」
看護師さんの指摘が赤ちゃんを救うことがあるという
部分を原作同様、凜として伝えて下さったと思えました。

吾郎先生には
「まだ、医師になりきれていない時期だからこそ、
赤ちゃんのことが心配で心配で。。。という気持ち」

を出してくれたと素敵に思っていました。

新生児医療は病院間連携が必要な医療で
なんでも1つの病院で完結できるわけでないし、
赤ちゃんのためには移動するのも大切と言うことで
他院移動が自然と思えていました。

心臓病の手術はペルソナでやらないほうが
いい、バックトランスファーでない転院もあることを
を伝えてもらえた気がします。


さりげないシーンでしたが、何度も話し合い、
当日も時間を掛けて撮影した人工呼吸管理中の
赤ちゃんの他院転送のシーンでした。

当院によく赤ちゃんを見事に転院搬送して下さる
横浜医療センターNICUの先生方にも
きていただき、転院の準備をそれぞれがしている
NICUの雰囲気をしっかり伝えようとしました。

ペルソナの皆様のチームの連携でさりげなく
しっかりとそういう場面が描かれていることを
素晴らしく感じました。

新井先生の再登場は鈴ノ木先生が原作で
書いて下さり、自分もその下原稿をみたときに
大感動しました。
「新井先生だから、白川先生に
かけられる言葉がある」
ということだと思えましたし、
ドラマでの新井先生の元気な姿と今の想いに触れて
安堵の自分でした。素敵なシーンでしたね。前シリーズの
9話の続きが今回なんだと思えていました。

搬送先は自分達にとってつながり深い
北里大学病院NICUでした。

地域総合病院、日赤病院
子供病院だけがNICUだけでなく、大学には
大学のNICUの役目があると言う部分を描いて下さり
協力して下さり感謝に思えていました。

日赤の中尾先生が
ロケに同行しつつ、北里大学の皆様の協力で
撮影出来ました。実際の新生児医療同様の病院間連携で
撮影協力できたことを心強く感じていました。

【コウノドリは患者さん家族の想いがあってこそ】
かおるさんのご両親役のお二人がどちらも
こういうときの御家族の想いは?ということを丁寧に
繰り返し聞いて下さりながら、見事に演じて下さった
気がしてお二人のファンになりました。
最後にお礼を伝えるママさん、わだかまりが
拭えないパパさん、、、どちらに想いも伝わりました。

そして、かおるちゃんを演じてくれた当院の入院中の
女の子と御家族にも讃えたいと思いました。

正期産児で、人工呼吸器管理中で、安定している状況で
撮影協力に前向きな御家族が撮影期間の1週間の間に
ちょうどよく現れるか?ということを皆が不安だった今回、

自分は「前シリーズのだいちくん、ゆうたくん、なおとくん」
のときもそうだったけど、不思議にそういう出会いがあった
チームコウノドリであり、
今回もそういう出会いはあるんじゃないかと思える」
と楽観的に話していました。そういう出会いを信じて
準備していきましょうと話していました。


実際撮影が近くなると、その通りになり、


明るく前向きに
手術を前後の状況の中で赤ちゃんを讃えるように
御家族で撮影協力して
くださった女の子がいました。

赤ちゃんの誕生と御家族の
想いがあってこそできあがった映像なのだと思いました。
医療と撮影チームを信じて一緒に出てもいいと思って
くれた御家族の想いをありがたく感じ、そして、医療と
撮影の両立をしっかりしてくれたドラマスタッフと当院の
医療スタッフそれぞれに感謝でした。

【新生児遷延性肺高血圧症と総肺静脈還流異常症】
今回、難しい医療用語、聞き慣れないという病態に
こだわってくれたドラマの皆様。
早口言葉のようにこれらの医学用語を撮影の合間で
繰り返し唱えていた白川先生でした。


新生児遷延性肺高血圧症と総肺静脈還流異常症の見分け方は

など、自分達が活動している周産期循環管理研究会でも繰り返し
語り合っているピットフォールとも思える疾患です。
この研究会で頑張る多施設の先生方の想いが伝わればと
思っていました。

今回の物語はそういうピットフォールを
みんなで自覚する機会になればと思っていました。



難しいけど、いち早く胎児診断や
新生児診断で気づきたい病気です。

「マニアックなテーマ」と言われることがあったのですが
「大事だけどマニアック、仕方ない」と皆が思っている
限りはこういう想いをする赤ちゃんと御家族はいなくならない、
今回のドラマが認知度を高め、こういう御家族を
なくしたいという医療者の動機づけになればと思っていました。



「想いのないところに技術の進化はない」
:下町ロケットと周産期医療(第30回心臓病胎児診断症例報告会の参加報告)

この心臓病が胎児診断されたことはないという県もある中、
神奈川県では川滝先生や金先生の啓蒙活動、地域の
産科婦人科医や超音波技師さんの技術向上で25%まで
胎児診断率が高まってきました。難しいけど見つかる人を
増やしていきたい、新生児科も産まれた後に肺高血圧と
思い込まずにこの病気を疑い、チームで確認するような
体制作りが必要と思えています。

そういうきっかけの物語になればと思っていました。
「コウノドリ」の医療レベルの先を「コウノドリ」
が終わった後もみんなで目指していけたらと
思います。


皆様それぞれの想いやご経験などもコメント欄に一緒に
書き残して下されば幸いです。
【一日一生、医師である前に人間でもある】
NICUパートだけでなく、四宮先生不在の中、
NICUと御家族に寄り添ってくれたサクラ先生の
素敵さで心強くかったです。

