神奈川こどもNICU改築プロジェクトのビジョン (未来のNICUの赤ちゃん・御家族・スタッフのために)



木曜日のNICU終業後の話し合いです。



金曜日の昼休みを活用しての話し合いです。

繰り返し話し合っているのは

NICU改築工事に向けての情報共有と意見を募るための
話し合いです。勤務の都合でみんなが揃って話し合えることは
 ないNICUであるので話し合いの模様をこの場所に
情報共有のつもりで残しておこうと思います。

どちらの話し合いも、自分がまず、改築のコンセプトを
伝え、設計士さんが調査設計してくださった原案を提示してくれました。

自分の話した内容は以下です。


なぜ、増床することになったのか、自分たちが増床を要望したわけではなく
神奈川県の医療政策の中での提案があったことから話しました。



神奈川県の県立病院機構の機能強化の医療政策の一環で
この話がきました。


2013-2014年の神奈川県内の新生児医療の行政調査では
こども医療センターは県内で生まれる超早産児の4分の1、様々な先天性
疾患を有する赤ちゃんの半分を1つの病院で担当している現状。


NICUの病床利用率は平均しても100%を超えている状況が
常態化している。

収容困難な状況は赤ちゃんたちの死亡や
後遺症につながる可能性がある。


このブログを県庁の人たちがみてくれていることを心強く感じましたが
入院要請があっても満床越えのために断らざるを得なかった赤ちゃんが
年間112名いることを踏まえ、断らないで済むようにするためには
11床前後の増床が必要という調査だったということです。


県庁の提案はNICUやGCUの増床とあわせての25年近く経つ
重心施設・母性病棟・手術室などを含めた周産期棟全体の老朽化に
対する設備改修に神奈川県庁からも予算を費やしてくれるという
申し出でした。

独立行政法人化している当院にはありがたい
話でもありましたが。。。

ただでさえ、過重労働の今でさらに病床を増やすことで
スタッフの過重労働が拍車をかけないか? 増床したベッドを
有効に活用するため増員が必要なスタッフが本当に新に
集まるのか、不安や心配で胃が痛くなるような提案でもありました。


この提案を基にNICUの増床が可能かを病院上層部の人たち、県庁、
事務系職員、産科・母性病棟のスタッフの皆様と繰り返し話し合ってきた
昨年でした。予算的には新しいNICUを立てるには程遠い予算であり、
今の状況の中で本当に増床できるかということが共通の悩みでした。


東京の小児病院のNICUを見学してきましたが、後発のNICUは
スペースが大きく取られています。


県内では一番新しい北里大学NICUもやはり広いスペースがあります。
今後のNICU開設基準も今後は1ベッド10mm2 以上
が必要になる可能性があるそうです。


最初9床でスタートして21床まで増やしてきた歴史の中で
現在は1ベッドあたり7-8mm2 の状況になっています。

上記のように、小児外科、循環器科などとの回診が重なる
ような朝は
ギューギュー詰めのNICUとなっていて、今のままでさらなる
増床は困難と判断せざるを得ない状況でした。


断念せざるを得ない気になった時に出たアイデアが前NICU看護師長さんが
エレベータホールの横にドアつけて1階廊下をNICUにしてはどうかと提案。

さらに産科の石川先生が産科外来を
2階に移動することでさらに広くできる
はずという提案をしてくださいました。

こういう機会は今後ないかもしれないから、
チャンスを大切にNICUをしっかり改築してもらうことが大切と
周産期医療を全体を考える石川先生の言葉に感動した自分でした。

その後も、多部門のご理解があり、周産期病棟1階全体をNICUに
していく方向性になりつつあります。どの部署も既得権益ともいえる
場所を譲ろうとしてくださることに大変ありがたい病院全体のご支援に
感じました。


自分の役目はリニューアルに向けての方向性を示すことと考え、
この1年間、いくつかのNICUに設計士さんや看護師さんたちと訪問して
きました。その上で上記の3つをお話しさせておいただき、
この方向性での多くの方に肉付けをしてもらうアイデアを
出してもらえたらと思っています。

こういう意見交換会を繰り返したいと伝えている
先週でした。



一番目のビジョン。





10年後,20年後のNICU集中治療の医療機器などを想像しながら
全NICUスペースを広げた上で空間配置を考え直す。増床分の
ベッドだけでなく、すべてのNICUベッドを新設NICUと同様以上の
広さにしていく。



双胎のご家族そろってのカンガルーケアする様子などが以前テレビで
流れましたが、集中治療のためだけのNICUではなく、全ベッドで
ご家族が過ごしやすい空間を作る。ひいてはそれがお子さんたちの
発達支援につながっていくと考えるということを伝えました。


2番目のビジョン


当院に関係者が多く見学してきたファミリーセンタードケアで
有名なウプサラ大学。早産児の成長や発達が早く、良好という
データもあります。このNICUをみならったNICUベッドを作りたい
と話しました。


個室化されたNICUの話は病院上層部にも驚かれましたが、
もうすでに取り組んでいるNICUは日本にもあります。
集中治療、家族支援、両面で意義はあると感じています。


