<しょうがい>って何?;第43回NICUのいのちの授業 in 落合第一小学校
この日は友滝先生が新生児の血糖調節についての最近の話題や
今後の診療の質改善への提案を最近の論文を基にしてくれた
朝でした。
小児科病棟に入院されていたこももちゃん、この日、再度の
退院ですね。朝、退院おめでとうと伝えに行くと非常に可愛らしい
表情、私、元気になったと伝えてくれている気がしました。
退院を見送れませんでしたがこももちゃんの御家族の皆様
ご退院おめでとうございます。また、外来で会うのを
楽しみにしています。
小児科病棟からNICUに戻る途中でばったり会ったのは
ゆうとくんと御家族ですね。会うたびに成長している
ゆうとくんですね。偶然会うのも御縁かなと
思い嬉しく感じました。
NICUに戻り、後輩世代の先生方の頼もしさを
感じつつ、
ゆいねさんや
たくみくんにバイバイしながら出張に旅立ちました。
この日は2つの出張の役目があったのですが1つめは
自分の生まれ故郷、高校まで生活した、新宿の高田馬場に
やってきました。
なぜ弧の場所にきたかというと高田馬場から一駅のところにある
落合第一小学校で<命の授業>をご依頼させたからです。
自分は<いのちの授業>は原則、神奈川県のみとして
他県からのご依頼は今は基本お断りしています。
それは縁のない人が語るより、その土地に縁のある
NICU医療者が話した方がいいのかなと思えてでした。
また、小学生にお話しするのは少し困難さを感じても
いて最初は引き受けるかにためらいがありました。
今回、それでも引き受けようかなと思ったのは
年末に講演させて頂いた下記のシンポジウムに
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参加して下さった先生が、自分の話に共感して下さり
その感想と共に是非、自分の学校で話して欲しいという
熱意のあるご依頼をしてくださったことと自分の生まれ故郷の
街でお話しすることも自分に役目があるかなと思えて
お引き受けさせて頂きました。
感じる落合第一小学校にたどり着きました。
シンクロナイズスイミングでリオオリンピックで
メダリストになった三井梨沙子選手の母校だそうで
そのお祝いの垂れ幕がありました。
今は2クラスということで新宿の少子化傾向を肌で
感じました。6年生70名に対して<NICUのいのちの授業>を
させていただきました。
報道ステーションでNICU特集して頂いたときの映像や
コウノドリの映像をお見せしながら、超低出生体重児の
生まれる前後の御家族や医療者の思い、超低出生体重児の
姿、見守る医療者や御家族の様子、NICUで亡くなる赤ちゃん
と御家族と様子、NICUを退院した後の様子などを画像を交えながら
1時間のお話しさせて頂きました。
こども達に質問などを交えながらの授業にしましたが
その中で<しょうがい>という言葉がでたので
「<しょうがい>ってどういう意味かな?」
と質問した自分です。こどもたちは隣の人達同士で話し合ってもらい
何人かに答えてもらいましたが
「ふつうあるべきものがなかったりする人達」
「歩けないとか出来ないことがある人達」
というような答えがありましたね。
自分は
「しょうがいというのは病気のことでなくて、学校や街で
生きづらさを感じること」
「生きていくために何かや誰かの支えを必要な人」
「わかってくれない人達や自分と違うところがあることを
変と思う人達と出会うときに辛さを感じている人」
等かなと自分が思っている部分を授業を通じて答えさせて
いただきました。
「健康だって生きていくのを辛いと思っている人達もいれば、
病気であっても楽しいと思って暮らしている人達もいる」
「病気や早産などの人と違うことを経験したからこそ
大変なこともあるかも知れないけど
格好良く生きている人達もいるんだよ」
というようなことを伝えていた自分でした。
<めがね>かけている人はしょうがい?
じゃあ、補聴器や車椅子はしょうがい?
お顔のチューブや気管切開はしょうがい?
小学生なりにこどもたちの笑顔をみてもらいながら
<個性>って何かを考えてもらえたらとも思いました。
コウノドリで自分が一番好きなシーンは
第一話のサクラ先生の言葉なのですがそのシーンを
みせながら、病気があろうと、親御さんと暮らせない
子であろうと、自分は<お誕生おめでとう>
<負けないで生きていってね>と思いながら
見守っている。という気持ちも伝えてきました。
「みんながそれぞれが<しょうがい>を感じさせちゃう
ことをしていないかを考えてみてね」
というつもりでお話しさせて頂きました。
難しい話をきっとしていると思ったのですが一生懸命
視て、聞いて、感じてくれた気がする生徒さん達でした。
記憶の欠片にでも残ればと思いながら
自分の話せる話をしてきました。
小学6年生に対象に1時間話した後は
教職員やPTAの皆様に向けての講演を
そのまま約1時間させていただきました。
就学前、就学後のNICU卒業生ご家族と
外来で交わしてきた言葉などを伝えさせていただきました。
<共生><幸せ>とはどういうことだろうということを
NICUに考え続けてきたこと、
医療を受ける側の皆様の医療や命への向き合い方、
そして、<命を大切にする>ということは社会の
中でどういうことなんだろうと悩み続けていた
気持ちを伝えるようなお話をさせていただきました。
地域の多くの方にお集まり頂き、ありがたく感じた
講演会でした。
授業の前後でお呼び頂いた先生や校長先生と
新宿の小学校、障害児教育などの現状をお聞きしました。
神奈川県とはまた違ったシステムや状況があると思いました。
小児医療と教育の連携が小児医療も教育も質改善して
こどもたちのよりよい環境につながると思えている自分には
各地域で小児医療と教育の連携の仕方も変わるのかなと
思えていました。様々な気づきを学びを頂いた気がした
交流でした。
帰り際にPTAのお母さんに周りにいる超低出生体重児の
お子さんにいっぱい褒めてあげたくなった、御家族の気持ちが
より深く知った気がしたのでその御家族達のために自分も
出来ることをしたいと思えたというような言葉に
お話しさせていただいた会も改めて感じていました。
帰り道、高田馬場の駅前の自分が自分の本棚のようなつもりで
立ち読みしまくって過ごしたビルの3,4,5階が本屋さんに
立ち寄って懐かしく、そして、本を衝動買いしながら、、、
2カ所目の出張場所に向けて
次の出張の話はまた、改めて書かせて頂きます。
コメントでなくても毎日,下記をクリックしてくださっている
皆様にも新生児医療を社会に伝えるお手伝いをしていただいている
と毎日感謝しています。ありがとうございます。
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