「僕たちは医者である前に人間だ」
という言葉。
サクラ先生の四宮先生、
白川先生や新井先生への仲間として
の優しさに感動でした。

そして、
「この街をお産の出来ない街にしたくない」
「1日1生」
四宮先生のお父さんの言葉は
日本全国、それぞれの場所でそれぞれの事情の中で
周産期医療に関わる医療者の想いを届けて下さいました
し、「だったら生きろよ」という言葉だけでなく、
撮影の中でも感じたお父さんにさりげなく寄り添う
四宮先生や周囲の
人達の想いを感じました。

「本気だからこその言葉」がたくさんあった第8話に感じ、
原作の鈴ノ木先生、脚本の吉田先生をはじめとした
制作陣の皆様が周産期医療に心よせてくださるのを
改めて感謝です。
【第9話以降も、第8話の後日談が続きます】
第9話以降も原作漫画の続きとも言える
この患者さんとの出会い以降の白川先生、今橋先生、NICUチームの
後日談の物語、ドラマオリジナルで続きます。

それぞれの新生児医療の向き合い方をい
最終回まで、みんなで見守られたら幸いです。



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Posted byNICUサポートプロジェクト

Comments 8

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とある地方の相談員  
No title

毎回「コウノドリ」見ています。
私は、障害者相談支援事業所というところで、障害のある大人と子どもの相談支援をしています。
そして、ドラマを見るたびに、考えることがあります。
赤ちゃんは障害をもつ可能性があるという話が出てきますね。
NICUを卒業し様々な経過の後、赤ちゃんは自宅での生活になる。
次は、繋いだ命を私たち障害福祉分野の職員も繋いでいくの役割があると思うのです。退院からすぐにという場合もあるでしょうし、ある程度大きくなってからということもあるでしょう。
ドラマの中で先生が「親が決断したことに寄り添っていく、サポートしていく」というセリフがありますが、これは、私たち支援者も同じではないかと思っています。そして本人の意思に寄り添うへ。
医療的ケアの必要な子ども達(大人も)への支援はまだまだ課題が多いです。ですが、親が決断し繋いだ大切な命であることを忘れずにいたいと思うことができるドラマでだと思いました。日頃から、先生やスタッフの方が関わっていることを感じることができます。
ありがとうございます。
 

医学生@名古屋  
No title

N志望の医学部6回生です。
「コウノドリ」毎週楽しく見させていただいております(^-^)素敵なドラマをありがとうございます。
一人前の新生児科医を目指して勉強頑張ります...!(いつか神奈川こどもに伺えるように)

mac*t*0318  
No title

熊本の仁くんファンです。
今回の白川先生卒業は残念だけど、現状に甘んじないからこその決断と誰もが納得する回でしたね。ドラマといえど、誰かの人生を生き、説得力があるものにするには上っ面だけの表現では叶わない。その点においてもこの回の白川先生、今橋先生は出色の出来だったと何度見ても感じます。
また、今橋先生の叱咤激励の言葉は自分も過去に上司や先輩同僚からかけられたものと同じ意味合いでした(現在は自分が発している言葉でもあります)。
白川先生が言った「どんな人にも通じる」いいこともそうでないことも必要以上にドラマチックにせず、現実に則した言葉の数々でしたし、忘れられない回になりました。言われて(当時は)意味が分からず悔しいと思っていたり、その内容がある日パズルのピースが嵌るように理解できたことも鮮やかによみがえったコウノドリでした。

うにあわび  
No title

その昔、小ヘルツの麻酔をし、その後のICUをみていました。今はすっかりかけ離れた生活をしていますが、当時体に染み付いた色々なことが今の自分に繋がっています。そして後輩を育てる難しさも日々感じています。コウノドリのおかげで、NICUで日々頑張っていらっしゃる先生方の声を聞くことができ、毎日元気をいただいています。お忙しいとは思いますが、これからも現場の声を是非発信して下さい。

kan**or2  
No title

コウノドリ原作でメンケス病を取り上げてほしいです。この病気こそ早期発見でその子の人生を大きく作用します。
新生児をみる先生方には絶対知っていてほしい病気です。

きょうちゃん  
No title

豊島先生、こんばんは(*^^*)
コウノドリ、毎週欠かさず観てます。お姉ちゃんも、一週間で一番楽しみな番組だと言っており、録画したものを家族で見ています。
エキストラで参加させて頂いた4話以降、5話6話ととても悲しいエピソードでしたね。7話の小松さんの話も、女性として辛い決断だったと思います。
そして今回の8話。慣れた頃に自信から来る過信は、確かに誰にでも起こりうることですね。いつも穏やかな口調で諭すように気持ちを伝える今橋先生が珍しく声を荒げたのは印象的で、白川先生に真剣に最後まで向き合ってほしい気持ちの強さの現れなんだなぁと思いました。
地方の周産期医療を身を削りながら守る四宮先生のお父さん。「子供を産めない町にはしたくない」という言葉がとても重かったです。実際に同じような状況に直面している地域は多いと思います。
いつも多くの気付きを頂いているコウノドリ。あと2回で終わるなんて寂しいですが、最後まで必ず見ます。連日撮影のスタッフの方々、通常業務のあと更に協力している豊島先生や医療者の方々、どうか体調を崩されませんように。

emi*****  
No title

あらたママです
第8話、ドラマの中での言葉の1つ1つが心に響いています。
時々早く産んでしまった事を申し訳なく思い涙を流してしまう事もあります。
豊島先生や他の先生方、体調に気をつけてください。

emi*****  
No title

あらたママです
第8話、ドラマの中での言葉の1つ1つが心に響いています。
時々早く産んでしまった事を申し訳なく思い涙を流してしまう事もあります。
豊島先生や他の先生方、体調に気をつけてください。