学会などで家族で過ごせるNICUのブースを立てたメンバーたちがいる
当院であり、これを実現しようと伝えました。



自分たちはこれまでも赤ちゃんとご家族が
一緒に居る時間を大切にしたいと
思える赤ちゃんとご家族の時に、
母性病棟でNICU入院児をお連れして生後早期から
家族同室してきた強みを残しつつ、
NICUでもそれをもっと
多くのご家族に提供できないか、家族面会などをしやすい環境の
NICUを目指したいという考えをお伝えしました。

心強い産科スタッフが同じ病院にあるこども医療センター、だからこそ
母児を一緒に診療できるNICUを目指したいという気持ちを伝えてきました。
産後のお母さんの視点も込みの病床をいくつか作りたい。


そして、集中治療を止められず長期入院せざるをえないご家族で
あっても家族で時間を過ごせる場所を
作れたらという気持ちを話してきました。



きょうだい面会が活発化してきた今、



きょうだいなどが過ごしやすい空間も考えられたら
と思います。




活用法について母性病棟と相談しながら、
今までは母性病棟に移動できなかったお子さん達の
ご家族が過ごせる空間を考えていけたらと思っています。


3番目です。赤ちゃん、ご家族、スタッフそれぞれに居心地のよい
優しい雰囲気のNICUを作りたいという気持ちを伝えました。



当院に縁のあるメンバーが続けてきた研究成果を実現する
NICUにしたい。



実際に光環境にこだわった名古屋第2日赤の話をしたり、
スタッフで通ったコウノドリのペルソナ総合医療センターの
NICUセットの優しく明るい雰囲気を
逆実現したいことを伝えてきました。

光環境や音環境について外部との相談や協力の状況を
お伝えしました。


最後は改築に向けて神奈川県立病院機構の土屋理事長が
伝えてくれた言葉を紹介しました。スタッフの増員やその研修への
バッグアップを伝えてくれた土屋先生です。

増床してもそこで働き続けるスタッフがいないと
NICUは続けていけません。改築しつつ、新しい仲間を
みつけ育てていくことをみんなで目指したいというお伝えしました。




自分の話の後に設計士さんに
設計図やそれをもとにしたCG図を解説してもらいました。




大変夢を感じるCGの数々でした。








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ママさんたちのベッドを置いて、横になって面会してもらえる
NICUを目指せたらと考えています。


自分たちの願いや想いを建築に活かそうとしてくださった
設計士さんに感謝を感じる時間でした。



その後は話し合いに産科してくださったメンバーで
INTACTプロジェクト
でやってきたグループワークをしてもらいました。



産科、母性内科、母性病棟の皆様も酸化してくださり
ありがたく感じました。



それぞれが働いたらどうだろうという意識を持って
意見が出たらより素敵なNICUになるだろうと思います。



スペースには限りがあるので、何かを増やすためには
何かを削らないといけないけど、そういうことも踏まえて
みんなで一緒に悩んでいけたらと思います。


こういう話し合いを繰り返しながら設計図を見直しつつ、
様々な職種、御家族などのご意見も集めていけたらと思います。

10年後を想像したNICU改築が必要と思います。

自分もこのNICUで働く日がくるのかわかりませんが
未来のNICUにやってくる赤ちゃん、御家族、医療者のために
過去・現在の入院御家族や医療者からの願いを未来に届けるような
NICUの改築ができたらと思っています。

今後ともご意見など大歓迎です。






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Posted byNICUサポートプロジェクト

Comments 2

There are no comments yet.
tok*****  
No title

元コウノドリ視聴者<猫派>です。「NICU増床が県庁から提案されていた」こと、しかし増床を担う人の手当てやスペースまで考えた提案ではなかったとは残念な話です。それでも、不十分ながらも施設整備の支援があることをチャンスととらえて、病院の皆さんがスペースをやりくりするなどして、実現可能な構想を練り上げていらっしゃることに胸を打たれます。
ところで、私がこのブログを日常的に拝見するようになって約3ヶ月ですが、フジテレビの取材がないように思います。黒岩知事は就任時は「いのち輝くマグネットかながわ」を標榜していましたが、私の知る限り「コウノドリ」には言及しておらず、「未病」は中高年をターゲットにしているようです。知事にこども医療センターをもっと意識してもらう一つの手段として、産経新聞の村田選手の記事などをとっかかりに、フジテレビの取材をお受けになってはいかがかと思います。

NICUサポートプロジェクト  
No title

> 猫派さん、いつも心寄せてくださりありがとうございます。NICUは3床あたり看護師1名は必要という看護基準があるので増床すれば看護師さんは自然と増えますし、増床すれば医師の増員もするという提案でした,スペースについてまでは行政などで考えるのは難しいので自分たちがやりくりすべきことだと思っています。自分たちの回復後病床(GCU)は人工呼吸器がついているお子さん達もいるのでこれ以上の増床は難しいかも、、、ともみんなで悩んでいます。フジテレビは黒岩知事の古巣ですね。2009年頃のNICU病床不足<特ダネ>、一昨年の<若者たち2014>などでフジテレビのお世話になったこともあります。テレビ報道は<こういうことを考える、やりたい>というのではニュースにならず、何かの行動や実績が必要なのかなと思っています。確かに<未病>プロジェクトに小児医療の提案はまだ打ち出されていないので、小児医療の<未病>のアイデア創出やそのための行動を考えていくべき自分たちだと思います。そう言う先にフジテレビの取材などもあればいいかなと思えたりしました。いつも一緒に考えてくださり感謝です。