日々を大切に生きる。。。;「輝いた6日間のいのち」のご家族の物語の続き。。。
「NICUにおけるご家族を含めたチーム医療を目指して」
:第112回山梨周産期医療懇話会で講演
で山梨にいて、金曜日の明け方、目が覚めて
その赤ちゃんのご家族、
母性病棟のスタッフとのバースプランの中で
「NICUのファミリールームで生まれた赤ちゃんと過ごしたい」
という1文があり、それを叶えてあげたいと思った
母性病棟・NICUの看護師さん・助産師さんたちに相談された
自分です。
理由が、2年7ヶ月前に、ファミリルームで長女が
天に還る時間を過ごした。その場所に妹と一緒に
過ごしたい」というご希望だそうで、産科も新生児科の
医師も看護師・助産師さんの提案に賛同しました。
様子、以下に書き残していました。以下ご覧いただければと
思います。
日本医師会CMや特報首都圏で報道されていた
こはるちゃんご家族です。
上記ご覧のうえ、
以下をご覧いただければと思います。
コウノドリのサクラ先生が当院にきたときにも
ひとしきり、こはるちゃんのご家族の映像に
心寄せてくださっていたことを感じたので、
コウノドリの最終回の日にこはるちゃんの妹さんが
生まれるのもご縁かなと
思えていました。
月曜日の夕方、こはるちゃんの妹とご家族で
ファミリールームにやってきていました。
こはるちゃんも一緒にファミリールームに
戻ってきたことを感じる自分でした。
涙を浮かべながら、この場所にもう一度
これたことをあのときと同じように泣き笑いの
表情のご両親に会えて自分も感慨深い気がしました。
この2年7ヶ月、様々な想いと向き合っていたかを
知っている人間の一人として。。。
みんなでお祝いをしている気持ちでした。
こはるちゃんのことを知りつつ、だからこそ、
こはるちゃんの妹の誕生を一倍嬉しく、
そして、大切に慈しんでいくだろうと思えるご両親の
泣き笑いの笑顔、、、
妹さんにも、お姉ちゃんの人生をみんなで語りつつ、
優しい女の子に育ってもらえたら。。。
と思えました。
自分も風邪気味だったので躊躇われたのですが、
せっかくの機会なので写真を撮らせていただきました。
「あなたのお姉ちゃんは可愛くて、頑張って生まれたきた
女の子でしたよ。そして、天でいつまでも見守ってくれている
から、優しい子に育ってね。。。幸せな人生を送ってね。
こはるちゃん、お姉ちゃんとして守ってあげてね」
と心に語りかけていた自分でした。
お名前は?と聞いたら、
「ひび」と伝えてくれたママさんでした。
「はあ???。。。」という自分に
「こはるちゃんのときも、ほかの赤ちゃんたちのときにも
ブログの中に
「日々を大切に生きて」という書かれていることが
多いのを感じて、そう想いを込めてそうつけた」
というママさんの言葉に大変感動していた自分でした。
自分もひびちゃんに
「日々を大切に幸せに思える人生を送ってね」
とお伝えしました。
長くはない時間でしたが、ファミリールームを
こんな風に使うことをご家族と一緒に実現した
看護師さんたちや助産師さんたちの優しさも
改めて素敵に感じていました。
後日、ひびちゃんの退院の日は風邪で寝込んでいた
自分ですが、看護師さんから
こはるちゃんとひびちゃんのご家族からの
お写真と手紙をいただきました。
「こはるちゃんとひびちゃんの2人のいのちの重さ、尊さを
感じながら、大切に大切に育てていきたいという言葉」
にこはるちゃんの死で時間を止めずに、こはるちゃんとの想いを
大切にしながら前を向いてそれぞれの人生を生きていこうという
しているご両親の想いを感じ、天のこはるちゃんにもよかったね。
と伝えたい気持ちでした。
たくさんの赤ちゃんたちの死に立ち会い、
この世の果てにいるような気持ちに向き合うご家族に寄り添ってきました。
時がとまってしまう時期があるのもご家族に接して感じることがあります。
どのご家族でもそうだと思っています。
この世の果てに思える
悲しい気持ちがいつかその中にも子供たちが残していた想い、
大切な時間があることを感じながら、時間を止めずに
前を向いて、ご家族の時間、それぞれの人生の時間の
再度、歩んでもらえたら。。。
それが天に先に帰られた
赤ちゃんたちに対する何よりのご供養であり、いのちに感謝する
ことなのかなとNICUで思い、そういう医療をみんなでできたらと
思っています。
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Comments 6
豊島先生、みやこさん、まるさん、ありがとうございます。こはるの母です。
『有終のNICU医療』の記事から2年7ヶ月、いま振り返ってみると、幸せなことも、悲しいことも辛いこともありましたが、そのすべてがあの6日間からの延長で、こはるとの思い出のような気がして。。。
あの日は豊島先生を見た途端にそれが走馬灯のように蘇り、本当にぜんぶ宝物だなぁ思って涙が溢れました。
本当に良いスタッフの方々と出会えて、ご尽力いただいたおかげで一生心に残る経験ができたことを改めて感謝しています。
病院に行く機会は減ってしまいそうで寂しいですが、きっとこれからもこはるが何かを繋いでくれると信じています。妹の『日々』共々、これからもどうぞよろしくお願いします。
> こはるの母さん、「幸せなことも、悲しいことも辛いこともありましたが、そのすべてがあの6日間からの延長で、こはるとの思い出のような気がして。」という言葉の気持ちに心寄せられたらと思いました。その通りの日々だったのではないかと思いました。この前、命の授業シンポジウムで共感した言葉が、「悲しみ、悩み、辛さ」が続いたとしても、その形はだんだんと変わっていく、、、悲しみや悩みの質が時とともに変わっていく。。。時は進んでいくという言葉です。自分は「時を止めたまま」にしてしまうのも先に天に帰った人たちに申し訳ない、いつか天で会うときに顔向けできないような気もして、<想い出とともに、生き続けられたら>と思う気がしました。こはるちゃんの日々があったからこその、ご家族のこれからの日々を楽しみにしています。そして、<日々ちゃん>にこはるちゃんのことを語り継げる日も楽しみにしています。病院に行く機会が減ることを淋しいといってくださりありがとうございます。でも、病院にこないことはいいことと想い、また、会える日を楽しみにしています。